ザ・キューブ ファイナル・トラップ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ザ・キューブ ファイナル・トラップ』は、2014年に公開されたアメリカのサスペンス映画。監督はブライアン・バインダー、主演はメリッサ・ルビーが務める。『ザ・キューブ ファイナル・トラップ』は邦題で、原題は『RIDDLE ROOM』。「立方体の謎めいた部屋」という点で共通した設定を持つものの、ヴィンチェンゾ・ナタリ監督作として1997年に第一作がリリースされた映画『CUBE』シリーズとは関係がない。目覚めると見知らぬ部屋に監禁されていた1人の女性が、謎に迫りながら脱出を目指す姿を描く。

『ザ・キューブ ファイナル・トラップ』の概要

『ザ・キューブ ファイナル・トラップ』は、2014年に公開されたアメリカのサスペンス映画。監督はブライアン・バインダー、主演はメリッサ・ルビーが務める。
『ザ・キューブ ファイナル・トラップ』は邦題で、原題は『RIDDLE ROOM』となっている。「立方体の謎めいた部屋」という点では共通した設定を持つものの、1997年にヴィンチェンゾ・ナタリ監督作として第一作がリリースされた映画『CUBE』のシリーズ作品とは一切関係がない。この邦題のため「タイトルやパッケージが『CUBE』を連想させることから、関連作品だと勘違いして鑑賞するとギャップがありすぎる」という声や「立方体の謎トラップものと思って鑑賞したら裏切られた」といった批判が多く上がった。しかしこの一方で、サスペンスや心理ホラーとしての完成度や、ラストで明らかになる真実については、その「どんでん返し」の手腕を評価する声もある。
1月3日。薬学博士のエミリーは、見知らぬ部屋で手足を縛られた状態で目を覚ました。ポケットの中には「1月11日 8時30分」と書かれたマッチと、見たことのない小さな鍵が入っている。脱出しようにも出口は塞がれ、悲鳴ですら誰にも届くことはない。果たしてエミリーは部屋の中に散りばめられた謎を解き、脱出することはできるのか。閉鎖空間ならではの緊張感と散りばめられた謎で、「リアル脱出ゲーム」のような展開を楽しむことができる作品となっている。

『ザ・キューブ ファイナル・トラップ』のあらすじ・ストーリー

謎の部屋に監禁されているエミリー

1月3日。薬学博士のエミリー・バーンズが目覚めると、手足を拘束された状態で監禁されていた。監禁場所は簡易ベッドと共に大きなタイマー、そしてテレビが設置された部屋で、監視カメラも備え付けられている。その部屋は当然、エミリーの記憶にはない。ポケットの中からは「1月11日午後8時30分」と書かれたマッチと、小さな鍵がひとつ入っていた。エミリーが混乱しながらも自身の状態を確認すると、首の後ろに大きな瘤のようなものができている。この瘤のせいなのか、興奮すると頭痛やめまい、フラッシュバックが起こって体調を崩してしまう。
何が起こったかわからずに過ごしていると、覆面の人物が突然部屋にやってきた。その人物はエミリーに対し、「1月11日に起こったことを話せ」と迫る。しかし、未来のことを話せ、と言われたところで、見当もつかない彼女は困惑するしかない。しばらくすると、テレビ画面に自分の大学の卒業式のビデオや、夫のアンドリュー、娘のマディーが彼女の帰りを待っている様子が次々と映し出される。再びやってきた覆面の人物は、エミリーの上司にあたるデイヴィッド・コブ教授の死を告げた。疑うエミリーだが、証拠としてその死を報じるニュースを見せられた彼女は口を噤んだ。
覆面は、コブ教授の研究のひとつである「ヘイゼル計画」の内容を知りたいという。しかし、秘密主義の教授の研究内容について、エミリーが把握していることは何もない。

一方、エミリーが監禁されている部屋の隣室では、同僚のアマンダも覆面達に監禁されていた。彼女もまた理由もわからず誘拐されてきたようで、2人はわずかな隙間を使って相談を重ね、脱出することを決意する。エミリーが部屋の中を探っていると、天井に隠されていたヒントから、床下に隠された箱を見つけ出すことができた。箱には鍵がかかっていたが、マッチと一緒に見つけた鍵で開くようだ。
エミリーが箱を開くと、1月11日の新聞記事とカッターナイフが出てきた。エミリーは、未来の日付が書かれた新聞が出てきたことに激しく混乱する。

アマンダの死と真実

箱を見つけ出す際に手に入れたカッターで、部屋を訪れた覆面に反撃しようとしたエミリーは、銃で撃たれてしまう。目を覚ますと傷は無く、同じ部屋の中で手足を縛られた状態で意識を失っていたようだ。部屋からは、アマンダからの別れを告げるメモが発見された。アマンダは、壁を1枚隔てた向こう側で撃たれて命を落としてしまったのだ。
すぐ側で親しい同僚が死んだという現実に脱出を諦めかけるエミリーだが、覆面が次は娘を殺すと脅したことで気力を取り戻す。言葉巧みに覆面の手下と思われる2人組を誘導し、気絶させたエミリーは、彼らの拳銃を奪って覆面の男と対峙する。
とうとう、覆面男は素顔をさらけ出した。覆面の下から出てきたのは、エミリーの友人で主治医でもある、アトリー博士の顔だった。
1月11日、コブ教授の研究を手伝っていたエミリーは事故に巻き込まれていた。博士が研究していたのは未知のウィルスで、そのウィルスに感染したエミリーは、30分間しか記憶が保てないという症状を抱えるようになっていたのである。首の後ろにある瘤も、このウイルスに感染したことによってできたものだった。
アトリー博士いわく、エミリーの記憶の中では4か月間も1月3日が続いていたのだという。フラッシュバックや頭痛はこの実験中に負った怪我の後遺症と、感染したウィルスの影響だった。
全ては記憶を保てる時間が少ないエミリーへの荒治療の一環だった。壁一枚隔てた場所からは愛する家族が見守っており、アマンダは治療に協力してくれた人物だった。このウィルスの正体さえわかれば治療法も見つかるのだが、エミリーは肝心のそれを思い出すことができていない。
そして、その日も何の収穫もないままに30分が過ぎた。

エミリーが目を覚ますと、また手足を縛られ、見知らぬ部屋に押し込まれていたのだった。

『ザ・キューブ ファイナル・トラップ』の登場人物・キャラクター

エミリー・バーンズ(演:メリッサ・ルビー)

本作の主人公。薬学博士として大学に勤務している。1月3日、見知らぬ部屋に監禁された状態で目覚め、覆面の男に「1月11日に起こったことを話せ」と迫られて困惑する。隣室に監禁された同僚のアマンダと共に脱出を試みる。
実際は1月11日に発生した仕事中の事故で、記憶を30分しか保つことができないという記憶障害を患ってしまっており、4カ月にわたって自身が1月3日を繰り返していることが物語終盤で明かされる。

アマンダ(演:エリカ・ホブランド)

エミリーの同僚の女性。エミリーと同じく誘拐され、1月3日、エミリーが監禁されている部屋の隣室で目覚めた。協力して脱出することを決意するが、覆面の男に射殺される。
実際は記憶障害を患ったエミリーの荒療治に協力してくれたというだけで、殺されていないことが物語終盤で明かされる。

ノーマン・アトリー(演:ティレン・ジャムス)

エミリーの同僚兼主治医。30分間しか記憶を保つことができないエミリーの治療の一環として、拉致監禁の芝居を打つ。自身は覆面を身に着けてエミリーを脅す役割を負っていた。

デイヴィッド・コブ(演:ピーター・キャリー)

エミリーの上司。新薬開発のために未知のウィルスを取り扱っていたが、1月11日、研究中に部下のエミリーを巻き込む形で事故を起こしてしまう。自身はこの事故で死亡したが、生き残ったエミリーは怪我と、ウィルスの影響で30分しか記憶を保つことができない記憶喪失を負うことになった。
極度の秘密主義で研究資料が残されておらず、この性格がエミリーの治療を阻む原因となってしまった。

『ザ・キューブ ファイナル・トラップ』の用語

1月3日

エミリーが監禁部屋で目覚めた日。エミリーが30分しか記憶を保てていないため、彼女は4か月間にわたってこの日を繰り返していることが終盤で明かされる。

1月11日

コブ教授が研究中に事故を起こした日。教授はこの事故で死亡し、研究を手伝っていたエミリーはこの日を境に記憶を保てなくなった。

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