『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』とは、2008年のアメリカのファンタジー・ドラマ映画である。デヴィッド・フィンチャー監督、ブラッド・ピット主演。F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説を原作とし、第81回アカデミー賞で最多13部門にノミネートされ、美術賞、視覚効果賞、メイクアップ賞を受賞した。英国アカデミー賞などでも多数受賞している。80歳の老人の姿で生まれ、歳を重ねるごとに若返っていく男の数奇な生涯が、病床の老婆が娘に読み聞かせる日記を通して描かれる。
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の概要
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(原題:The Curious Case of Benjamin Button)とは、2008年のアメリカ合衆国のファンタジー・ドラマ映画である。監督はデヴィッド・フィンチャー、主演はブラッド・ピットが務めており、『セブン』『ファイト・クラブ』に続くコンビ作品となった。本作は、1922年に発表されたF・スコット・フィッツジェラルドの同名短編小説をもとに、エリック・ロスとロビン・スウィコードが脚本を執筆した。
第81回アカデミー賞では作品賞を含む最多13部門にノミネートされ、美術賞、視覚効果賞、メイクアップ賞の3部門を受賞したほか、第62回英国アカデミー賞でも美術賞、視覚効果賞、メイクアップ&ヘアー賞の3部門を受賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞で監督賞と脚色賞を受賞するなど、数々の映画賞で高い評価を獲得した。物語は2005年、ハリケーンが接近するニューオーリンズの病院で、死期が迫った老婆のデイジー・フューラーが娘のキャロラインに一冊の日記帳を読み聞かせるよう頼む場面から始まる。その日記には、80歳の老人の姿で生まれ、歳を重ねるごとに若返っていくという数奇な運命を辿った男、ベンジャミン・バトンの一生が綴られていた。
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のあらすじ・ストーリー
誕生と老人施設での成長
2005年、ハリケーンが迫るニューオーリンズの病院で、死期が近い老婆デイジー・フューラーは娘のキャロラインに、ベンジャミン・バトンという男の日記帳を読み聞かせるよう頼む。
物語の始まりは、第一次世界大戦が終結した1918年のニューオーリンズに遡る。ある夜、老人施設を経営する黒人夫婦のクイニーとティジーは、敷地内に置き去りにされていた赤ん坊を発見する。その赤ん坊は80歳の老人のような容姿と身体機能を持っていた。子宝に恵まれなかったクイニーは神からの授かりものと信じ、夫の反対を押し切って自らの手で育てることを決意し、赤ん坊をベンジャミンと名付ける。施設の老人たちに温かく迎え入れられたベンジャミンは、死を身近に感じながら幼少期を過ごし、成長とともに徐々に身体機能を回復させて車椅子から杖歩行へと若返っていく。
1930年、12歳(外見は70代)になったベンジャミンは、施設を訪れた入居者の孫娘である少女デイジーと出会う。デイジーは彼が外見とは異なり心は子供であることを見抜き、二人は特別な絆で結ばれる。
世界への旅立ちと試練
1936年、17歳(外見は60代)になったベンジャミンは世界を知るために旅立つことを決意し、タグボートの船員として働き始める。離れ離れになるデイジーとは絵葉書を送る約束を交わす。
デイジーがニューヨークでバレエダンサーとしての才能を開花させていく一方、ベンジャミンは寄港地のロシアで人妻エリザベス・アボットとの初恋と切ない別れを経験する。やがて太平洋戦争が勃発すると、彼の乗る船も戦火に巻き込まれ、仲間たちの死に直面する。
1945年の終戦後、26歳(外見は50代)となったベンジャミンはニューオーリンズへ帰郷し、クイニーや、大人の女性へと成長したデイジーと再会する。しかし、洗練された都会の生活を送るデイジーとの間には意識のズレが生じ、二人はすれ違いを繰り返す。
その後、パリで新進気鋭のバレリーナとして活躍していたデイジーは事故に遭い、足を骨折してダンサーとしてのキャリアを断たれてしまう。駆けつけたベンジャミンに対し、哀れまれたくないデイジーは拒絶の態度をとり、二人は再び距離を置くことになる。
結ばれる二人と運命の選択
数年後、傷を癒やしてニューオーリンズに戻ったデイジーとベンジャミンは互いの愛を確かめ合い、ついに結ばれる。外見上の年齢がちょうど等しくなった二人は家を構え、共に穏やかで幸せな時間を過ごす。
やがてデイジーは妊娠し、娘のキャロラインが出生する。しかし、若返り続ける自分が父親として家庭にとどまることは、将来的に妻と娘の大きな負担になると悟ったベンジャミンは苦悩する。苦渋の決断の末、彼は自身の財産をすべて残し、幼い娘とデイジーの前から姿を消して一人で旅立つ。
晩年と終焉
時は流れ、10代の少年の姿まで若返ったベンジャミンは認知症を発症し、自らの記憶や名前すら失ってしまう。所持品から連絡を受けたデイジーは彼を引き取り、老夫婦が暮らす施設で寄り添いながら世話を続ける。次第に心身ともに幼児へと戻っていくベンジャミンは、最後は赤ん坊の姿となり、老いたデイジーの腕の中で静かに息を引き取る。
娘のキャロラインが日記の最後のページを読み終えると同時に、病院のベッドに横たわっていたデイジーもまた、静かにその生涯を閉じたのだった。
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の登場人物・キャラクター
主要人物
ベンジャミン・バトン(演:ブラッド・ピット)
日本語吹替:山寺宏一
本作の主人公。80歳の老人の身体機能と容姿を持って生まれ、歳を重ねるごとに若返っていく運命を背負う。実父に捨てられた後、老人施設を営むクイニーに育てられる。様々な人々との出会いと別れ、そして最愛の女性デイジーとのすれ違いを経験しながら、数奇な生涯を歩んでいく。
なお、幼少期から青年期にかけての老人の姿はロバート・タワーズ、ピーター・ドナルド・バダラメンティ2世、トム・エヴェレットらが演じ、晩年の少年・子供時代の姿はスペンサー・ダニエルズ、チャンドラー・カンタベリー、チャールズ・ヘンリー・ワイソンが演じている。
デイジー・フューラー(演:ケイト・ブランシェット)
日本語吹替:塩田朋子、諸星すみれ(7歳時)、宮本侑芽(10歳時)
本作のヒロイン。老人施設に入居していた祖母を訪ねた際、12歳のベンジャミン(外見は70代)と出会い、彼の特別な本質を見抜いて友情を育む。成長して洗練されたバレリーナとなり、ベンジャミンとすれ違いを重ねながらも、互いの外見年齢が重なった時期に深く結ばれる。晩年に病床で娘のキャロラインにベンジャミンの日記を読ませ、自身の過去を明かしていく。
少女時代はエル・ファニング(7歳時)およびマディセン・ベイティ(10歳時)が演じている。
ベンジャミンの家族・関係者
クイニー(演:タラジ・P・ヘンソン)
目次 - Contents
- 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の概要
- 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のあらすじ・ストーリー
- 誕生と老人施設での成長
- 世界への旅立ちと試練
- 結ばれる二人と運命の選択
- 晩年と終焉
- 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ベンジャミン・バトン(演:ブラッド・ピット)
- デイジー・フューラー(演:ケイト・ブランシェット)
- ベンジャミンの家族・関係者
- クイニー(演:タラジ・P・ヘンソン)
- ティジー(演:マハーシャラルハズバズ・アリ)
- トーマス・バトン(演:ジェイソン・フレミング)
- キャロライン・バトン(演:ジョーアンナ・セイラー)
- キャロライン・フューラー(演:ジュリア・オーモンド)
- 旅先・仕事での出会い
- マイク船長(演:ジャレッド・ハリス)
- エリザベス・アボット(演:ティルダ・スウィントン)
- プレザント・カーティス(演:ジョシュ・スチュワート)
- その他
- ムッシュ・ガトー(演:イライアス・コティーズ)
- グランマ・フューラー(演:フィリス・サマーヴィル)
- ドロシー・ベイカー(演:フォーン・A・チェンバーズ)
- 説教師(演:ランス・E・ニコルズ)
- セオドア・ルーズベルト(演:エド・メッツガー)
- デイジーの友人(演:ビアンカ・チミネロ)
- 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 鑑賞者に解釈を委ねる物語構造
- 企画は20年以上に及び難航
![RENOTE [リノート]](/assets/logo-5688eb3a2f68a41587a2fb8689fbbe2895080c67a7a472e9e76c994871d89e83.png)