『マーシュランド』とは、2014年にスペインで制作されたスリラー映画。公開同年に開催された第29回ゴヤ賞において、作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞など、過去最多となる10部門を受賞したことで話題となった。日本では「ワールド・エクストリーム・シネマ2015」の一環として、2015年10月から順次、各地の劇場で公開されている。スペインの小さな村で、とある姉妹が行方不明になった。不可解な失踪事件の捜査にあたることになった刑事のペドロは、村に蔓延る犯罪や、相棒の刑事への疑念と向き合うことになる。
『マーシュランド』(映画)の概要
『マーシュランド』(原題:La isla mínima)とは、2014年にスペインで制作されたスリラー映画。監督はアルベルト・ロドリゲス。
スペインでは2014年9月に劇場公開され、同年2月に催された第29回ゴヤ賞では作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞など、過去最多となる10部門を受賞したことで話題となった。
日本では「ワールド・エクストリーム・シネマ2015」の一環として、2015年10月からヒューマントラストシネマ渋谷で公開され、11月からは神戸のCinema KOBE、12月から沖縄のミハマ7プレックスと、各地で公開された。
タイトルはグアダルキビール湿地を意味する「ラス・マリスマス」を意味している。
1980年、スペインのグアダルキビール湿地のすぐそばにある村で、とある姉妹が行方不明になった。祭の夜に発生した不可解な事件の捜査にあたることになった刑事のペドロは、小さな村に蔓延る犯罪と、相棒の刑事であるフアンへ疑念を抱くようになる。
『マーシュランド』(映画)のあらすじ・ストーリー
姉妹の失踪事件
1980年、スペイン南部アンダルシア地方。グアダルキビール湿地近くの小さな町で行われた祭の夜、十代の姉妹カルメンとエストレヤが忽然と姿を消す。事件を担当することになったのは、マドリードから派遣された刑事ペドロと、地元警察に近い立場の刑事フアンであった。
二人はまず姉妹の自宅を訪れ、衣服と通帳を持って失踪していることを知る。母のロシオから渡された手紙の中には、裸にされた姉妹を写した写真のネガが入っており、事件が単なる家出ではないことが明らかになる。学校や目撃者への聞き込みから、姉妹が祭の夜、知人らしき男の運転する白いディアーヌ6に乗り込む姿が目撃されていたことが判明し、犯人は町の内部にいる可能性が高まっていく。
姉妹を捜索する過程で、ペドロたちは地元の労働者に導かれ、霊能者アンエリタの存在を知る。彼女の示唆を手がかりに廃屋を調べたものの、姉妹の所持品が発見されるのみだった。
必死の捜索もむなしく、姉妹は川の中から遺体で見つかった。のちの捜査で、彼女たちは拷問を受けた末に殺害され、別の場所から運ばれて遺棄されていたことが判明する。
過去の事件とフアンへの疑念
二人は姉妹の死を両親に告げ、宿に戻った。宿には母からもらった封筒を現像した写真が届いており、そこには裸の姉妹と、姉妹に迫る男が写っていた。
その日の真夜中、カストロという青年がペドロ達を訪ねてきた。カストロの恋人であるベアトリスも2年前の祭りの夜に失踪し、後に左足のみが発見されたというのだ。
昨年の祭りの夜にも女性が失踪しており、カストロは彼女たちも殺されたのだと必死に訴えてきた。
その後の捜査で、ペドロとフアンは連続殺人事件の可能性が濃厚だと判断する。
事件の捜査線上には、姉妹の知人である青年のキニや、姉妹の遺体が見つかった川近くの狩猟宿に関係する人物、町の有力者たちなどが続々と浮上する。どれもが怪しい人物ばかりだったが、今一つ確証を得ることはできずにいた。
一つずつ真相へのピースを集めて着実に真実へ歩を進める一方、ペドロは次第にフアンの粗暴な取り調べや、権力に対して迎合的な態度を取ることに違和感を覚え始める。
真犯人への接近
捜査が進むにつれ、失踪した少女たちは狩猟宿で売春を強要されていた可能性が明らかになっていった。写真に写る室内と狩猟宿の内装が一致したことから、この宿の管理者であるカーサと、警備員のアントニオが捜査線上に浮かび上がる。さらに、アントニオの正体は、過去に小児性愛の噂を理由に職場を解雇された経歴がある男・セバスティアンであることが判明する。この事実から、二人の刑事はセバスティアンへの疑いを強めるのであった。
このころ、ペドロは捜査で関わった新聞記者のミゲルから、フアンがかつて治安部隊に所属し、反体制デモの弾圧に関わって少女たちを虐殺したという過去を知らされるのであった。フアンは「少女を殺したのは自分ではない」と否定するものの、彼の過去と現在の捜査手法は、ペドロの中で次第に符合していくようになる。
不安定な情勢の中、町では労働者のストライキが激化しつつあった。混乱の中でペドロたちは白いディアーヌ6と帽子の女のステッカーという決定的な手がかりを追う。
失踪事件解決と残された謎
ペドロとフアンはついに、最有力容疑者となったセバスティアンを追い詰め、彼の潜伏先である廃屋を突き止める。追跡の末の銃撃戦で、セバスティアンはフアンによって射殺された。そして、彼が乗っていた車のトランクからは、重傷を負った状態で監禁された少女が救出され、事件の全貌が明らかとなる。少女たちは売春という形で組織的に搾取されたすえ、殺害されていたのだった。
この事件を解決した功績によって、ペドロとフアンはマドリードへの転属を勝ち取った。しかしマドリードへの帰郷前夜、ペドロはミゲルから渡された引き伸ばし写真を見て、ネガに写り込んだ撮影者の腕時計がフアンのものと同じであることに気付いてしまう。
さらに、ミゲルはフアンが拷問のプロとして治安部隊に関与していたという情報を得ており、その証拠も所持していた。
ペドロはフアンへの疑いを捨てきれないまま、翌朝、同じ車で新たな職場となるマドリードへ向かう。事件は解決したが、国家権力と暴力の影は、静かに彼らの背後に残り続けるのであった。
『マーシュランド』(映画)の登場人物・キャラクター
主要人物
ペドロ・スアレス(演:ラウール・アレバロ)
本作の主人公のひとり。姉妹失踪事件の担当刑事としてフアンとバディを組んで捜査にあたる。ある程度の清濁は併せ持つ度量を備えてはいるものの、捜査の過程で、フアンの横暴な取り調べや暴力的な一面を目の当たりにしてしまい、彼に対して疑念を抱くようになる。
フアン・ロブレス(演:ハビエル・グティエレス)
本作の主人公のひとり。姉妹失踪事件の担当刑事としてペドロとバディを組んで捜査にあたる。行動力のあるベテラン刑事だが、暴力的な一面や権力にすり寄る様子を見せ、ペドロから疑いの目を向けられている。
事件関係者
ロドリゴ(演:アントニオ・デ・ラ・トーレ)
画像右の男性がロドリゴ
失踪した被害者姉妹の父。
ロシオ(演:ネレア・バロス)
目次 - Contents
- 『マーシュランド』(映画)の概要
- 『マーシュランド』(映画)のあらすじ・ストーリー
- 姉妹の失踪事件
- 過去の事件とフアンへの疑念
- 真犯人への接近
- 失踪事件解決と残された謎
- 『マーシュランド』(映画)の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ペドロ・スアレス(演:ラウール・アレバロ)
- フアン・ロブレス(演:ハビエル・グティエレス)
- 事件関係者
- ロドリゴ(演:アントニオ・デ・ラ・トーレ)
- ロシオ(演:ネレア・バロス)
- キニ(演:ヘスス・カストロ)
- カーサ・ソト(演:メルセデス・レオン)
- セバスティアン・ロビラ(演:マヌエル・サラス)
- マリナ(演:アナ・トメノ)
- ヘスス(演:サルバドール・レイナ)
- ミゲル(演:ヘスス・カロサ)
- その他
- 『マーシュランド』(映画)の用語
- 連続失踪事件
- 狩猟宿
- ディアーヌ6
- ネガ
- 『マーシュランド』(映画)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 視聴者に謎を残したクライマックス
- 『マーシュランド』(映画)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 重苦しい空気と主演2人の渋さが織り成す緊迫感
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