天使1/2方程式(日高万里)のネタバレ解説・考察まとめ

『天使1/2方程式』とは、日高万里による少女漫画。2010年から『花とゆめ』で連載が開始され、2018年から同社の『マンガPark』に移籍した。秋吉家シリーズの『世界でいちばん大嫌い』の子供たちの世代が描かれる次世代編。荒れやすい唇にコンプレックスを持っている高垣ゆい子と美容師家系育ちで美貌の持ち主である杉本真那とで織りなされる恋愛物語である。リアルな美容関係の豆知識や初々しい2人の恋愛模様を楽しむことができる作品だ。

『世界でいちばん大嫌い』

作者の過去作品であり、秋吉家シリーズの長期作品。
本作に登場する秋吉家長女の杉本万葉(旧姓:秋吉万葉)が主人公であり、杉本真紀との恋愛模様を描いた物語である。

秋吉家シリーズ

女3人男3人の6人兄弟+両親で構成される秋吉家の誰かが主要人物となる作者の作品の通称であり、単発作品が9作品と長期作品が1作品存在する。
本作は秋吉家シリーズの次世代編である。

『V・B・ローズ』

作者の過去作品であり、秋吉家シリーズではないが多くの過去作品のキャラクターが登場する。
「V・B・R」というウェディングドレスのオーダーメイド店を舞台に、主人公たちの恋愛模様が描かれた物語である。
V・B・Rはひなや夏艶のバイト先でもある。

リップケア講座

唇の荒れに悩むゆい子のために、放課後の時間を使って真那がケアの方法を教えていることの通称。
唇のケアが落ち着いてきてからは、くせ毛も気にしているゆい子のために簡単ヘアアレンジ講座なども始まっている。

マナ様ファン

銀髪碧眼でびっくりするくらいの美貌を持つ真那を、一方的にマナ様と呼んで崇めている女子の集団。
同じ学年の1年女子が多い。

肌トラベルフェチ

三上が拗らせているフェチ。
三上の3人いる姉がみんな肌トラブルに悩んでいたことから、それを解決してあげたいと肌に優しい化粧品の自作を始めたことがきっかけである。
自分の作った化粧品で肌トラブルが解消された姉たちの喜び様に感化され、それ以来肌トラブルに悩む人を前にするとどうにかしてあげたくなるらしい。

誰が一番イケてるのか選手権

美男美女揃いの杉本家と本庄家が集まった際に開催された。
女性はみなウィッグを被ったりした中、万葉は素のままで優勝を搔っ攫っていった。

『天使1/2方程式』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ゆい子が自分と同じ悩みを持つ女の子の力になって自信を持ったシーン

同じ悩みをもつ女の子のケアをできたことをうれしく思うゆい子

久しぶりに彼氏と会うのに唇の荒れと湿気による髪のクセのせいで落ち込んでいるクラスの女の子に、ゆい子は真那から教えてもらったケア方法やヘアアレンジなどで悩みを解決することに成功する。
唇の荒れやくせ毛のコンプレックスのせいで中々前を向けなかったゆい子が、自分のように悩んでいる誰かのためになれたことをうれしく思い、自分に自信を持つことができるようになった場面である。
これをきっかけにゆい子は将来の夢について考えるようにもなる。

高垣ゆい子「直接何もされてない『その他大勢』が悪口言ってるのってなんか違うと思う」

相原が校内で孤立していることを不服に思うゆい子

陰湿な嫌がらせをしてきていた相原が今度は校内で孤立させられていることを知ったゆい子。
自分は相原と直接話したことでもうこの件は終わっている認識でいるのに、自分に直接何か言うこともしなかった無関係のその他大勢の人たちが相原を悪く言っている様にゆい子が怒る場面である。
ゆい子は「直接何もされてない『その他大勢』が悪口言ってるのってなんか違うと思う」「言う権利があるとしたら攻撃された私だけじゃない?」ときっぱりと言い放っている。
まっすぐなゆい子の良いところが表現されており、いじめ問題に痛快に切り込んでいるエピソードでもある。

高垣ゆい子「友達が同級生じゃなきゃいけないなんてルールないもんね」

相原を友達だと言うゆい子(上)。

校内で孤立していた相原をお昼に誘い3人で試験勉強をする中、素直になれない相原に対して「友達が同級生じゃなきゃいけないなんてルールないもんね」と、ゆい子は暗に自分とはもう友達であると伝えるのだった。
素直になれないだけで相原も同じように感じている描写があり、清算が終わってからは過去のことは気にも留めないゆい子のさっぱりとした性格がよく表現されており、相原に向き合うゆい子のまっすぐさが伝わる良い場面でもある。

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