『ホーム・アローン』の泥棒コンビは本当に「まぬけ」か?
クリスマス映画の定番ともいえる『ホーム・アローン』。カルキン君演じる「ケビン」と、「まぬけな泥棒」コンビの「ハリー」、「マーブ」の「戦い」を描くコメディですが…よく「まぬけ」と称されるこの泥棒コンビ…子供に出し抜かれただけで実は結構「優秀」だったりするんですよね…。
ハリー(左)とマーブ(右)
自称天才のハリーと、ややおとぼけているマーブ。子供にしてやられるなんて何ておまぬけ、と思いきや…。
入念な事前調査
一作目では警官に扮し、どの家が留守か、「泥棒に入られないため」自動で点灯する仕掛けなどを聞き込み。さすがに警官に化けていたら民間人は疑わず、自分から「旅行なんですよ~」なんて喋っちゃうんです。しかも、自動点灯の時間まで調べる徹底ぶり。悪事にかかわらず、事前の入念な調査は必要ですね。
警察から逃れる名人?
長らく捕まらなかったうえ、脱獄、高跳びに成功しているんです。優秀すぎます。
石橋は叩きに叩いてから、渡る
ケビンの家、マカリスター家が「一番の狙い目」と侵入を試みますが、ケビンの機転で「留守じゃないのか!?」と訝しみ、その日は撤退。無理に決行しないところはプロです。その後もケビンの様子をうかがい、「一人らしいな…」と泥棒決行を決意するのでした。つまり、「子供が一人」と判明できるまで、決して行動に移らない。下手をすれば刑務所行き。先の調査と同じく、慎重になるのは当たり前です。
目の付け所
一作目では警官に扮して「安全意識」について聞き込みをしていましたが、二作目ではおもちゃ屋を狙うのです。理由は、一見泥棒とは無関係そうだし、クリスマスにはプレゼントの売り上げ、つまり現金でいっぱいだから。閉店時間近くに来て隠れるという徹底ぶりにも感心です。いや、悪事ですし悪人に感心するのはよくないんですが、ハリーマジで頭いいです。使い所間違ってるのが惜しいです。一方、ちょっと抜けているマーブですが、「洪水泥棒」「粘着泥棒」なんて呼び名にこだわって、盗んだ家の水道を溢れさせたり、手にガムテープのようなものを付けてかっぱらいをしたり…彼は彼で目の付け所が違うかと。
最後に
意外と優秀だったことが分かりましたが、ケビンの方が数枚も上手だったので結果はご承知の通り。「相手が子供」と舐めてかかった上、「反撃された」と怒ったせいで注意力が散漫になった結果「負けた」んですね。割り合い慎重派で事前調査も怠らず、「大丈夫だ」との確信を得るまで動かない…二作目でハリーが身の上話してましたが、性格が歪まなければ優秀な人材としてまっとうに働いてたろうに、勿体ない…と思う次第です。まあ、映画だし、そんな深く考えることもないんですが。