魔術士オーフェン(はぐれ旅・無謀編)のネタバレ解説・考察まとめ

『魔術士オーフェン』とは、秋田禎信によるライトノベル。北欧神話に着想を得た近代的な世界観が特徴である。1994年に第1巻が発売され、2003年にいったん完結。その後2011年に新シリーズがスタートした。90年代の富士見ファンタジア文庫を代表する人気作品の1つであり、漫画、アニメ、ゲーム、ラジオなど様々なメディアミックスを果たした。
怪物と化して行方を絶った姉を追うオーフェンは、やがて「自分たちの大陸が神々に狙われている」という事実を知り、仲間たちと共に大陸を守る戦いに巻き込まれていく。

『魔術士オーフェン』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

オーフェン「我は放つ、光の白刃!」

「我は放つ、光の白刃」とは、オーフェンのもっとも得意とする魔術である。本作における人間の魔術は、音声に乗って発動するもので、個々人によってなんらかのワードを唱えて術式を構築することが必須となっている。
オーフェンのこの魔術は、文字通り白い熱線を放つもので、そのイメージと詩的な言い回しで作品を代表する名言となった。

クリーオウ「あなたは強い魔術士だし、人は殺せないって言ってたでしょ。だったら、誰も死なないはずだわ」

5年かけて大陸中を探し回り、ついにアザリーを見つけたオーフェン。しかしそのアザリーを討伐するため、チャイルドマン率いる部隊がすでに先行しており、オーフェンは「今まで1度として勝つイメージすら湧かなかったチャイルドマンに勝てるのか、アザリーを助けられるのか」と苦悩する。
そんな彼に、クリーオウは「あなたは強い魔術士だし、人は殺せないって言ってたでしょ。だったら、誰も死なないはずだわ」とあっけらかんと告げる。無邪気で無根拠なその信頼に、オーフェンは苦笑しつつも気を取り直してアザリーと討伐隊が戦う場へと赴く。

クリーオウはこの頃にはすでにオーフェンのことを「なんだかよく分からないけど、今までに見たことないくらいすごくておもしろい人」と好意的に見ており、オーフェンを励ましたいという以上にその内心がよく現れている。

オーフェン「どうも俺は、魔術士が嫌いみたいだ」

クリーオウに「私は足手まといか、魔術士になるはなれないのか」と問われたオーフェンは、「なれないし、ならない方がいい」と短く告げる。不思議な言い回しに首を傾げるクリーオウに、オーフェンはさらに続けて「どうも俺は、魔術士が嫌いみたいだ」との言葉を続ける。
この時オーフェンは魔術士絡みの事件で散々な目に遭った直後であり、「魔術士が嫌い」というのはこの時の彼の本音でもある。一方で「自分の嫌いな存在にならないでくれ」と暗に頼み込んでいるこのシーンは、オーフェンが内心ではクリーオウのことを大切な存在として受け入れ始めたことを表してもいる。

オーフェン「神はいない 人は自立しない だが絶望しない」

聖域を巡る熾烈な戦いの中、オーフェンは自分たちの置かれた状況を確認するかのごとく静かに言葉を連ねる。

オーフェン「神はいない」
静かに、認める。
オーフェン「人は自立しない」
冷たく、受け入れる。
ーーだが。
オーフェン「絶望しない」

世界への失望と、人への絶望と、それでも前に進むオーフェンの意志の力が垣間見える。

『魔術士オーフェン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

『機動戦士ガンダム』の“士”から取られた「魔術士」の“士”

タイトルにもある通り、本作における人間の魔術の使い手は「魔術士」と表記される。この言葉は通常は「魔術師」とすることが多いが、本作では最後の文字に“士”が使われている。
これは作者である秋田が作品作りの参考にと『機動戦士ガンダム』を見たことがきっかけで、作品に意欲的にエンターテイメント性を取り込もうとの考えから“士”の文字を使用している。

『スレイヤーズ』とのコラボ小説『スレイヤーズVSオーフェン』

富士見ファンタジア文庫のライトノベルで、本作と同時期に看板作品として人気だったのが『スレイヤーズ』である。編集部の閃きで、2001年に両作品の作者が共同して書き上げた『スレイヤーズVSオーフェン』が発表された。

『魔術士オーフェン』の主題歌・挿入歌

『魔術士オーフェン』

OP(オープニング):シャ乱Q「愛 Just on my Love」(第1話 - 第16話)

作詞・作曲:つんく
編曲:前嶋康明

OP(オープニング):シャ乱Q「君は魔術士?」(第17話 - 第24話)

作詞:つんく
作曲:はたけ
編曲:シャ乱Q

ED(エンディング):タンポポ「ラストキッス」(第1話 - 第13話)

BOTAnNABE
BOTAnNABE
@BOTAnNABE

目次 - Contents