ブランクアーカイヴズ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブランクアーカイヴズ』とは、交田稜によるSF漫画であり、講談社の『good!アフタヌーン』に掲載されている作品である。認知拡張症候群(ACS)という他人の思考を読み取り、記憶や認識を改ざんする架空の病気をテーマにしている。主人公の男性の吉野ひばり(よしのひばり)は他人の思考を読み取る能力を持ち、来夏(らいか)は他人に認識されない存在である。二人はACSの治療法を求めて世界を変える冒険に挑む。複雑なストーリーと深いキャラクター描写が魅力であり、読者を引き込む力を持つ作品である。

社会福祉法人「アーカイヴズ」第2一般相談支援事業所職員の成人女性。ショートカットが特徴。吉野ひばりの妻でもある。車の運転など、ひばりの仕事をサポートしている。ACS患者に理解を示す。おちっちょこちょいなところがある。

萩本紫苑(はぎもとしおん)

周囲の人の脳から空間や位置情報を読み取り、周りの空間を認識できる女の子。ショートカットが特徴。少年鑑別扱いだったのがACSの疑いがあるので病院へと移されたが、自由を求めて施設の外へと逃げ出そうとし、ひばりに能力を見抜かれて退路を塞がれ捕まることとなる。
捕まった後は事業所の職員として働く。軽い性格をしている。

板橋稀理子(いたばしきりこ)

ヘッドホンを首にかけた、黒髪ツインテールの女の子。女子学生ぐらいの年齢。範囲内の人の聴覚を自分の聴覚のように聞くことができる「盗聴」が彼女のACSである。ひばりには協力的だが、もっとACSのことを知りたいという思惑もある。極度の男性恐怖症だ。

その他

重光隆臣(しげみつたかおみ)

立栄高校(たちえいこうこう)の一生徒。メガネをかけ、赤いマフラーを巻いている。不良で有名な大内北高校(おおうちきたこうこう)で不良たちとタイマンを張り、自らのACSである、自分が絶対に助かる動作の流れを創り出す『殺陣(たて)』で無双していた。しかもこの症状は本人の意思を超えて、生命を存続させるために機能するのだ。
ひばりは本人とコンタクトし、ACSであることを理解させることにより事態は収束した。定期的に経過観察することでこの件は落着する。
理知的に物事を理解しようとする。

教授

細面の顔にフェードラ帽のような帽子、ドテラ姿のおじさんの格好をしている。幻覚を見せ、その中では空間認識と時間感覚が変わってしまう。周りに影響を与えてしまうため、元商店街の地下で生活している。この状況を楽しんでいるが寂しさも感じている。

『ブランクアーカイヴズ』の用語

認知拡張症候群(ACS)

認知拡張症候群(ACS)とは、『ブランクアーカイヴズ』に登場する架空の病気であり、他人の思考を無意識に読み取る能力や、記憶や認識を改ざんする能力を持つことが特徴である。この病気は、発症者が他人の考えや感情を直接感じ取ることができるため、しばしば自分の思考と他人の思考が混ざり合い、混乱を引き起こすことがある。
ACSの発症者は、他人の記憶を改ざんすることができるため、過去の出来事や経験を変えることができる。この能力は、意図的に使われることもあれば、無意識に発動することもある。また、他人の認識を改ざんすることで、現実の見方や理解を変えることができるため、発症者は周囲の人々に対して大きな影響を与えることがある。

物語の中で、主人公のひばりは他人の思考を読み取る能力を持つ「読心者」であり、彼の能力はしばしば彼自身の生活や人間関係に複雑な影響を及ぼす。一方、らいかは他人に認識されない「消失者」であり、彼女の存在は周囲の人々から見えなくなる。このように、ACSは物語の中心的なテーマであり、発症者たちがこの病気とどのように向き合い、克服しようとするかが描かれている。
ACSは、単なる能力や病気として描かれるだけでなく、人間の認識や記憶、思考の本質について深く考えさせられる要素を持っており、読者に強い印象を与える。

読心者

読心者とは、『ブランクアーカイヴズ』に登場するキャラクターたちの中で、他人の思考を読み取る能力を持つ者を指す。この能力は、認知拡張症候群(ACS)の一症状として現れる。主人公のひばりが代表的な読心者であり、彼は他人の考えや感情を無意識に感じ取ることができる。
読心者の能力は非常に強力であり、他人の思考を直接読み取ることで、相手の意図や感情を即座に理解することができる。しかし、この能力は必ずしも利点ばかりではない。読心者は他人の思考が自分の中に流れ込むため、しばしば自分の思考と他人の思考が混ざり合い、混乱を引き起こすことがある。また、他人の秘密や本音を知ってしまうことで、人間関係に複雑な影響を及ぼすこともある。
ひばりの読心能力は物語の進行において重要な役割を果たす。彼はこの能力を使って、他人の真意を探り、問題を解決する手助けをする一方で、自身の能力に悩み、葛藤する姿も描かれている。読心者の存在は、物語のテーマである「認識」と「記憶」の改ざんに深く関わっており、作品全体の魅力を高める要素となっている。

消失者

普通の人には見えなくなっているらいか。

消失者とは、『ブランクアーカイヴズ』に登場するキャラクターの中で、他人に認識されない存在を指す。これは認知拡張症候群(ACS)の一症状として現れるもので、発症者は周囲の人々から見えなくなり、存在を認識されなくなる。この症状を持つ代表的なキャラクターが、らいかである。
らいかは、他人に認識されないという特異な症状を持つため、周囲の人々からはまるで透明人間のように扱われる。この症状は、彼女の社会生活や人間関係に大きな影響を及ぼし、孤独感や疎外感を強く感じさせる要因となっている。しかし、彼女の存在が認識されないことを逆手に取り、特定の状況下で有利に働くこともある。
物語の中で、らいかの消失者としての能力は、彼女自身のアイデンティティや生き方に深く関わっている。彼女はこの能力を使って、ひばりと共にACSの治療法を探し求める冒険に挑む。消失者という設定は、物語のテーマである「認識」と「存在」の問題を深く掘り下げる要素となっており、読者に対して強い印象を与える。
消失者の存在は、単なる特殊能力として描かれるだけでなく、人間の存在意義や他者との関わり方について考えさせられる要素を持っている。このように、消失者というキャラクター設定は、『ブランクアーカイヴズ』の物語において重要な役割を果たしている。

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