DIVE!!(ダイブ!!)のネタバレ解説・考察まとめ
『DIVE!!』とは、森絵都の小説をもとに2017年に放送されたスポーツアニメ作品。原作小説は第52回小学館児童出版文化賞を受賞した。テレビアニメの他にも、ラジオドラマ化、漫画化、舞台化など、様々なメディアミックスがされてきた作品である。飛び込み競技に青春をかける3人の少年が、限られたオリンピックの出場枠を争うというストーリー。個性豊かな少年たちが、それぞれの強みを活かしながら切磋琢磨していく様子が見どころである。
黄 糧(こう りゃん)
中国でトップクラスの飛び込みチーム「中華飛行隊」の選手で、「黄虎(ファンフー)」の異名を持つ。日本選手、とりわけ知季への敵対心が強く、口が悪い。中国では相当な実力者である。黒髪短髪と鋭い目つきが特徴。当初は日本の飛び込み選手のことを「レベルが低い」と見下していたが、知季と要一との戦いを通して、次第に良きライバルと認めるようになる。
戴 易辰(たい えきしん)
中国でトップクラスの飛び込みチーム「中華飛行隊」の選手で、黄糧の兄貴分。嫌味な性格で、黄糧のように口には出さないものの、日本選手を下に見るような態度をとる。「白龍(パイロン)」の異名で呼ばれており、ナショナルチームに最も近いと言われるエース的な存在である。長い三つ編みのおさげが特徴。
孫(そん)
「中華飛行隊」のコーチ。飛び込み競技の元金メダリストで、多くの金メダリストを育てるなど指導者としても超一流の人物。現在は黄糧らを指導しているが、実力主義に陥り視野が狭まっている自分の教え子たちの目を覚まさせるため、知季たち日本チームとの試合をセッティングする。ひげとメガネが特徴。老眼だが、飛び込みの音だけで演技の良し悪しを判断できる。知季の才能を見抜き、将来の活躍を期待している。
『DIVE!!』の用語
飛び込み競技
本作の登場人物たちが青春を賭けて取り組んでいる競技。一定の高さの飛び込み台からプールに向かって飛び込み着水するまでの空中での一連の動作を、技術並びに美しさの観点から競い合う。時速60km、滞空時間わずか1.4秒の間に様々な技を繰り出す必要があるため、恐怖心の克服も重要な競技である。高い飛び込み台が必要なことから練習環境が整った施設が少なく、日本ではまだまだ競技人口が少ないと言われている。高校生の競技人口は全国で82人である。MDCも所属選手が少なく、赤字経営が続いていた。
ミズキダイビングクラブ(通称MDC)
大手スポーツメーカー”ミズキ”が直営するダイビングクラブ。日本では競技人口が少ない飛び込み界において、有力な選手と指導者を育成するために故・水城会長が6年前に設立した。実は、津軽で出会った飛沫に惚れ込んだ水木会長が、飛沫を育成するために設立したクラブである。水木会長は飛沫を飛び込みの世界に呼び込もうと勧誘を続けていたが、想いは果たせないまま亡くなってしまった。赤字経営が続いており、「ミズキのお荷物」と言われていた。
前宙返り三回半抱え型
中学生では数人しか成功させたことがない大技。身体を小さく丸め膝を抱えた状態で、空中で三回半回転する。夏陽子は知季の素質を見抜き、3ヶ月後の競技会までにこの技を成功させるように命じた。原作小説の第1巻(講談社版)のサブタイトルにもなっている。
前宙返り四回半抱え型
三回半を成功させた知季が、次のステップとしてオリンピック代表選考会で挑んだ技。身体を小さく丸め膝を抱えた状態で、空中で四回半回転する。知季はこの技を習得したことで、オリンピックの代表に選ばれることができた。
スワンダイブ
祖父への想いから、飛沫がこだわりを持って取り組んでいた技。ただ前に飛ぶだけの技だが、それだけにこの技で見る人を感動させるのは難しいとされている。
沖津白波がこの技で観客を沸かせている様子をDVDで見た飛沫は、祖父を越えるためにこの技に取り組む。
原作小説第2巻(講談社版)のサブタイトルとなっている。
5255B(後ろ宙返り2回半ひねりえび型)
要一がオリンピック代表選考会で挑んだ大技。後ろ向きに飛び込み、体を二回半ひねって着水する技で、成功すればかなりの高得点が期待できる。要一はこの技を自分のものにするため、「スーパーシュリンプスペシャル2020」という独自の名前をつけていた。また原作小説第3巻(講談社版)では、この技を指す「SSスペシャル’99」がサブタイトルとなっている。
コンクリートドラゴン
作中で高さ10メートルの飛び込み台のことを指す言葉。高くそびえる飛び込み台がコンクリートでできたドラゴンに見えたことから、知季は「コンクリートドラゴン」と表現した。
飛び込み選手たちが立ち向かうものの象徴として使われる言葉であり、原作小説最終巻(講談社版)のサブタイトル、テレビアニメの最終話(第12話)のタイトルにもなっている。
目次 - Contents
- 『DIVE!!』の概要
- 『DIVE!!』のあらすじ・ストーリー
- オリンピックを目指す知季たち
- ライバル・友人・恋人との関係を通じた知季の成長
- 知季・要一・飛沫の間に芽生えた特別な絆
- 五輪代表に選ばれ困惑する要一
- オリンピック代表枠をかけた知季たちの闘い
- 『DIVE!!』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 坂井 知季(さかい ともき)
- 富士谷 要一(ふじたに よういち)
- 沖津 飛沫(おきつ しぶき)
- ミズキダイビングクラブのメンバーたち
- 丸山 レイジ(まるやま れいじ)
- 大広 陵(おおひろ りょう)
- 吉田 幸也(よしだ さちや)
- ミズキダイビングクラブのコーチたち
- 麻木 夏陽子(あさき かよこ)
- 富士谷 敬介(ふじたに けいすけ)
- 大島 力(おおしま りき)
- ライバルたち
- 寺本 健一郎(てらもと けんいちろう)
- 松野 清孝(まつの きよたか)
- ピンキー山田/山田 篤彦(やまだ あつひこ)
- 辻 利彦(つじ としひこ)
- 炎のジロー/平山 二郎(ひらやま じろう)
- 知季の周辺の人々
- 坂井 弘也(さかい ひろや)
- 野村 未羽(のむら みう)
- 坂井 恵(さかい めぐみ)
- 坂井 久志(さかい ひさし)
- チクワ
- 飛沫の周辺の人々
- 西川 恭子(にしかわ きょうこ)
- 文さん(あやさん)
- 沖津 白波(おきつ しらは)
- その他の人物
- 水城 真之介(みずき しんのすけ)
- 富士谷 頼子(ふじたに よりこ)
- 前原 一朗(まえはら いちろう)
- 漫画版のみの登場人物
- 秋月 湊(あきつき みなと)
- 中村 喜久江(なかむら きくえ)
- 俵屋 町子(たわらや まちこ)
- 黄 糧(こう りゃん)
- 戴 易辰(たい えきしん)
- 孫(そん)
- 『DIVE!!』の用語
- 飛び込み競技
- ミズキダイビングクラブ(通称MDC)
- 前宙返り三回半抱え型
- 前宙返り四回半抱え型
- スワンダイブ
- 5255B(後ろ宙返り2回半ひねりえび型)
- コンクリートドラゴン
- 公益財団法人日本水泳連盟(通称:日水連)
- シンクロナイズドダイビング
- 『DIVE!!』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 麻木夏陽子「もっと上を目指しなさい。そこにはあなたしか見ることができない景色があるわ」
- 富士谷要一「可能性は誰にでもある。俺にも…お前にもだ」
- 坂井知季「僕はただ飛び込みで何かを超えたかったんだ」
- 『DIVE!!』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ピンキー山田は最終的にはキャメル山田と呼ばれるように
- 原作小説は平成の三大スポーツ小説のひとつ
- 原作小説で知季たちが目指すのはシドニーオリンピック
- 『DIVE!!』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング): Qyoto「太陽もひとりぼっち」
- ED(エンディング):橋本裕太「NEW WORLD」