『ブラックハット』とは、2015年に公開されたアメリカのサスペンス・アクション映画である。マイケル・マン監督、クリス・ヘムズワース主演。悪質なハッカー「ブラックハット」により香港の原発が爆破され、アメリカの金融市場も被害を受ける。米中合同捜査チームは事件解決のため、服役中の天才ハッカー・ハサウェイに協力を要請。犯人が自身のプログラムを悪用していると知ったハサウェイは、正体不明の敵を追い世界を駆け巡る。実在のウイルス等に着想を得て、サイバー犯罪の脅威を描いた作品である。
『ブラックハット』の概要
『ブラックハット』(原題:Blackhat)とは、2015年に公開されたアメリカ合衆国のサスペンス・アクション映画である。マイケル・マンが監督・製作を務め、クリス・ヘムズワースが主演を務めた。アメリカでの公開日は2015年1月16日。日本での公開日は2015年5月8日。
悪質なハッカー“ブラックハット”がネットワークに不法侵入し、香港の原子炉が破壊したことで、アメリカの金融市場が大きな被害を受けた。アメリカと中国の合同捜査チームは事件解決のため、現在獄中生活を送る凄腕のハッカーで天才プログラマーのニコラス・ハサウェイに協力を要請。犯人は以前ハサウェイが開発したプログラムを応用していた。正体・目的共に不明の犯人のしっぽをつかむべく、ハサウェイは捜査チームと共に世界中を駆け巡る。
本作はサイバー犯罪と現実のグローバルなテロリズムの脅威を融合させたサスペンス・アクション作品である。実在するコンピュータワーム(スタックスネット)に関する文献等から着想を得て制作された。タイトルの「ブラックハット」とは、悪意を持って攻撃を行うサイバー犯罪者(ハッカー)を意味するIT用語に由来している。
『ブラックハット』のあらすじ・ストーリー
迫るサイバーテロの脅威
中国・香港に所在する柴湾(チャイワン)原子力発電所の中枢ネットワークに、何者かが不法侵入(ハッキング)を開始する。悪質なハッカー「ブラックハット」によって冷却ポンプの制御プログラムが書き換えられて破壊された結果、原子炉は水蒸気爆発を引き起こし、メルトダウン寸前の甚大な惨事へと発展してしまう。
さらに時を同じくして、アメリカの金融市場に対しても同様の手法によるサイバー攻撃が行われる。ハッカーは市場のシステムに侵入して大豆の先物取引価格を意図的に暴騰させ、膨大な不当利益を得ていた。世界経済とインフラを揺るがす正体不明の犯人とその目的に対し、米中両国は未曾有の危機感を募らせる。
米中合同捜査と天才ハッカーの条件付き釈放
中国政府から事態解決を命じられた中国人民解放軍情報部のチェン・ダーワイ大尉は、事件に使用された高度なマルウェアのコードを解析する。その結果、攻撃に使われたプログラミングコードが、かつて自身がアメリカのマサチューセッツ工科大学に留学していた際、ルームメイトであり親友でもあったニコラス・ハサウェイと共に作成したオリジナルのプログラムを応用したものであることを突き止める。
米国でも同様のハッキング被害が確認されたことで、米中の合同捜査チームが結成される。ダーワイは、同じく優れたプログラミング技術を持つネットワーク・エンジニアの妹チェン・リエンと共に訪米するが、サイバー空間の脅威に対するFBI側の対応能力不足を痛感する。そこでダーワイは、捜査を主導するキャロル・バレットFBI捜査官に対し、事件解決の鍵を握る天才ハッカー、ハサウェイの捜査参加を強く申し出る。
当時、ハサウェイはカード詐欺などの罪により13年の実刑判決を受け、刑務所で服役中だった。FBIから協力を要請されたハサウェイは、自身の知識と技術を提供して犯人逮捕に貢献できた場合、すべての罪状を抹消して即座に全額釈放することを条件に申し出を承諾。マーク・ジェセップFBI捜査官らの厳重な監視のもと、合同捜査チームの一員として前線に復帰する。
世界を巡る追跡と忍び寄る刺客
ハサウェイは、犯人が残した微細なデータの痕跡を驚異的な追跡力で解読していく。その過程で、一見ビジネスライクに見えたリエンとハサウェイは、命の危険が隣り合わせの極限状態のなかで徐々に惹かれ合っていく。
捜査チームは、ハッキングの中継拠点やデータの送信元を特定するため、ロサンゼルスから香港へと世界中を駆け巡る。しかし、自分たちの尻尾を掴まれつつあることを察知した「ブラックハット」側も、元ファランヘ党の民兵であるエリアス・カサール率いる凶悪な重武装グループを解放。香港警察のアレックス・トラン刑事ら現地警察の支援を受けながら捜査を継続するものの、都市の市街地や建設中の排水トンネルなどで激しい銃撃戦が勃発し、捜査チームは常に死と隣り合わせの追跡劇を強いられる。
明かされる真の目的と悲劇
ハサウェイはNSA(国家安全保障局)のリッチ・ドナヒュー局員らが隠蔽していた衛生データを独自の手法で入手し、汚染された原発内部のサーバーから犯人のデータを直接回収することに成功する。回収したデータを解析した結果、犯人の目的は単なる政治的テロや原発の破壊、金融市場の攪乱ではないことが判明する。
犯人の真の狙いは、インドネシアのマレー半島近郊にある主要なプラチナ鉱山の排水システムをハッキングによって壊滅・水沈させ、世界のプラチナ供給を途絶えさせることだった。あらかじめプラチナの先物取引を買い占めておき、市場価格を極限まで高騰させて莫大な利益を得ることこそが、黒幕の真の目的だったのだ。
しかし、真相に辿り着いた捜査チームに対し、犯人側は容赦ない襲撃を仕掛ける。香港の路上での激しい爆破と銃撃戦により、長年の親友であったダーワイ、そしてハサウェイの能力を認めつつあったバレットやジェセップまでもが命を落としてしまう。
ジャカルタでの決死の直接対決
仲間をすべて失い、司法機関からの支援も途絶えたハサウェイとリエンは、身一つで決着をつけることを決意する。二人は黒幕の潜伏先であるインドネシアのジャカルタへと向かう。
ハサウェイはサイバー空間上で黒幕に対して取引を持ちかけ、直接対面する場を引き出すことに成功する。決戦の舞台となったのは、伝統的なニュピの祭りが執り行われ、無数の異形の人形(オゴオゴ)と3,000人もの群衆がひしめき合うジャカルタのバンテン広場だった。
熱気に包まれた狂乱のパレードのど真ん中で、ハサウェイは「ブラックハット」の首領であるサダックおよびその右腕カサールと相対する。キーボードを武器とする天才ハッカーでありながら、服役中に鍛え上げた肉体とタフネスを持つハサウェイは、隠し持っていた刃物を手にして暗殺者たちとの生々しい泥沼の肉弾戦に挑む。極限の死闘の末、ハサウェイは自らの手でサダックとカサールを討ち果たし、サイバー空間を脅かした一連の惨劇に終止符を打つ。
事件の解決後、すべての追手から身を隠したハサウェイとリエンは、奪還した莫大な資金を手に、新たな人生を歩むべくジャカルタの街から静かに姿を消していくのだった。
『ブラックハット』の登場人物・キャラクター
主要人物
ニコラス・ハサウェイ(演:クリス・ヘムズワース)
日本語吹替:三宅健太
天才ハッカー。クレジットカード詐欺などの罪で服役中であったが、事件解決への協力を条件に一時釈放される。サイバー空間での圧倒的なハッキング技術に加え、刑務所で鍛え上げた強靭な肉体とタフネスを併せ持つ。
チェン・ダーワイ大尉(演:ワン・リーホン)
日本語吹替:咲野俊介
中国人民解放軍の情報部大尉。ハサウェイの大学時代のルームメイトであり親友。事件に使われたコードがハサウェイとの共作であることを見抜き、彼を捜査チームに呼び寄せる。
チェン・リエン(演:タン・ウェイ)
日本語吹替:大坂史子
ダーワイの妹。優秀なネットワーク・エンジニア。米中合同捜査チームの技術担当として参加し、命懸けの追跡劇の中でハサウェイと深く惹かれ合っていく。
目次 - Contents
- 『ブラックハット』の概要
- 『ブラックハット』のあらすじ・ストーリー
- 迫るサイバーテロの脅威
- 米中合同捜査と天才ハッカーの条件付き釈放
- 世界を巡る追跡と忍び寄る刺客
- 明かされる真の目的と悲劇
- ジャカルタでの決死の直接対決
- 『ブラックハット』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ニコラス・ハサウェイ(演:クリス・ヘムズワース)
- チェン・ダーワイ大尉(演:ワン・リーホン)
- チェン・リエン(演:タン・ウェイ)
- 米国・香港の捜査機関
- キャロル・バレット(演:ヴィオラ・デイヴィス)
- マーク・ジェセップ(演:ホルト・マッキャラニー)
- アレックス・トラン刑事(演:アンディ・オン)
- リッチ・ドナヒュー(演:ウィリアム・メイポーザー)
- サイバーテロ集団
- サダック(演:ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン)
- エリアス・カサール(演:リッチー・コスター)
- 『ブラックハット』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 異色の「肉弾派」ハッカー像
- ニコラス・ハサウェイのモデルは実在の凄腕ハッカーであるマックス・バトラー
- 緊迫した極限状態が生んだ唐突なロマンス
- 画面に表示されるコードはフランスの官能小説『O嬢の物語』の一節
- 中国国内では劇場未公開
- 音楽を巡る作曲家との対立
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