不揃いの連理(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『不揃いの連理(ふぞろいのれんり)』とは、作者・みかん氏(みかんうじ)による年齢や家庭環境の異なる女性同士の恋愛を描いた百合漫画作品。みかん氏のpixivで定期連載がスタートし、『角川コミックス』にて単行本が発売され、累計部数は22万部を突破している。また、2020年11月20日からKADOKAWAの『コミックNewtype』に掲載されている。
社畜OL・田中伊織と、伊織の行きつけの居酒屋店員・船頭南をはじめとする、「不揃い」な3組6人の女性たちのガールズラブストーリーを描いた漫画作品である。

仲之雫「お前といる時が一番落ち着くな」

人を信じられない雫(右)が、沙織(左)に心を開き始めた

沙織と話すようになって以来、学校へ通うようになった雫。校内で沙織の姿を探す雫だったが、なかなか見つけることが出来なかった。いたるところを探し回り、やっと図書室で沙織の姿を見つけたのだが、彼女は机に突っ伏して眠っていた。何となく沙織の前に座り、眠っている様子を見ていた雫が「お前といる時が一番落ち着くな」と呟く。すると、眠っていると思っていた沙織が「ぷっ」っと噴き出したのだ。狸寝入りだと気づき怒る雫と、その感情の起伏の激しさにツッコむ沙織。喧嘩ばかりの2人だが、雫が沙織に心を開いていることが感じられるシーンである。

篠原彩芽「私がヘケさんに全てを教えて強くさせたら、私と付き合ってくれますか?」

2人の関係を進める為、篠原(右)はヘケ(左)に告白をする

いつものようにゲームを楽しむヘケとララ。しかし、ララである篠原は、ヘケともう一歩先の関係に進みたいと思っていた。担当編集である自分が良く思われていないことは知っていたが、進展するためにヘケと実際に会うことを決めた。意を決してヘケを「リアルで会わないか」と誘ってみたが、のらりくらりと交わされてしまう。篠原は切り札として、ヘケの好きな配信者グループのリアル配信チケットを餌に、会う約束を取り付けることに成功した。
一方、ララの正体が篠原であると既に知っているヘケは、突然のお誘いに嬉しくも戸惑っていた。しかし、言葉巧みに会う約束を取り付けられてしまったため、覚悟を決めて会いに行くことにする。待ち合わせ場所で顔を合わせるヘケと篠原。ヘケの様子を見て、篠原は自分がララであることがバレている事を知った。お互いに正体を知りつつ会っていたことが発覚したものの、「隠し事はお互い様だから」と切り替えてイベントへ向かう2人。しかし、ヘケは編集としてではなく憧れのララとして目の前に立つ篠原に緊張してしまい、全く話せずに解散してしまった。「会わないほうが良かったのかもしれない」と落ち込む篠原に、ヘケから連絡がきた。「今日はすみません」と謝る篠原に対し、ヘケは「違うんです」と言う。ヘケはララに対しての憧れがすごすぎて、編集として会うことはできるが、ララとして会うと上手く話せなくなってしまうらしい。「よくわからないが、このまま仕事以外で会えないのは嫌だ」と思った篠原は、ヘケにある提案をする。ヘケのゲームレベルがもっと上達すればララと対等になれるかと聞いてきたのだ。「なれるとは思わないけど、もしなれれば多分大丈夫」と言うヘケ。その言葉を聞いた篠原は「私がヘケさんに全てを教えて強くさせたら、私と付き合ってくれますか?恋人として」と告白する。突然の告白に戸惑うヘケだったが、「強くなるまで待ってほしい」と伝えた。ゲーマー同士の変わった告白シーンである。

船頭南「私たちにもいつか、居場所ってやつが見つかるのかな」

不安になる南(左)と、寄り添う雫(右)

南が伊織に出会う前、施設ではいつも雫が側にいてくれた。初めから仲が良かったわけではないが、似たような境遇で育った2人には通じるものがあったのだ。ある晩、過去のトラウマから過呼吸になってしまう南。その様子を見た雫はすぐに駆け寄ったが、南は雫の手を払ってしまう。翌日、昨晩の事は特に話さず、距離を取る南。雫は自分が信用されていないようで少し苛立っていた。その晩、再び過呼吸を起こす南。前回同様に「ほっといてくれ」と言われるが、雫は南の元へ近づいた。そして、南を抱き寄せ「ここにお前の親はいないよ」と囁いた。落ち着いた南は、嫌な態度をとってしまった事を謝罪する。「別に大丈夫だ」と言う雫に対し、南は「私たちにもいつか、居場所ってやつが見つかるのかな」と呟いた。強がっていてもまだ幼い2人が、精一杯生きていることが伝わるシーンである。

『不揃いの連理』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

南と雫のおそろいのタトゥー

施設時代におそろいのタトゥーを入れた南(左)と雫(右)

南と雫は施設時代、お互いにおそろいでタトゥーを入れている。家庭環境に恵まれず、大人の事を信用できなかった南と雫が、お互いの事を家族のように大切に思っている証として入れたのだ。喧嘩ばかりの2人だが、かけがえのない存在であることが伝わるシーンである。

南がSNSで投稿している写真は全て猫

猫画像だけが投稿された南のSNS

南のバイト先の後輩から送られたメッセージを見てしまった伊織。浮気を疑い南を問いただしたが、実は引っ越しを手伝ってあげただけだった。メッセージの中にSNSをフォローしたという文言かあり、伊織は「南がSNSをやっているなんて知らなかった」と話す。南は「恥ずかしくて言っていなかっただけ」と言うが、上げている画像は全て猫の写真だった。

イルカ好きの久城

イルカショーに感動する久城(左)と、それを見つめる杉本(右)

杉本の提案でデートをすることになった久城。水族館に訪れた2人は、イルカショーを見ようとステージに向かう。ショーが始まりイルカが飛び出した瞬間、久城の目が輝き嬉しそうにしているのを見た杉本。「イルカ好きなの?」と聞くと、「子供じゃあるまいし」と照れて否定する久城。その様子を見た杉本は、イルカに触ろうと久城を連れてステージに向かう。噛まれるかもしれないと恐れる久城に「私がついてますよ」と声をかけた。恐れながらもイルカに触れ、感動する久城。杉本は「勇気を出せばどんなことだってできるんですよ」と言う。いつも悩んでばかりで勇気を出せない久城を、新しい世界へ連れて行ってくれる杉本。学校では見せない久城の一面が見られたシーンである。

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