フォーカス(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『フォーカス』とは、2015年のウィル・スミス主演のたロマンティック・コメディ映画。視点を操り相手を欺く「フォーカス」の技術を駆使する詐欺師たちの駆け引きと、嘘の中に芽生える愛を描く。
30人の詐欺師を束ねる超一流の詐欺師・ニッキーは、自分を騙そうとした女詐欺師ジェスと出会う。彼女の素質を見抜いたニッキーは、詐欺のテクニックを伝授し仲間に加えるが、大仕事の直後に無情な別れを告げる。スタイリッシュな手口と、心理戦の果てに展開される予測不能な再会劇が見どころの上質なエンターテインメント作品である。

日本語吹替:三木眞一郎

スペインの有力なモーターレース(F1)チームのオーナー。自尊心が高く、非常に嫉妬深い性格。ライバルチームを蹴落とすためニッキーを雇うが、その傍らには恋人としてジェスを置いている。ニッキーの詐欺計画における重要な鍵を握る人物。

リ・ユァン(演:B・D・ウォン)

日本語吹替:近藤浩徳

物語中盤の大きな見どころとなるアメフト会場で登場する、中国人の大富豪兼ギャンブラー。ニッキーを挑発してエスカレートする賭けに誘い込む。心理戦のプロであるニッキーを窮地に追い込むほどの強運と度胸を持つ。

マキューエン(演:ロバート・テイラー)

日本語吹替:中根徹

ガリーガが敵対視しているレースチームのオーナー。ガリーガの依頼を受けたニッキーから、偽の燃費向上データを売り込まれるターゲットとなる。

犯罪グループ・関係者

オーウェンズ / バッキー(演:ジェラルド・マクレイニー)

日本語吹替:坂口芳貞

ガリーガの警備主任として付き従う、厳格で疑り深い男。常にニッキーを監視し、不信感を露わにしている。しかしその正体は、ニッキーに詐欺のいろはを教え込んだ実の父親(養父)バッキーである。愛に溺れて失態を犯す息子に呆れつつも、土壇場では非情かつ完璧なフォローを見せる。

ファハド(演:エイドリアン・マルティネス)

日本語吹替:桜井敏治

ニッキー率いる窃盗チームの古参メンバー。ハッキングや技術担当で、デリカシーに欠ける言動が目立つムードメーカー。ジェスともすぐに打ち解け、後にニッキーとジェスが再会した際には、二人の仲を取り持つ橋渡しのような役割も担う。

『フォーカス』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ミュージカルのようなテンポの良い詐欺の演出

前半から中盤にかけて展開される詐欺の連鎖は、非常に緻密かつスピーディーである。一糸乱れぬ連携で繰り出される盗みの手口は、演出の妙も相まってミュージカルやサーカスのような芸術性すら感じさせる。特に中盤に用意された伝説のギャンブラーとの勝負は、観客の裏をかく心理戦が緻密に構成されており、種明かしの瞬間に至るまでの緊張感の持続は本作の最大の見どころといえる。
物語の終盤は、大掛かりな詐欺のスキームを描きつつも、主軸がキャラクター同士の恋愛模様へとシフトしていく。前半のスタイリッシュなコンゲーム(信用詐欺)の流れと比較すると、終盤は情緒的なドラマの比重が高まるため、物語のテンポやジャンル的な純度という点では評価が分かれる箇所でもある。ラストには伏線の回収を伴う反転が用意されているが、全体としてはエンターテインメント性を重視したラブ・サスペンスとしての側面が強い。
主演のウィル・スミスは、冷静沈着なプロフェッショナルとしての存在感を十分に発揮しており、作品の質を底上げしている。日本におけるコンゲーム作品の代表例である小説『カラスの親指』と雰囲気が重なる部分もあるが、本作はより華やかでハリウッドらしい上質なエンターテインメントへと昇華されている。伏線の処理には一部簡略化された部分も見受けられるが、手品のように鮮やかな詐欺の手口を楽しむ娯楽作として、高く完成された一作である。

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