封仙娘娘追宝録(封娘)のネタバレ解説・考察まとめ

『封仙娘娘追宝録』(ふうせんにゃんにゃんついほうろく)とは、ろくごまるにによるライトノベル。『水滸伝』に着想を得た作品で、人間界に散らばった仙人の手による道具・宝貝の回収劇を描いている。長編シリーズが全11巻、『ドラゴンマガジン』で連載された短編シリーズが全5巻という内容で、90年代のライトノベルの中でも特に人気の高い作品の1つ。略称は『封仙』または『封娘』。
人間界に726個の宝貝をバラ撒いてしまった見習い仙人の和穂は、唯一逃亡しなかった意志ある宝貝・殷雷と共に、宝貝の回収に人間界へと赴く。

和穂を追う旅の中、梨乱は何気ない会話の中で「この人になら裏切られてもいい、そう思えからこその信頼でしょう?」との言葉を放つ。さらりと言っているからこそ、梨乱が本当にそう考えていることが分かる。
“信頼”というものがなんなのかを端的に表している。

『封仙娘娘追宝録』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

待ち続けた夏(作者の健康上の理由による発刊遅延)

90年代の富士見書房を代表する人気作の1つだった本作だが、それまで半年に1冊ほどの間隔で出ていた長編の新巻が、「殷雷が機能停止する寸前になっていることを和穂が知る」ところで突如続きが出なくなった。作者のろくごまるには、その時点での最新刊の後書きで「次の夏頃には新巻を出す」と語っていたため、ネット上の掲示板では「新巻はまだか」、「自分の下には夏が来なかった」と嘆く書き込みが相次いだ。
実はこの時、ろくごまるには健康上の大きな問題を抱えており、とても小説の執筆ができる状態になかった。それでも物語の続きを待つ声に応える形で、治療に耐えながら6年後にようやく新巻が発売。その後2年に1冊ほどの間隔で新巻が発売され、物語は完結を見たのだった。

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