70年前の傑作アニメ『メロディ・タイム』一部抜粋

いわゆる「戦後」と呼ばれる時代に作られた、オムニバスアニメーション。しかし、色褪せないどころか今でも十分楽しめる作品群です。「PIXARで十分」なんて言ってると損するかも?

案内役

ほぼすべての話のナレーションを、カンバスに描かれたキャラクターがこなしていました。

描き手がいないのに勝手に絵筆が動いて、人間とも何ともつかないキャラクターが喋り出して…そして始まるオムニバス。

『クマンバチ・ブギ』

リムスキー・コルサコフの『クマンバチが飛ぶ』をBGMに展開されるアニメです。セリフはありません。案内人同様、謎の絵筆によって描き出された楽譜と、主役のクマンバチ。ピアノや音符を思わせる花、虫などに何故か狙われます。

花で眠ろうとすれば食虫植物のごとく食らいつき、ピアノの鍵盤が連なったイモムシ(?)は巨大化して襲い掛かる。何だか見ている内に「スランプ中の音楽家が見た悪夢」にも思えてくる一作です。かわいいから良し!なんて言ってる場合じゃありませんか、そうですか。旋律は美しく、場面によっては楽器の特性を生かしてやかましく…クマンバチの受難と戦いは続きます。

ファイトだクマンバチ!

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『リンゴ作りのジョニー』

ジョニー・アップルシードと呼ばれる人物の一代記です。

実在の人物であり、伝説的な西武開拓者の一人。彼の開拓の手段はリンゴ。その種を携え、人々に新エルサレム教会の教えを説きつつ、オハイオ州やインディアナ州などにリンゴの種を植えて回ったとされる。
「壊れた鍋を帽子の代わりにしていた」
「裸足で歩きまわっていた」
などの逸話がある。

出典: ja.wikipedia.org

右の人は「天使」です。ラストのセリフがまたいい…。

幼少期見た限りでは「リンゴ大好きっ子」くらいの印象しか持ちませんでしたが、実在していた上に凄い人だったんですね、ジョニーさん。リンゴには様々な調理法がある、生で食べるだけなんてもったいない、と思わせる一作です。

『小さな引き船』

はーい、こっちですよー。

タグボートを擬人化したものです。

「ちびっ子トゥート」というこのタグボート君、まだ子供だからか何なのか、いたずら好きのやんちゃ盛り。ある一件で怒られた時はさすがに反省して父親の仕事を手伝おうとするのですが、港を大混乱に陥れてしまいます。で、追放刑に処されちゃいました。そして訪れる嵐。トゥートは波に弄ばれながら遭難した巨大な船を発見。SOS信号こそ出したものの、まともに船を引っ張ったことのない彼に、この船の牽引ができるのか!?

『青い月影』

ペコス・ビルという伝説的な西武のカウボーイの物語です。「盛りすぎやろ」と言われるでしょうが、どうも実在の人物ではないようですし、いいんです。こういったヒーローがいるのは。コヨーテの鳴き声響く夜、たき火を囲んだカウボーイたちが、子供に語って聞かせる話といった導入。この部分は実写であり、その分アニメパートであるビルの「アリエナイ」伝説が際立っているようです。

えどまち
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@edono78

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