アニマエール!(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『アニマエール!』とは、卯花つかさによるチアリーディングの部活を中心とした日常コメディ4コマ漫画で、アニメ化もされている。『まんがタイムきららキャラット(芳文社)』で連載された。
2016年4月号から2020年10月号まで連載され単行本は5巻刊行された。
部長であり主人公の鳩谷こはね(はとやこはね)の人のために応援したいという思いがチアリーディング部やクラスの友達や先輩後輩に影響を与えて、周りの人たちを幸せにしていく所が『アニマエール!』の見どころ。

『アニマエール!』の概要

『アニマエール!』とは、卯花つかさによるチアリーディングの部活を中心とした日常コメディ4コマ漫画で、アニメ化もされている。『まんがタイムきららキャラット(芳文社)』で連載された。2016年4月号から2020年10月号まで連載され単行本は5巻刊行。2018年10月から12月にアニメ化され、全部で12話放映された。
主人公である鳩谷こはね(はとや こはね)は、中学3年生の卒業を目前にした3月に河川敷でチアの一団が野球の応援をする光景を目にし、彼女の中にあった世界は一変する。その日のうちに幼馴染で親友の猿渡宇希(さわたり うき)に「高校生になったらチアをやりたい」と語り、チアリーディングに憧れるところが物語の始まりである。
そして鳩谷こはねと猿渡宇希は同じ高校の神ノ木高校に入学する。早速、こはねはチアリーディング部に入部しようと部を探すが、神ノ木高校にはチアリーディング部が存在しないことが発覚する。部が無いことに茫然自失となるが、「無いなら自分で作ればいい」と考え、チアリーディング部を一緒に作ってくれるメンバーを探すことになる。最初は2人の同好会から始め、最後は部活に昇格するための必要人数である5人を揃えて部活に昇格を果たす。その間にも、他部活の応援や地元イベントでのチアダンス披露、そして公式大会への出場など、チアリーディング部として成長していく。部長であり主人公の鳩谷こはねの、「人のために応援したい」という思いがチアリーディング部やクラスの友達、先輩後輩に影響を与えて、周りの人たちを幸せにしていく所が『アニマエール!』の面白いところである。

『アニマエール!』のあらすじ・ストーリー

柿の木高校にチア同好会を設立

人助けが趣味で手当たり次第に困っている人を助ける鳩谷こはね(はとや こはね)は、中学3年の卒業間近の時期に、野球の試合で少女たちがチアリーディングで応援している姿をたまたま見かける。少女たちの輝くような姿と、「人の力になるためのスポーツ」であるチアリーディングに魅了されたこはねは、高校に入学したらチアリーディングを始めることを決意する。そして高校に入学すると、早速こはねはチアリーディング部に入部するために動き出す。幼馴染で親友の猿渡宇希(さわたり うき)にも手伝ってもらい、チアリーディング部を探す。
だが彼女たちが入学した神ノ木高校には、チアリーディング部がないことが発覚した。こはねはその事実に残念な気持ちになり、部活に入ることを諦めようと考えていた。そんなこはねだったが、入学式であいさつをした新入生の中で首席の有馬ひづめ(ありまひづめ)が、野球の試合でチアリーディングをしていた少女だったことを知る。こはねは「無ければ作ればいい」と思いつき、自分がチアを好きになったきっかけのひづめに「チアリーディングをいっしょにしよう」と持ち掛けるものの、ひづめはその申し出を拒絶する。その後、ひづめは度重なるこはねの説得をわずらわしく思いながらも、どこまでも真っすぐで、体を張ったこはねの熱意に心動かされ、ついに彼女の提案を受け入れるのだった。

こはねとひづめの2人でのチアリーディング同好会、略して「チア同好会」が始まった。経験者であるひづめがこはねに体力づくりから教えていくことになった。2人で始まったチア同好会だが、部になるためには5人必要であった。そのためこはねの親友である宇希に「チア同好会に入らないか」とこはねは猛烈にアタックする。中々折れない宇希だったが、人のために自分のことは二の次になってしまうこはねのことが心配だった。
そんな折に、こはねとひづめは宇希にチアの楽しさを分かってもらおうと、宇希にチアを見てもらうことを考える。宇希を屋上に呼び出しひづめがチアダンスを披露すると、宇希はひづめのキラキラ輝くダンスに魅了された。「自分でもチアをやってみたい」と思った宇希は、2人の熱意に押される形でチア同好会に入ることにした。こうして3人でのチア同好会での活動が開始した。

3人になったばかりのチア同好会はひょんなことから、バスケットボール部の鯨井汐凪(くじらい しおな)と知り合い、彼女たちバスケットボール部の応援を頼まれることになった。人を応援したいという気持ちが強いこはねはこの頼みを引き受け、3人のチア同好会活動が始まる。

バスケ大会での応援

チア同好会はバスケ部の出場するバスケ大会で応援することになった。でも今のチア同好会ではチアダンスの基本の練習中であり、ダンスの披露はできない。そのため、会場にいる神ノ木高校の生徒たちと一緒にボンボンを持って声援で盛り上げる応援をすることに決まった。
ボンボン作製と通常のチアダンスの基礎練習に励んでいた部活中のある日、「自分の恋を応援してほしい」と、こはねのクラスメートである秋常紺(あきつね こん)が恋愛相談にやってきた。秋常紺と仲のいい舘島虎徹(たてじま こてつ)が2人でチア同好会にやってきて、その日は秋常紺の恋愛相談に乗ることになった。だが、チア同好会の3人とも恋愛経験がないため助言などはできず、話を聞くだけ聞いて最後には3人で応援した。一生懸命に応援してくれる3人に勇気をもらって、秋常紺は好きな人に想いを告げることを決意し、この相談は幕を閉じた。

その恋愛相談の何日か後に、「どこからともなく聞こえてくるピアノの音が幽霊の仕業ではないか」という噂がチア同好会の3人に流れて来た。自分たちの練習に使用している視聴覚室は2階にあり、1階からピアノの音色が聞こえてくることに宇希は気が付いた。聞こえてくると知ったら気になってしょうがない宇希は、こはねとひづめと一緒に1階を探索することになった。いよいよピアノの音色が聞こえてくる部屋を見つけ、幽霊がいると恐怖しながら部屋を開けた。だが、ピアノを弾いていたのは秋常紺の恋愛相談に一緒に来ていた舘島虎徹だった。虎徹はその部屋のピアノで時折練習していたようだった。その練習のピアノの音が「幽霊が弾いている」という噂の原因だった。そこで出会ったのも何かの縁かもと、虎徹に興味を持ったチア同好会は、「今度のバスケ部応援に来てみないか」と虎徹を誘った。虎徹も少し興味があったので、バスケ部の応援に参加することにした。

そしてバスケ部応援の当日。チア同好会は3人でお揃いに作った衣装を着て、ボンボンを持ち、声援を送った。バスケ部の応援に来ていた生徒たちも一緒にボンボンを使って、応援するうちに熱が入り、調子が揃った声援を送ることができた。チア同好会の声援もあって出場選手たちも盛り上がり、バスケ大会は勝利することができた。そして応援に来ていた生徒の中にいた虎徹は、彼女たちがバスケットボール部を応援する姿を見て、「自分も彼女たちのように輝きたい」と思い、チア同好会への入部を決めた。

4人でのチアダンスを披露

虎徹がチア同好会に参加し、こはねとひづめ宇希と合わせて4人となった。部に昇格するには後1人必要となる。練習を重ねて活動を続けるうちに次第に口コミで評判が広がり、彼女たちのもとに学校外からのチアリーディングの依頼も舞い込むようになる。その依頼のおかげで地元イベントのオープニングセレモニーでチアを披露することになった。こはねたちは4人になって初めてのチアの機会に、練習にもより身が入っていく。

4人で練習していく中で、「新しいフォーメーションや新しい技に挑戦しよう」という話になった。そこで、ひづめは初心者でもできる技である「ダブルベースサイスタンド」を練習してはどうかと提案した。ダブルベースサイスタンドとは、ダブルベース(2人のベース)のサイ(太もも)の上にスタンド(立つ)という技。今回の地元イベントのオープニングセレモニーまでに技を仕上げ、この技をメインにダンスの構成を考えることになった。そして練習を重ね、オープニングセレモニーの当日を迎えた。
チア同好会が会場に向かうと、「学校責任者である担当の先生がいないと参加できない」と言われ、困ったことになった。一同が悩んでいると、そこにチア同好会がセレモニーに参加することを聞いていた、こはねたちのクラスの担任であり何かと気にかけてくれる犬養花代(いぬかい はなよ)先生が見に来てくれた。急遽、犬養先生に「担当になってくれ」とお願いしたことで、チア同好会は何とか会場に入れることができた。
会場でリハーサルを行い、いよいよ4人でのチアダンスを披露する時間となった。地元の人たちが見ている中、初めてで緊張したが4人とも練習の成果を十分に発揮した。一番の目玉であるダブルベースサイスタンドも綺麗に決まり、4人とも満足のいくパフォーマンスができた。

地元イベントのオープニングセレモニーが無事終了し、普段の練習生活が戻ってきた。ある日、こはねと宇希と虎徹の3人で練習に向かう廊下で牛久花和(うしく かな)が立ち塞がる。花和はかつてひづめと同じチームに所属していた人物で、ひづめを「先輩」と慕い、憧れている。その花和が、「先輩はあなたたちのような低いレベルの人たちといるべきじゃない」と3人に突っかかった。
その日から、花和は何かにつけてチア同好会に来るようになる。「実は仲間に入りたいんじゃないか」と考え始めた宇希は、「見学したいなら練習室に入ってもいいよ」と促す。だが、「そんなんじゃない」と慌てた花和は宇希を突き飛ばして、どこかへ行ってしまった。
同じ頃、バスケ部から「バスケ大会でまた応援してくれないか」と要望が来た。今度は声援だけではなく、チアダンスもして欲しいという依頼だった。チア同好会は喜んで快諾した。だが、宇希が花和に突き飛ばされたことが原因でねん挫してしまっていた。そのことに責任を感じた花和は、バスケ大会のときだけ助っ人として参加することを決意する。

バスケ大会での応援再び

花和、こはね、ひづめ、虎徹の4人でチアダンスを披露をするバスケ大会当日。宇希はねん挫のため、今回はマネージャー的立場での参加となった。バスケ部への声援応援をして、その後試合のインターバルの間にチアダンスの披露というスケジュールだった。
試合がインターバルに入り、いよいよ4人でのチアダンスの披露のタイミングがきた。初めて花和のチアダンスを見たこはねと宇希と虎徹の3人は、花和のダイナミックで派手なチアダンスに目を見張った。そしてひづめも同じ感動を覚えた。なぜならひずめは過去に花和と同じチームに所属していながら、他人のチアに当時は興味を持てず、花和のチアダンスを初めて見たためだった。こうして4人でのチアダンスは終了した。
ひづめと一緒にチアダンスを踊った花和は、「今回だけでなくもっと先輩と踊りたい」と思うようになっていた。そして「チア同好会に入りたい」と思い、思い切って「チア同好会に参加させてください」とひづめに打ち明けた。ひづめもその気持ちを嬉しく思い、一緒にチア同好会をやっていこうとなった。
バスケ部への応援も終わり、5人でのチア同好会の活動が始まった。だが5人になったことで部へ昇格できることに気付き、部への昇格を申請する。すると、こはねの担任教師の犬養から、「部になるためには担当の先生が必要だ」と言われ、探すことになった。しかし担当になってくれる先生は見つからなかった。部長であるこはねは、自分たちのクラスの担任であり、何度かお世話になっている犬養に半ば強引に部活主任になってもらうことにした。

念願の部活動を始めて何日かたったある日、部活主任である犬養から、とある少年サッカーチームの応援を提案された。宇希以外の4人は「経験になるから」と快諾したが、宇希はなぜか前向きではなかった。理由を聞くと、「そのサッカーチームには自分の弟が所属していて、弟に自分がチア部に所属していることを言っていなかった」ということだった。結局は宇希も承諾し、チア部は少年サッカーチームの応援をすることになった。
そして応援の日となった。この日は初めて5人でチアダンスを披露することになっている。5人でできるフォーメーションや技を覚え、5人でのチアダンスに挑んだ。練習の成果もあってか、息の合ったチアダンスをすることができた。

公式チアリーディング大会に初出場

少年サッカーチームへの応援で5人でのチアダンスをしたことで、ぴったり息の合ったダンスと応援の楽しさを覚えたこはねは、「さらに上を目指そう」と提案する。そこで、近日行われる公式のチアダンス大会に参加することになった。
大会参加のために、まずは新しい5人でのユニフォームを購入するためにチア専門店に行くことになった。それぞれの好みが違うなか、相談しながら新しいユニフォームを決めた。その帰りに、ひづめと花和の前のチームで一緒にチアをやっていた根古屋鈴子(ねこや すずこ)と根古屋珠子(ねこや たまこ)の姉妹に出くわす。根古屋姉妹は双子で、ほとんど同じ動きをしている驚異のシンクロ率の姉妹である。お互い久しぶりの会話だったが、根古屋姉妹もチームでこはねのチア部と同じ大会に出場することが分かった。その話を聞いてこはねは俄然やる気を出す。そこで、夏合宿を行うことになった。

夏合宿は1泊2日で行われた。ひづめの親戚に剣道場を営んでいる人物がいて、その道場を借りて練習できることになった。その際、「海のイベントでチアダンスを踊ってくれないか」と提案され、練習のために出場することになる。そこで、公式大会でも行う予定の技の練習をすることになった。技は「ショルダーストラドル」というもので、簡単にいうと肩車である。チアダンスの流れの中での肩車なので、ダンスの構成も考えてチアダンスを仕上げていった。そしてイベントでの披露の日、5人とも息の合ったチアダンスをすることができた。こうして夏合宿は充実したものとなった。

夏合宿が終わり、普段の練習も欠かさず行ってきた。そして公式チアリーディング大会の日がやってきた。この日一番緊張していたのは、いつもは天真爛漫な部長のこはねだった。「私の失敗でチームを終わりにしたくない」と考えすぎてしまい、緊張で笑顔ができなくなっていた。そんな中で、ひづめと花和が所属していた前のチームのメンバーに出会う。ひづめがやめてしまったチームであり、そのときひと悶着あったためにお互い距離を置いていた。そんなひづめと前チームは今回時間が経過したことで、少しだけ話すことができた。少しだけ仲が戻ったひづめを見て、より緊張してしまったこはねは、いよいよ体も硬くなっていた。
そして大会始まった。神ノ木高校チア部の順番は後の方であり、ひづめの前の所属チームの方が先に披露することになった。その後、いよいよこはねたちチア部の番となった。
会場に走り出し、音楽が流れる。流れ出す音楽に乗せてチアダンスを始める。こはねと宇希、虎徹はまだまだ公式大会に出るレベルでは無くダンスも拙い。宇希と虎徹は緊張していたが、あがってダンスと笑顔を忘れるようなことは無かった。だが、こはねはガチガチにあがり、笑顔が無くなり周りが見えなくなっていた。その状態で、ダブルベースサイスタンドのタイミングがやってくる。ひづめの太ももにこはねが乗ろうとするが、緊張のあまり足を滑らせてこけそうになる。そこをひづめが見事に止め、滑らずに乗ることができた。その瞬間に、こはねは周りの仲間たちが見えた。支えてくれている仲間たちの笑顔に、緊張が解け、いつもの満面の笑顔が戻ってきた。笑顔を取り戻し、その後は自分たちの中では最高の演技となった。
「決勝にも行けるんじゃないか」とこはねは有頂天だったが、結果を見ると予選で敗退していた。ひづめと花和の前の所属チームは決勝に進出していて、自分たちの実力を思い知る苦い経験となった。だが、こはねとひづめと宇希、虎徹、花和のチア部のメンバーは満足感でいっぱいの気持ちでこの大会を終えた。

『アニマエール!』の登場人物・キャラクター

神ノ木高校チアリーディング部

鳩谷 こはね(はとや こはね)

CV: 尾崎由香

本作の主人公でチアリーディング部の部長。髪は長く毛先にボリュームのあるピンクブロンドの髪をセミロングに伸ばしている。スタンツでのポジションはトップ。底抜けに明るい性格をしており、困っている人を見かけると放っておくことができない。人助けのためならば自身を顧みず突っ走ってしまうため、中学生までは生傷の絶えない生活を送っていた。そのため幼なじみの猿渡宇希(さわたり うき)から心配されていた。年齢は15歳。身長は151センチで、血液型はB型、誕生日は7月4日。

有馬 ひづめ(ありま ひづめ)

CV: 山田唯菜

こはねたちの同級生。髪型は青みがかった黒い髪をストレートロングに伸ばしている。蹄鉄のような髪飾りを着けている。スタンツでのポジションはベース。性格は生真面目で、時に天然ボケな一面も見せる。普段はあまり感情を表に出さないが、チアを始めると人が変わったかのように明るい笑顔を見せる。中学時代まではチアリーディングのクラブチームに所属し、「鉄壁のベース」の異名で呼ばれていた。身長は163センチで、血液型はA型、誕生日は12月8日。

猿渡 宇希(さわたり うき)

CV: 井澤美香子

こはねの幼馴染でクラスメイト。髪型はライトイエロー色の髪をサイドアップテールにしており、スタンツでのポジションはスポット。面倒見が良く、こはねにとっての保護者のような立場で彼女をフォローしているが、幼なじみ以上の感情を抱いている節もあり、スタンツでこはねの太ももに挟まった時、大声で感謝することもある。またチアリーディング部たちの中では常識人でツッコミ役に回ることが多い。身長は160センチで、血液型はO型、誕生日は4月12日。

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