まいまいまいごえん(まいまい迷子えん)のネタバレ解説・考察まとめ

『まいまいまいごえん』とは、株式会社サンリオが企画したキャラクタープロジェクトおよびメディアミックス作品である。制作にはサンリオスタッフにくわえ、カナヲや鍋谷やかんといった人気クリエイター達、多数の人気ボカロPが関わっている事で話題を集めた。「心の成長痛」をテーマに、ゆぅろぴあという架空の遊園地に閉じ込められた主人公の保育士・岡田ユウと16人の子ども達の脱出劇を描く。

次々と子ども達が脱落していく現状に、ついに耐えられなくなったライオンが、ライムと逃げた先で得た「気づき」から生まれた名セリフである。
「第4話 おくる想い」にて乗ったシンゾウ観覧車の影響もあり、不安と疑心暗鬼に苛まれるようになるライオン。その結果、彼女は妹のライムだけを守る事を決め、他の子ども達やユウを裏切って妹と2人脱出しようと試みる。だが、現状からライムを守る事だけに必死になっており周りが見えていなかったライオンは、自分が脱出に必要なメダルを落としてしまった事や、自分のした事で妹が泣いている事に気付けなかった。第三者のルミ先生やヒカルの言葉によってそれに気づいたライオンは、ライムとルミ先生をゆぅろぴあから脱出させ、自分はその場に残ってカエルタマゴ達が2人を追わないようにする。「……私は、思いたいんです。どちらがいいなんて選べないくらい、どちらも素敵なことだと……」というセリフは、そのピンチの中で、その場にいたヒカルやユウといった裏切ってしまった仲間達に向けて述べたものとなっている。
最後はライムだけを守る事を選んだライオンだが、それまで彼女はずっと他の仲間達の事を思いやって動き続けてきた。一時期はチームのリーダーとして奮闘していた事もあり、作中でもライオン本人が、自分の力で誰かを笑顔にできる事が嬉しいと感じている事をユウに語るシーンがある。仲間の事が大事なわけではないのだが、しかし妹と他の子ども達を比べると妹を選んでしまう。「どちらがいいなんて選べないくらい、どちらも素敵なことだと」という言葉からは、そんなライオンの葛藤と苦しみが、このセリフに込められている事がわかる。
また、ライオンはユウが「どちらを選ぶべきか」で常に迷っている事を知っていた。その点を鑑みるに、これはそんなユウに向けたセリフといえる。実際、ユウ自身もライオンの死後、彼女のさまざまな言葉を振り返る瞬間が作中で描かれていた。本セリフはライオンの葛藤を表現すると同時に、本作の主人公であるユウ自身にも深く影響する名セリフだといえる。

ゾーヤ「受け入れるしかないよ。良い結果も、悪い結果も。選べるのは、これからのことだけ」

ライオンの死後、落ち込むユウに向けてゾーヤが言ったセリフ。
次々と脱落者が増え続ける現状に、大人であるはずの自分がしっかりできてないからだと、己を責めるようになるユウ。その心情は、次第に彼の体調や言動にも現れ出す。そうしたユウの状態を察したらしいゾーヤがユウに向かって告げたセリフが、この「受け入れるしかないよ。良い結果も、悪い結果も。選べるのは、これからのことだけ」である。
ゾーヤの言う通り、過ぎてしまった時間を巻き戻す事はできない為、起きた事はどんな結果のものであれ受け入れるしかない。今後も同じような事が起きないように選択を続けるほか、ユウや他の子ども達に残されていないのだ。また、ゾーヤの言葉は、奇しくもユウがたそがれ横丁クリア後に覚悟した事に似ている。
「どんな痛みのある選択肢でも選ぶ時は選ばなければならない」事を覚悟していたユウ。しかし、覚悟する事と実際に痛みを味わい、それによる葛藤を抱える事では伴う苦しみが違う。口で言うのは簡単な事だが、実際にやってみるとそうでない事がわかる現実の厳しさを前に低迷するユウや、ユウ越しに本作の残酷さに触れているファンの心には刺さるものがある名セリフだ。

『まいまいまいごえん』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

度々行われている人気作品とのコラボ

漫画『メイドインアビス』とのコラボ時のイラスト。

様々なクリエイターとのコラボやタイアップが行われている『まいまいまいごえん』では、ゲーム本編外でも度々人気作品とのコラボが行われている。
2022年頃には、漫画『メイドインアビス』とのコラボ商品を展開。『メイドインアビス』は子どもをメインキャラクターに据えたダークファンタジーとなっており、そのキャラクターデザインの可愛さに対して残酷な描写が多い作品として話題を集めている。子ども達をメインにデスゲームを繰り広げる『まいまいまいごえん』に近しい作風である事から、コラボが行われたと推測される。ほかにも、翌年2023年には漫画『かわいいせかいせいふく』とのコラボも展開。こちらは両作のキャラクターが登場する4コマ漫画の制作が行われた。

タイアップ楽曲の募集が行われたダイヤ

タイアップ楽曲募集時のバナー。

『まいまいまいごえん』のタイアップ楽曲は、運営側がボカロP個人に制作を依頼する流れで制作が行われる。だが、そのなかでダイヤだけが、タイアップ楽曲を募るコンテストを行って曲が作られた。
『まいまいまいごえん』公式いわく、「ダイヤはジェスチャーなどの非言語コミュニケーションを取る特殊なキャラクターとなっており、それ故に名指しでクリエイターに曲を依頼するのではなく、様々なクリエイターから募集する中から集める事で『表現の可能性』が広がるのではないか」という考えに至ったという。そこから、ダイヤのタイアップ楽曲を応募する流れになり、彼だけが他の子ども達とは異なる形で楽曲が作られる事となった。
なお、様々な園児の曲が作られているが、あくまでも集められたのは楽曲であり、MVの制作自体はサンリオが提供している。

エイプリルフールに行われたゲーム作成担当者の代表作とのコラボ

カナヲの代表作『被虐のノエル』とのコラボゲーム『らぷらす✕まいまいクリッカー』のキービジュアル。

『まいまいまいごえん』のゲームは、インディーズのゲームクリエイターであるカナヲが制作を務めており、またゲーム自体もカナヲのゲームが公開されているプラットフォーム・ゲームマガジンにて公開されている。
そのカナヲの代表作『被虐のノエル』とのコラボが、2023年にエイプリルフールネタとして『まいまいまいごえん』の公式FANBOXにて行われた。ここでしか見られないコラボイラストが公開されているほか、ゲームマガジンで遊べるゲームも制作されている。エイプリルフールネタとは思えないしっかりしたコラボネタに、『まいまいまいごえん』・『被虐のノエル』両作のファンが歓喜する事となった。

『まいまいまいごえん』の主題歌・挿入歌

テーマソング:初音ミク「カーニバルハッピー」

『まいまいまいごん』のテーマソングである楽曲。2021年11月11日に公開された。楽曲の制作者は、ボカロPのかいりきベア。歌唱には初音ミクが使用されている。MV内のイラストは、イラストレーターであるのうが制作を担当した。
かいりきベアが得意とする中毒性のある不穏な作風を前面に出した楽曲となっている。MVに出てくるメインキャラクターがシンタである事から、シンタのタイアップソングとして誤解される事も多い。シンタがMVに登場しているのは、彼が本プロジェクトを代表するキャラクターであるからと推測される。

ヒカルのタイアップ楽曲:floweR「ベビーデーズ」

ヒカルのタイアップソング。2021年12月18日に公開された。楽曲の制作者は、ボカロPのChinozo(ちのぞー)。歌唱にはfloweRが使用されている。MVはイラストレーターのアルセチカが担当した。
Chinozoいわく「しっかり者のヒカルの子どものような傲慢な欲望」を楽曲にしたとのこと。同じ言葉をくり返すリズミカルな歌詞が印象的なChinozoの作風を活かしたダークなソングとなっている。

カナタのタイアップ楽曲:flower「ファラウェア」

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@ishikuraki1

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