Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む(ドキュメンタリー映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』とは2022年2月2日よりNetflixでリミテッド配信されたドキュメンタリー映画。ロンドンで実際に起きた大規模な恋愛詐欺事件にフォーカスした作品である。
自称「ダイヤモンド王の息子、サイモン・レヴィエフ」を名乗る男は、マッチングアプリ「Tinder」で出会った女性から大金を巻き上げる詐欺行為を繰り返していた。騙された女性たちの独白をもとに、事件の概要を明らかにしていく。素人離れしたサイモンの詐欺テクニックは驚異的で、全世界で話題となった。
サイモン・レヴィエフの被害者のひとり。過去に男性から暴力を受けたトラウマを抱えていたが、そんな彼女の心を癒してくれるサイモンと「Tinder」で出会い、長い年月の間恋愛関係にあった。
メディアで拡散された記事を読んだことで詐欺にあっていたことを知り、サイモンへの復讐を決意する。サイモンにまだ気持ちがあるように見せかけながら彼を騙し、一文無しになった彼の高級なブランド服飾品を売りさばくことで、自らの失ったお金を取り戻そうとする。
『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』の用語
Tinder
「Tinder(ティンダー)」は、位置情報を使って新しい人とのつながりを広げる、世界最大級のマッチングアプリ。男女共に無料で使えるため、世界中で愛されている。アプリをスマートフォンにダウンロードしてプロフィールや写真を登録し、位置情報が近い人や、気になる人をスワイプするだけでマッチやメッセージができる簡単さが魅力。
LLD Diamond
世界的に有名なダイヤモンド王、レブ・レヴィエフが経営するダイヤモンド企業。1996年に設立された。最⾼品質、特許取得のダイヤモンド、希少価値の⾼いカラーダイヤモンドを⽤いた宝飾品が特徴。レブ・レヴィエフは長年ダイヤモンドの取引に貢献してきたその実績から、「ダイヤモンド王」の称号を獲得している。
本作の詐欺師サイモンは、このレブ・レヴィエフの息子であると言い張っていたが、これはまったくの嘘である。
ポンジスキーム詐欺
サイモンが被害者の女性たちに行っていた詐欺は、いわゆる「ポンジスキーム」である。「ポンジスキーム」とは、自転車操業型とも呼ばれており、投資詐欺の一種。実際には手元に資金がないにも関わらず、被害者に出資させた資金を元手に新たな被害者に出資し、あたかも資金が豊富にあるかのように見せかけて、さらにお金を引き出そうとするやり方が主流である。投資や仮想通貨など、さまざまなジャンルでアプローチをかけることのできる詐欺の方法のひとつ。
『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
セシリー・フィエルホイ「Tinderが悪いわけじゃない。今も愛を探しているから」
サイモンの罪がメディアに広がったのちのインタビューで、セシリーはすぐに「Tinder」を再開した。「なぜ?」と問うインタビュアーに対し、「Tinderが悪いわけじゃない。今も愛を探しているから」と笑顔で語った。大きな失敗をし、いまだに返済に追われていてもなお恋愛を求めるその姿勢は、女性のたくましさを感じさせる。
アイリーンがサイモンの巧妙な手口に気づくシーン
アイリーンが、サイモンの詐欺事件の記事を読んでいる中、サイモンが各女性たちに送っていた動画を発見するシーン。「セシリー、愛してる、会いたいよ」と飛行機の中でまっすぐな目を向けるサイモンの動画だが、アイリーンは「同じ動画を私にも送ってきていた」と語る。サイモンは、全く同じ画角で、呼びかける名前だけを変えた動画をいくつも撮って送っていたのだった。メッセージも、彼はアイリーンにセシリーと全く同じ言葉を送っていた。サイモンの異様なまでのマメさと、女性たちに愛していることを徹底的に信じ込ませる手口に、アイリーンがなかば呆れたような表情を浮かべている本シーンでは、金のためならそこまでできるサイモンに、一種の清々しさを感じさせる。
セシリー・フィエルホイ「私は誰と寝ていたの?愛した男は存在しない。すべて偽りだった」
セシリーがカード会社の人間に連絡をとったことで、彼がプロの詐欺師であり、サイモン・レヴィエフ以外にもたくさんの偽名を持つ男であることを知るシーン。彼女はショックを受けながら、「私は誰と寝ていたの?彼はプロの詐欺師だった。全てウソ。ダイヤの王子でも億万長者の息子でもない。愛した男は存在しない。すべて偽りだった」と語った。同時に、「最悪よ。まだ彼を愛していたから。彼だと思ってた人は実在しないけど、携帯の中ではおとぎ話が続いてる。名前の横のハートはまだ消せない。本当だと思いたかった。なぜこんなことができるの?」と絶望の涙を流した。
彼女の信じていた盲目の愛が壊れた瞬間であり、サイモンがいかに女性の心を非情に弄んでいたかが切実に伝わるシーンである。
『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
サイモンのその後も華やかなキャリアを継続
2022年の情報によると、サイモンはタレント事務所と契約を結び、ポッドキャスト出演、デート番組の司会、本の執筆などを検討している。また、ファンがお金を支払うことで、有名人が自分宛てのパーソナライズされたメッセージ動画を送ってくれるデジタルプラットフォームサービス「Cameo」に参加し、個人向けのビデオメッセージに300ドル、ビジネス用に1400ドルを請求するなど、逞しくキャリアを育てている。
被害女性たちが立ち上げたクラウドファンディング
被害にあったセシリー、ペルニラ、アイリーンの3人は、サイモンが詐欺罪に問われず、返金がされなかったことから、その後も自分たちの力で返金を続けている。3人で協力し、「GoFundMe」のページも立ち上げた。「GoFundMe」はアメリカのクラウドファンディングサービスで、世界最大の寄付型プラットフォームとして有名。個人やビジネス問わず、さまざまな目的で資金調達を行うことができる。
サイモンは「Tinder」から永久追放済
サイモンが逮捕されて以降、サイモンは「Tinder」の使用を正式に禁止されることとなった。
「Tinder」の広報はアメリカのニュース番組『E! News』に対し、「彼の犯罪行為が公になってすぐ、サイモン・レヴィエフと彼に紐づくすべての偽名をTinderから永久に追放した」と説明している。
『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』の主題歌・挿入歌
主題歌: ジェシカ・ジョーンズ「Swipe Right」
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目次 - Contents
- 『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』の概要
- 『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』のあらすじ・ストーリー
- Part1:セシリー
- Part2:ペルニラ
- Part3:アイリーン
- 『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』の登場人物・キャラクター
- 詐欺師
- サイモン・レヴィエフ
- 被害女性たち
- セシリー・フィエルホイ
- ペルニラ・ショーホルム
- アイリーン・シャーロット
- 『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』の用語
- Tinder
- LLD Diamond
- ポンジスキーム詐欺
- 『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- セシリー・フィエルホイ「Tinderが悪いわけじゃない。今も愛を探しているから」
- アイリーンがサイモンの巧妙な手口に気づくシーン
- セシリー・フィエルホイ「私は誰と寝ていたの?愛した男は存在しない。すべて偽りだった」
- 『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- サイモンのその後も華やかなキャリアを継続
- 被害女性たちが立ち上げたクラウドファンディング
- サイモンは「Tinder」から永久追放済
- 『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』の主題歌・挿入歌
- 主題歌: ジェシカ・ジョーンズ「Swipe Right」
- 挿入歌:キース・ブランヴィル「Gloria in Excelsis Deo」