俺とヒーローと魔法少女(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『俺とヒーローと魔法少女』とは、九段そごうによるWEB漫画。魔法少女に変身してしまうヒーローを描いたハートフル苦行コメディである。『ニコニコ漫画』で連載していたが、その後『COMICポラリス』にてセルフリメイクし、完結した。単行本は全7巻。舞台はヒーローと怪人が存在する現代の日本。そんな世界でヒーローをしている十文字ハヤトは、変身すると魔法少女になってしまう事に苦悩しながらも、日々現れる怪人から人々を守るため活躍する物語。いかつい男が可憐な魔法少女になって戦う設定が話題となった。

『俺とヒーローと魔法少女』の概要

『俺とヒーローと魔法少女』とは、九段そごうによって『COMICポラリス』で連載されていた漫画。
もとは作者のホームページや『ニコニコ漫画』などで連載していたが、商業化に伴い、『COMICポラリス』にてセルフリメイクを連載し、その後完結した。
単行本は全7巻。

街にはびこる怪人をヒーローが駆除する世界。
主人公の十文字ハヤト(じゅうもんじ はやと)は、ヒーローとして日々怪人と戦闘を繰り広げていた。
しかし本来変身しても外見はそんなに変わらないはずだが、ハヤトは何故か魔法少女のような姿に変身してしまう。
自分の理想であるヒーローとのギャップや、周囲の人間からの偏見に悩まされながらも、仲間たちと共にヒーローのなんたるかを考える、ハートフル苦行コメディである。

『俺とヒーローと魔法少女』のあらすじ・ストーリー

ルミナスガール爆誕

街にはびこる怪人をヒーローが駆除する世界。
長年の夢が叶いついにヒーローになった十文字ハヤト(じゅうもんじ はやと)は、ヒーローへの変身に必要なアイテム・ヒーロードライブを使うと、普段の男らしさなど微塵もない可愛い魔法少女の姿になってしまう。
ヒーローではなく魔法少女になってしまうことに苦悩するハヤトは、「もう…この力は使わない」と誓う。
しかし街で暴れる怪人を倒すため、正義感の強いハヤトは変身して戦うのだった。

怪人を倒したハヤトはヒーロードライブの修理をしており、子供の頃からの知り合いであるヒーロー道具職人の分倍河原ヨウスケ(ぶばいがわら ようすけ)にヒーローをやめると宣言する。
ヨウスケに理由を聞かれ魔法少女に変身する。
ヨウスケはハヤトの変身後の姿を見て笑い出したが、落ち着くとルミナスガールと名付けた。

女子高生ヒーロー見参

怪人達とルミナスガールに変身して戦う日々を過ごしていたハヤトは、ある日女子高生のヒーローのおっかけをしている青年、鹿島田ケンジ(かしまだ けんじ)に出会う。
そこに街をたまたま歩いていた怪人と出会い、ケンジはわざと怪人の前に姿を現すことで女子高生ヒーローに助けてもらう事を画策する。
ハヤトはルミナスガールに変身して戦闘に臨むが、女子高生ヒーローがまだ来ていないというケンジの妨害に遭い苦戦を強いられるなか、女子高生ヒーローが現れて一撃で怪人を倒してしまう。
ハヤトはその強さに戦慄しながら、「今回何もできなかった…」と落ち込み変身を解こうとするが、元の姿に戻ることができなかった。

ルミナスガールとして過ごす事になったハヤトは、ヨウスケのとっさの嘘で、ハヤトの娘のるみという形でヨウスケの家に世話になる事になる。
ヨウスケの家から怪人を倒す日々を過ごしていたハヤトは、ある日女子高生ヒーローと再会する。
共闘の後怪人を倒したハヤトと女子高生ヒーロー。
女子高生ヒーローは変身を解くと浦賀カスミ(うらがかすみ)と名乗り、ハヤトの事を女の子ヒーローと勘違いしてしまう。
しかしそこでハヤトのヒーロードライブがなおってしまい、男だという事で嫌悪の視線を向けられることになる。

悪のヒーロー現る

何故自分だけ変身すると魔法少女になるのか。
ハヤトがその事を考えながら街を歩いていると、満面の笑顔だが焦った様子の男とぶつかるとぶつかる。
笑顔の男からは想像できない「どこ見て歩いてんだよボケェ!」という言葉に驚くハヤト。
そして近くから悲鳴を聞いて、怪人の仕業だと判断し、いそいでルミナスガールに変身する。
たどりついた街の中は煙につつまれ、事態を把握しようとするハヤトの後ろからガスマスクの男が「私が救ってあげましょう!」と襲い掛かる。
怪人とは思えない身のこなしや武器を使う姿に、怪人なのかと疑問に思いながらも応戦するハヤトは、不意をつかれて男の攻撃を受けてしまい、笑顔にされてしまう。
怪人に逃げられ、その場を撤退したハヤトは、仲間達と合流、カスミによりダークヒーローが出たという情報を得る。
ダークヒーローは一般人にヒーローの力を行使する存在。
その為ヒーローの力を使えなくするため、見つけたらヒーロードライブを破壊する必要がある。
その後、笑顔の怪人がダークヒーローと判明し、ダークヒーロー出現の報を聞いたハヤトはカスミと共に現場に駆け付ける。
そこは街のど真ん中で、ハヤトは一般人の女の子と街の人々に勘違いされ、戦う事が出来なくなる。しかし上手く演技して自分はヒーローであることを説得し、カスミをリジットハートと呼ぶと、得意の肉弾戦でダークヒーローに挑む。

ハヤトにそっくりなヒーロー

ダークヒーローを倒したハヤトとカスミ。
そんな2人の前に現れたのは、ハヤトそっくりなヒーローの姿だった。

「もしかしたら俺のヒーロードライブは誰かのものと入れ替わってるのでは」と考えたハヤトは、ヨウスケと店で話し合うことになる。
しかしヒーロードライブは他人が使用する事は出来ないため、ハヤトは頭を悩ませる。
そんなヨウスケの店にハヤトの弟の十文字ヤマト(じゅうもんじ やまと)がやってくる。
バイトの用事で近くまで来たからハヤトに会いに来たというヤマト。
自分が魔法少女としてヒーローをしている事を知られたくないため、居留守を決め込んでいたハヤトだが、ヨウスケの説得により弟を追いかけることになる。
久しぶりの兄弟の会話、そんな時に限って怪人達が現れる。
正体がバレるのを恐れながらもルミナスガールに変身するハヤト。
だが偶然にも眼鏡が外れていてヤマトにルミナスガールが自分だとバレることはなかった。
そして怪人との戦闘が始まるが、ヤマトはさっきまで一緒にいた兄がいない事に憤りを感じる。
ヨウスケに他のヒーローを派遣してもらうべくその場を脱しようとするヤマトだったが、そこにハヤトそっくりなヒーロー・ダークハヤトが現れ、怪人を瞬殺してしまう。
兄が助けに来てくれたと勘違いしたヤマトの前で、ダークハヤトは「お前を見ていると気分が悪くなる」と言って、ルミナスガールを殴りつけた。
ダークハヤトを兄だと思い込んでいるヤマトは激昂。
傷ついたルミナスガールを抱えてヨウスケの店にたどり着いたヤマトは、「兄貴には幻滅した」とハヤトの事を毛嫌いするようになる。

ダークハヤトの正体

「俺があの女の子なんだ」とヤマトに打ち明けるが信じてもらえず、逆に激昂させてしまうが、タイミング良く西のはずれに怪人が現れる。
ハヤトはその怪人と戦いにいくべくヤマトの目の前で変身することになり、そのおかげでヤマトは兄を信じるようになった。
一方西のはずれに出た怪人を探しに行ったハヤトは、そこで怪人を締め上げるダークハヤトと再会する。
ダークハヤトは「ルミナスの存在を消す事だ!」と目的を告げてハヤトに襲い掛かり、戦闘が繰り広げられる。
倒れるルミナスガールに力の差を見せつけるダークハヤト。
そんな姿を目にしたハヤトは、「もうごちゃごちゃ言わずに…ぶっ飛ばしてやる!」とキレた。
ヒーローとしてこの手は使いたくなかったがと考えながらも、男の急所を狙い一撃でノックダウンさせる事に成功する。
あまりの痛みに変身が解けたダークハヤトの姿は、ルミナスガールにそっくりな少女だった。
状況に混乱しつつもヒーロードライブの事を尋ねるべく少女に話しかけたハヤトだが、ルミナスガールとダークハヤトの戦闘を見ていた近隣住民が、「女の子が男の人に襲われている!」と通報していたため、変身を解いていたハヤトが警察に連れていかれることになる。

ヒーロー組合

ダークハヤトがダークヒーローと認定され、そっくりなハヤトはヒーロー組合から指名手配されている事を、真相を確認しにきた長谷川リン(はせがわ りん)から知らされる。
その事に驚愕しながらもヒーロードライブを破壊しようとするリンと戦闘になる。
リンとの闘いが始まり、変身する事すら許されないハヤト。
そこにたまたま通りかかった鷲尾エイジ(わしお えいじ)のおかげで窮地を脱する。
ハヤトの姿に変身したエイジを囮にし、リンの目の前で変身することに成功。
誤解を解いたのちハヤトはヒーロー組合の本部に向かうことになる。
しかし組合本部の受付でダークハヤトと勘違いされて警備員につかまりそうになるが、間久部(まくべ)理事が声をかけ、理事長室に通されることになる。
そこでルミナスガールに変身をし、ハヤトは誤解を解いた。
理事はそんなハヤトを意味深な表情で確認すると、ハヤトに協力者がいるかを確認するため、部下の蒼井(あおい)の力でハヤトを記憶喪失にしてしまう。
自分の事を完全に女の子だと勘違いしたハヤトは、ただの少女となってしまう。

仲間との絆編

ただの少女になってしまったハヤトに困惑しながらも受け入れる仲間達だったが、「また新しく仲良くすれば良いよね?」という言葉を聞き、すべて忘れてしまった事に対して涙を流す。
ハヤトの記憶を取り戻すため、仲間達は怪人のふりをして、ヒーローの心を取り戻そうとするが、そこに本物の怪人が現れ捕らわれてしまう。
戦えるヒーローがいなくなり、残されたハヤトは怪人と対峙する事になるが、怪人にスカートをめくられた事により過去がフラッシュバック。
それにより記憶を取り戻したハヤトは、少女として過ごした時間に頭を抱える事になる。
そんな事がありつつも怪人を倒す日々が再開することになる。
ある日ヨウスケの店で倉庫整理をしていたヒーロー達は、倉庫の中でヒーローメダルというお菓子のオマケを発見し、エイジの「コンプリートじゃねーじゃん!」という煽りを受けて骨董市に向かう事になる。
そこで複製をつくる能力を持つダークヒーローと戦闘になり、ハヤトは複製体のルミナスガールと共にダークヒーローを撃退する。
しかしそのダークヒーローは間久部の差し金であった。
間久部はダークヒーローへの対策という名目で、性格に難があり、ヒーローには必要のない力を持つということでヒーローになれなかった飛田レオ(とびた れお)を仲間に引き入れた。
レオは間久部の指示のもとダークハヤトと共にハヤトの仲間達を襲撃していく。
待ち合わせ時間になっても現れない仲間達の身を案じたハヤトは街に向かい、怪人を倒す事で注目を浴び、仲間達を見つける作戦を決行する。
そのかいあって仲間達を見つける事に成功するが、ハヤトを見る仲間達の視線がいつもと違う事に困惑する。

間久部との闘い

蒼井の洗脳する力によってハヤトをダークヒーローとして排除しようとする仲間達。
ルミナスガールが涙したことで、一瞬彼らは正気を取り戻しそうになるが、洗脳の力は強くハヤトは苦戦を強いられる。
そんな中怪人も現れ、戦闘はさらに混沌と化す。
一方でダークハヤトの正体である平川ゆみ(ひらかわ ゆみ)は、間久部に両親を連れ去った人間を問い詰める。
そこで間久部が両親を連れ去った犯人だと突き止めたゆみは、動揺しながらも両親の居場所を吐かせるためにヒーローの力を使用する。
しかし、間久部はゆみの両親が作った素質のない人間にも使えるヒーロードライブの力で、ダークハヤトの姿に変身する。
間久部のヒーロードライブの力は、ヒーロードライブの情報を取り込めばどんなヒーローにも変身できるというもの。
飛田レオの力によって変身する能力を奪われたゆみは、なすすべもなく間久部に敗北してしまう。
間久部は記憶操作の能力を独り占めするために蒼井のヒーロードライブを破壊し、それにより洗脳されていた仲間達が正気を取り戻す。
そして正気に戻った仲間達とハヤトの前に、間久部が変身したダークハヤトが現れる。

最後の戦い

間久部がついにヒーローの能力を利用して表舞台に現れる。
情報を取り入れたヒーローに変身する能力で、飛田レオのヒーローに変身出来なくする能力を使い次々とハヤトの仲間を戦闘不能にしていく間久部。
正面から戦っても勝てないと苦悩するハヤト達の前に、ゆみが現れる。
泣きながら間久部のヒーロードライブの破壊を懇願するゆみに、間久部は「ヒーローの力は怪人だけに使うものではない」と自分の理念を告げる。
ハヤトはそんな間久部の事を認めないと宣言、間久部の「あれだけ嫌がっていた魔法少女もとうとうお気に入りか」というセリフに、「そうだ」と答えると間久部を殴り飛ばす。
殴り飛ばされた際に落とした間久部のヒーロードライブを踏みつぶそうとするハヤト。
間久部は「私の力だ…壊されるくらいならこちらが先に壊してやる」と、ハヤトのヒーロードライブに手を手を伸ばす。
ヒーロードライブどちらが先に破壊するかという状態で、間久部より先にヒーロードライブを破壊することによりハヤトは勝利する。
ハヤトはヒーロードライブを本来の持ち主であるゆみに渡し、ヒーローをやめようとするが、ゆみの説得により再びルミナスガールとしてヒーローを続けていくことになる。

『俺とヒーローと魔法少女』の登場人物・キャラクター

ヒーロー

十文字ハヤト(じゅうもんじ はやと)/ルミナスガール

mikan2youu1
mikan2youu1
@mikan2youu1

目次 - Contents