ラストカルテ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ラストカルテ ―法獣医学者 当麻健匠の記憶―』とは、浅山わかびによる漫画作品で、『週刊少年サンデー』にて2022年1月号より連載されている。動物の死に焦点を当てた作品で、「法獣医学」をテーマとして描かれる。高校生の当麻健匠(とうま けんしょう)は、同じクラスの茨戸爽介(ばらと そうすけ)が法獣医学者の姉・雷火(らいか)を手伝う現場に遭遇したことから法獣医学に興味を持ち、手伝わせてもらうことになった。茨戸と友情を深めながら法獣医学について学んでいく物語である。

ある日、研究センターで露子が茨戸をツーリングに誘う。茨戸は一度断るが、行き先は美森動物園で露子の友達がペンギンの飼育員をしているためバックヤードを見せてもらえるかもと言うと渋々といった様子で「行きます」と返事をするのだった。その様子を近くで聞いていた当麻と雷火と千夏ついて行こくことするのである。2人は動物園をゆっくり見て回ってからペンギン広場へ行くことにして、当麻達3人も後ろからついて回った。広場につきかわいいペンギンを見ていると、当麻は泣いている飼育員を見つける。その人が露子の友達であった。
露子の友達は渋野紗凪(しぶの さな)という名前で中学の時に先輩だった。露子は紗凪に会った途端、泣いていたことを見破り、飼育中のぺんきちというペンギンが胃がんでもう長くないという話を聞くことになる。今朝口の中にも腫瘍が見つかり、転移しているかもしれないと再び紗凪は涙ぐんでしまうのだった。その様子を見た露子は、尾行している3人にも力を借りようと後ろで物陰に隠れていた当麻達を呼びに行った。
合流した当麻達はペンギンの飼育室に入らせてもらい、ぺんきちの様子を確認した。雷火が口内を見てみると、全長10mmほどの赤茶色の何かを発見する。引っ張ってみると簡単に取ることができ、持ち帰って至急調べることにした。当麻達は動物園に残り調査を続けることにする。他の飼育員からぺんきちには他のペンギン達とは違い生きた魚をあげている、ことを聞き、すぐに魚を見せてもらうことにした。魚を解剖してみるとぺんきちから発見されたものと同じものが発見された。
見つかったのは予想通り寄生虫で、「偽寄生」という寄生虫でありながら寄生することなくただくっついているだけというものである。雷火の診断結果も偽寄生で駆虫薬も必要はなく、ぺんきちの問題は解決したかに思われた。しかし当麻は紗凪がぺんきちに感じた不調はまだ解決していないのではないかと感じていてもう少し調べてみることにする。
4時間ペンギン達を観察し、ぺんきちとくっついて行動するもみじや他のペンギン達の歩き方を全て記憶した当麻は、ぺんきちともみじだけ左足をかばって歩いているのではないか指摘する。また足の裏が違うことも気になっており、2匹の足の裏と巣穴を見せてもらうよう頼んだ。
2匹の足は「趾瘤症(しりゅうしょう)」というタコのような炎症を起こしていたのである。巣穴を調べるとコンクリートがひび割れて欠けている部分があり、そこに足を引っかけて怪我をしたのではないかと推測された。他に怪我をしそうなところ特なかったためぺんきちの巣穴の欠けた部分を修理するだけに収まったのである。

『ラストカルテ ―法獣医学者 当麻健匠の記憶―』の登場人物・キャラクター

主要キャラクター

当麻健匠(とうま けんしょう)

CV:林勇(ボイスコミック版)
完全記憶能力を持ち、11歳の頃から興味を持った人や物を完全に記憶している。小さい時から好奇心旺盛で人一倍探究心が強く、気になったことはどんなに痛い目に遭っても懲りずに追い求める。その探究心と動物好きが合わさり、茨戸と雷火の仕事風景を見たことで獣医師を目指すようになった。
死んでしまった動物達がどんな感情だったかを考えてしまう繊細な性格だが、切り替えて死と向き合うこともできるため、自分でも獣医師に向いていると考えていて、雷火も同じように思っている。
家族は母と姉と保護したリスのキョウちゃんで、父親がいないことから家族を守れるように空手を始めた。体力があり、行動力も凄まじく、物おじせず人に話しかけることができる。

茨戸爽介(ばらと そうすけ)

CV:岡本信彦(ボイスコミック版)
動物好きで小さい頃から獣医になることを目指している。そのため小学生の頃から獣医である母の仕事について行っていた。姉の雷火も獣医であるため高校生なってからは雷火の仕事を手伝いながら勉強している。
当麻が獣医になることを決めたきっかけの人物でもある。初対面の相手に対してはすぐ殻に閉じこもるが、一緒に行動することが多く当麻が社交性なこともあり当麻に対しては心を開いている。真面目で勉強熱心であり動物に関する知識も豊富に持っていて、当麻からのあらゆる質問にいつも答えている。
当麻のことを認めていて、当麻について人に話すときはなぜか自慢げになる。

茨戸雷火(ばらと らいか)

茨戸の姉であり美森大学の院生として先生をしている。寄生虫が大好きな変人で、大学で獣医をしているのは死体がよく運ばれてくることで寄生虫を調べるチャンスが多いからという理由である。子どもの頃に釣った魚を生で食べて「アニサキス」という感染したことがきっかけで寄生虫に興味を持ち始めたことがきっかけで好きになった。寄生虫を褒め言葉として使う。特に好きな寄生虫は「日本海裂条頭虫」である。
当麻や茨戸の勝手な行動に頭を悩ませることがよくある。

達美義孝(たつみ よしたか)

美森大学の准教授で雷火が勤める野生大学動物医療研究センターのセンター長。
動物の中でも野生動物が大好きで、研究ばかりで会議にもあまり出ておらず、院長に小言を言われることもある。センター長だが立場はあまり強くなく、雷火や露子にも冷たく扱われることが多い。普段は軽い調子で不真面目そうに見えるが、いざという時にはなんでも協力してくれる頼りになる先生である。

滝瀬露子(たきせ つゆこ)

美森大学の4年生で内臓好きの変人である。おっとりした雰囲気の美人だが、本質を見せないミステリアスな人物である。
茨戸のことは昔から知っていて、ずっとちょっかいをかけたかったが縁を切られると思い我慢していた。当麻を巻き込んでしまえば避けられることはないと気づき2人をいじるのにハマっている。よく当麻達を騙しているので信用ならないが、優秀な生徒である。また可愛らしく女性的な見た目をしているが、ハンターとしての一面やバイク好きという一面を持っている。

その他のキャラクター

雨竜尊(うりゅう みこと)

当麻の高校生からの同級生。当麻と関わる前まではファッションやメイク関連が志望だったが、当麻や茨戸の話がきっかけで動物に興味を持ち、美森大学の獣医学科に進学した。
当麻に好意を寄せているが、あまり素直ではなく興味のなさそうな態度を取る。
エンバーミングという動物や人の遺体を修復し綺麗にする技術に興味があり、特に勉強している。

於菟快晴(おと かいせい)

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