『死霊高校』(しりょうこうこう)とは、2015年に公開されたアメリカのホラー映画。『死霊高校』というのは邦題で、原題は『The Gallows』(絞首台)。アメリカでは2015年7月10日に、日本では同年8月22日に公開された。1993年、ビアトリス高校の演劇部では演劇の上演中、男子生徒が死亡するという痛ましい事故が発生する。そして月日は流れ約20年後の2013年。いわくつきのシナリオとなってしまった「絞首台」を演じることになった演劇部の部員たちが体験する、恐怖の一夜を描く。
『死霊高校』の概要
『死霊高校』(しりょうこうこう)とは、2015年に公開されたアメリカのホラー映画。『死霊高校』というのは邦題で、原題は『The Gallows』(絞首台)。アメリカでは2015年7月10日に、日本では同年8月22日に公開された。全米2720館で封切られ、公開初週末に980万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場5位のヒットとなるも、批評家からの評判は芳しいものではなく「ストーリーに捻りを効かせようとして失敗し、映像は美しさに欠ける。『死霊高校』は混乱する観客をファウンド・フッテージの手法で撮影されたホラー映画群の底辺へと誘っていく」という声が上がっている。しかし、「生徒らが見舞われる恐怖体験を、生徒らが撮影した映像」という設定であることから、手ブレなどの映像の乱れにはリアリティがある、とする視聴者の意見もあった。
2019年には『死霊高校2』として、続編も制作されている。
本作の特徴として、出演者たちの名前がそのまま登場人物名に採用されていることが上げられ、その点も「生徒自身が撮影している」という点にリアリティを持たせるポイントとして一役買っている。
1993年、ビアトリス高校の演劇部では、ハングマンをテーマにした演劇「絞首台」の上演中、男子生徒が現実に首を吊られて死亡するという痛ましい事故が発生した。そして月日は流れ約20年後の2013年。いわくつきのシナリオとなってしまった「絞首台」を演じることになった演劇部の部員たちが体験する、恐怖の一夜を描く。
『死霊高校』のあらすじ・ストーリー
公演中の悲劇と20年越しの再演
1993年。ビアトリス高校では保護者を招いて演劇部の舞台「絞首台」が上演されていた。和やかに演目は進んでいくが、主役のオーガストを演じたチャーリーが死刑になるシーンで問題は発生した。なぜか絞首台の踏み板が外れ、演じているチャーリーの首にロープがかかってしまったのだ。共演者や観客は慌てて彼を助けに行くものの、会場はパニック状態に陥ってしまう。
それから20年後の2013年、ビアトリス高校では演劇部が再び「絞首台」を演じることになる。練習を見に来ていた保護者をビデオに収めていた撮影係のライアンは、毎日見に来ている中年女性のことが気にかかる。その女性に話を聞いてみると、彼女は自身が1993年に「絞首台」に出演していた部員のひとりであり、無事に終わるかが気にかかっていると語った。
この舞台ではライアンの親友、リースがオーガスト役を演じることになっていた。本番を翌日に控えているにもかかわらず、最後の稽古が行われてもリースは登場するタイミングまで間違えてしまい、ヒロインを演じるファイファーに注意を受ける。
その後の会話の流れでリースがファイファーに恋していることを知ったライアンは2人を茶化すが、その際に鍵が壊れたドアを発見。リースにそこから忍び込んで舞台のセットを壊そうと持ちかける。リースは怒るが、演技に全く自信が持てない彼は結局それを承諾してしまう。
高校へ忍び込むリースとライアン
その夜、恋人のキャシディと共にリースを迎えに来たライアンは、劇を中止するように進言してきた父とライアンが口論をしているのを目撃する。その後、3人は鍵が壊れたドアから学校に侵入し、設置されていた舞台セットを倒したり、絞首台を壊してロープを外したりと破壊の限りを尽くす。しかし近くで物音がしたため他の部屋へ行こうとドアを開けると、そこにはファイファーの姿があった。彼女に何をしていたのか聞かれ、経緯をごまかすリース。彼がファイファーを引き付けている間に、キャシディはこっそり舞台のセットを直していた。突然携帯電話が繋がらなくなったこともあり、嫌になったキャシディは帰ろうとする。
しかし、侵入してきたドアが開かなくなり、彼らは外に出られなくなってしまった。4人は協力して他のドアを開けようとしたものの、なぜかどのドアも開かない。外に出られないことに腹を立てたキャシディは、ファイファーにセットを壊しに来たことを暴露してしまう。「絞首台」を演じることが夢だったというファイファーは、泣きながらその場を立ち去っていった。ファイファーを追った3人が舞台へ向かうと、先ほど間違いなく壊したはずの絞首台が元通りになっていて、ロープもきちんとかけられていることに気が付いた。
不気味に思い、学校事務所の電話で助けを呼ぼうとする3人。しかし電話は繋がらず、途方に暮れてしまう。
姿を現した絞首刑執行人
するとそこで合流したファイファーが通路の奥の扉を発見する。扉を開くと、テレビが置いてあるだけの部屋に辿り着いた。テレビでは1993年に「絞首台」の上演中、チャーリーが亡くなった際のニュース映像が流れていた。そのニュースの内容から、元々絞首刑執行人の役だったチャーリーが急遽代役で主役になっていたこと、いつも自分たちの劇の練習を見に来ていた中年女性が当時のチャーリーの恋人だったことが発覚する。ニュースには舞台の集合写真も映し出され、その中にいたある人物にリースは目を止めるが、そこで画面が消えてしまった。そこでリースは、学校の廊下に飾ってある1993年版「絞首台」の集合写真を確かめに行く。
本来のオーガスト役はリースの父親だった。チャーリーが自身の父の代役を引き受けたばかりに亡くなっていたことを知ったリースは、強いショックを受ける。
その頃、1人はぐれてしまったライアンは怪しげな小部屋の高い天井の上の方に何かが揺れているのを見つけていた。ビデオカメラをズームにして見てみると、そこには人が静かにぶら下がっていた。
ライアンが合流し、4人は再び脱出のために動き始めるが、誰かが天井裏を歩いてこっちに近づいてくるような足音が聞こえてくる。その足音がキャシディの上で止まった瞬間、キャシディは見えない者に首を吊られるように体を持ち上げられて落ち、パニックに陥ってしまう。それに怒ったライアンがチャーリーを挑発するような言葉を言ったためか、体を飛ばされて通気口から落下。足を折ったライアンを見て動揺した3人は、彼の足を縛るものを探しに廊下へ飛び出していく。すると、ライアンがいた部屋の鍵がかかって戻れなくなってしまった。中からライアンの叫び声がすると同時に扉の鍵が勝手に開き、中に入ってみると、そこに彼の姿はなかった。
落ちていたライアンの携帯電話には、絞首台用のロープを持った絞首刑執行人が、逃げようとするライアンの首を吊って舞台の上へ引き上げている映像が残されていた。精神的に追い込まれたリースが自分を責めている間、1人で泣いていたキャシディ。ふと気付くと、首に絞首台のロープがかけられていて、そのまま後ろに引っ張られて消えてしまう。
ファイファーの真実
リースとファイファーは、助けを呼ぶために火災報知器を鳴らしていた。しかし、そんな彼らを絞首刑執行人が追いかけてくる。逃げ惑う二人が舞台の天井裏を進んでいくと、1993年版の「絞首台」の集合写真が落ちていた。それに気を取られていると、目の前にライアンとキャシディの死体が突然現れた。ぶら下がる遺体を前に悲鳴を上げ、泣き出すファイファー。
ドアが開いているのが見えた2人は舞台を横切ってその場を立ち去るが、無事に外に出ることができたのはリースだけだった。ファイファーの助けを求める声が聞こえたリースが中に戻ると、そこには舞台の中央で首を押さえて座り込んでいるファイファーの姿があった。突然舞台の二人にスポットライトが当てられ、リースはポケットの中から1993年の集合写真を取り出した。「絞首台」のセリフを言い合いながら口づけをかわし、リースは絞首台へ向かい首にロープをかけた。
絞首刑執行人がリースの後ろに立ち、絞首台の踏み板が外される。客席に向かい深々とお辞儀をするファイファー。客席からはチャーリーの恋人だった女性が拍手を送っていた。
その後、ファイファーの家には警官が訪れていた。家の中にはファイファーとチャーリーの恋人だった女性の写真があった。二人は母子だったのである。彼女たちの家は「絞首台」の舞台を模しており、首にロープを巻かれた人形や舞台衣装が雑多に置かれていた。さらに、テレビでは1993年の「絞首台」の事故のニュースが映っていたりと、異様な光景が広がっている。その部屋のベッドでチャーリーの恋人だった女性は、無言でファイファーの髪を梳いていた。ただならぬ雰囲気の二人とテレビ映像を見た警官が思わずチャーリーの名を口にすると、母子はその名を口にしないようにと言い聞かせる。その警官が他の部屋にいた警官を呼ぶと、彼は首にロープをかけられ引き上げられていくところだった。驚く警官の背後には、絞首刑執行人が迫っている。
『死霊高校』の登場人物・キャラクター
リース(演:リース・ミシュラー)
日本語吹き替え:小林親弘
本作の主人公。元はアメフト部所属だったが、ファイファーに一目ぼれしたことで演劇部に入部。「絞首台」の主人公に抜擢されるも、演技経験がないためうまくいかずに悩んでいる。
ファイファー(演:ファイファー・ブラウン)
日本語吹き替え:山根舞
本作のヒロインで、演劇部の部員。「絞首台」ではリースの相手役を演じており、この演目に並々ならぬ情熱を傾けている。
ライアン(演:ライアン・シューズ)
画像右がライアン
日本語吹き替え:木村昴
リースの親友。アメフト部に所属しつつ、演劇部ではビデオ撮影係を担当。高校生らしく悪乗りがすぎるきらいがあり、リースがファイファーに恋していることを知っていじったり、彼の演技のあまりのひどさを目の当たりにして、セットを破壊することで舞台そのものを中止にしようと目論んだりする。
キャシディ(演:キャシディ・ギフォード)
日本語吹き替え:志田有彩
ライアンの恋人。チアリーディング部に所属している。ライアンが舞台を破壊することを提案した際、一緒に学校に忍び込む。ファイファーが現場に現れた際は破壊したセットをこっそり直したりと、彼氏のライアンと比べるといくらか常識がある様子。
目次 - Contents
- 『死霊高校』の概要
- 『死霊高校』のあらすじ・ストーリー
- 公演中の悲劇と20年越しの再演
- 高校へ忍び込むリースとライアン
- 姿を現した絞首刑執行人
- ファイファーの真実
- 『死霊高校』の登場人物・キャラクター
- リース(演:リース・ミシュラー)
- ファイファー(演:ファイファー・ブラウン)
- ライアン(演:ライアン・シューズ)
- キャシディ(演:キャシディ・ギフォード)
- 絞首刑執行人(ハングマン)
- シュウェンディマン氏(演:トラヴィス・クラフ)
- 『死霊高校』の用語
- 絞首台
- 『死霊高校』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 執念を感じるファイファー母子の姿
- 『死霊高校』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 原題『THE GALLOWS』の意味は「絞首台」
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