時光代理人 -LINK CLICK-(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『時光代理人 -LINK CLICK-』とは、中国の動画共有サイト「bilibili」で配信された、特殊な能力を持った2人組が写真を通して過去に干渉するサスペンスアニメーションである。しがない写真館に住む程小時は写真の中に入り込める能力を持ち、共同経営者の陸光は写真の12時間の間の出来事が分かる能力を持っている。“過去”に干渉し、“未来”に影響を与えることができる2人が依頼を解決するうちにある事件に巻き込まれていく。性格真反対の凸凹コンビの日常を描いたストーリーである。

トキとヒカルが能力を使うときの合言葉。ヒカルが写真の12時間の出来事を把握し、トキが写真の撮影者もしくは写真の中にタイムスリップすることを指す。

3つのルール

トキとヒカルの間にある能力を使う際のルール。ルールは「タイムリミットは12時間」、「ヒカルの指示に従うこと」、そして「過去を問うな、未来を聞くな」の3つである。過去の出来事に干渉できるトキが過去を改変してしまえば、撮影者の未来が変わってしまうためトキはヒカルの指示通りに過去と同じ行動を行う。

『時光代理人 -LINK CLICK-』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ヒカル「過去を問うな。未来を聞くな」

トキとヒカルはダイブする際に3つのルールを確認する。

ヒカルがトキに対してダイブの際にかける言葉。第1話の冒頭でダイブの条件が語られている。その条件が“過去”と“未来”を変えてはいけないことである。トキは好奇心旺盛で他人の感情に影響を受けやすい性格のため依頼人の過去に干渉しようとする。そのたびにヒカルは「過去を問うな。未来を聞くな」と警告をするが、トキは作中で何度も依頼人の過去を改変してしまいその改変によって、ヒカルが重症を負う最悪な展開へと導かれてしまう。また、トキが改変した未来と現実世界の矛盾を修正している能力持ちの真犯人がいることからも、このルールは重要なものであることが分かる。

ダイブのルール:重要な分岐点と改変されない未来

地震が起きたため机の下に隠れる陳瀟(画像右)と母親(画像左)。

陳瀟が過去の後悔をなくすためにトキとヒカルに依頼してくる。彼は過去の友人や家族に伝えたいことを紙に書き、トキに「彼らに伝えてほしい」と頼んだ。いつものごとく、トキはヒカルの指示に背いて過去を改変してしまうが、今回に関してはヒカルは怒ることなく「未来に影響はない」とトキに告げる。いつもならヒカルは過去を改変することは絶対にしてはいけないとトキに話しており、彼が勝手な行動にでることを禁止している。この時点で“重要な分岐点を変えなければそれ以外は過去を改変しても未来に影響はない”という2人の能力の詳細が新たに明らかになる。ヒカルは陳瀟の写真の12時間を把握しているためその“重要な分岐点”が何なのかを理解しているが、トキには伝えてない。物語が進むにつれて、トキは少しずつ頭の中で引っかかっていた“何か”が徐々に明らかになる。陳瀟が”過去の母親やバスケ仲間、そして好いた相手に伝えたいことがある”ことや、ダイブした日付が“2008年の5月12日”であることからトキは過去に起こった四川大地震を思い出す。多くの死者を出し、大きなニュースとなったこの自然災害が陳瀟の住む地域でも悲惨な結末を与えたのだ。結果、陳瀟以外は皆地震で亡くなってしまう。彼の後悔とは、地震で亡くなった人々に自分の伝えられなかった思いを伝えることだった。“重要な分岐点”とは四川大地震のことで、トキがそれ以前の過去をどれだけ変えようが地震で亡くなる人々には未来がないため彼らの未来に影響はない。トキは地震が起こることを知って「彼らを助けたい」という思う。しかしそうすることで未来に大きな影響を与え、トキやヒカルだけではなく全世界の人々の未来を変えることを天秤にかけ、泣く泣く彼らが亡くなる過去を受け入れるしかなかった。ちなみにこの四川大地震は実際に中国で起こった自然災害である。

トキ「ゲーム…オーバーだ」

写真を使って過去の犯人にある提案をし、現実世界で作戦を立てたトキとヒカル。犯人の前にダイブから帰ってきたトキがゲーム開始と共に終わりを言い放つ。

11話のワンシーン。シャンシャンが襲われた時間に戻り、トキは襲ってきた犯人に「ヒントを頼りに自分の元までこい」と提案し、シャンシャンの身の安全を確保することを約束にゲームを始める。トキは「ゲームスタート」と同時に手を叩き、現実世界に戻る。写真館に戻ってきたトキの目の前には、たった今過去でトキの提案を受けて約束通りに写真館にやってきた仮面の男が、ヒカルによって部屋に閉じ込められていた。ここでトキはダイブから戻ってきたと同時に「ゲームオーバーだ」と告げる。

トキは能力を使ってシャンシャンを襲った犯人に過去で干渉する。この時点で、犯人はトキの能力が“写真を通して人の過去に干渉できる”ということを知らなかった。トキからすれば、犯人とのゲームはスタートした時点でトキの勝ちが決まっていることになる。トキが自身の能力を盛大に活かした作戦であることを表すセリフとなっている。

『時光代理人 -LINK CLICK-』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

エマの運命は変わっていない

トキが過去を改変したにもかかわらず、結果的に亡くなったエマ(画像右)。

1話の最後でヒカルのスマホからエマの死体が見つかったというニュースが流れる。そのニュースを見たヒカルは顔色一つ変えずにトキとリンにはニュースの内容を伝えなかった。ヒカルの反応から、トキがエマの母親にメッセージを返していなかったとしてもエマが亡くなったという事実に変化はない。本来の結末がニュース通りの自殺だとすると、改変された未来で両親に会うために駅に向かっていたエマが途中でぶつかった何らかの能力持ちである青年によって、エマは本来の未来に導かれたことが分かる。

トキとヒカルのそれぞれの考え

目の前で依頼人の母親が亡くなるところを見たトキ(画像左)に寄り添うヒカル(画像右)。

性格が真反対なトキとヒカルはそれぞれ異なる軸を持っている。作中で依頼人の感情に干渉しているトキは、ストーリーが進むにつれてヒカルと喧嘩をしてしまう。トキは、写真の出来事を把握できるヒカルに「何も思わないのか」と感情をぶつけてしまう。四川大地震の依頼で心を痛めるトキは「変えられない過去で依頼人の思いを伝える意味はあったのか」とヒカルに問う。その問いにヒカルは、「依頼は残されたものの後悔を癒やすもの」と答えた。ヒカルがトキに写真の中でこれから起こることを教えないのは、「人の感情に干渉されやすいトキが全てを知り、心を痛めたまま任務をこなさなくてもいいように」という思いが込められているようだ。

ヒカルの正体

公式ホームページのキャラクター紹介で年齢と血液型が不明なヒカル。

年齢や血液型など、ヒカルにはいまだ明らかになっていない秘密がいくつかある。プロフィールを見ると、トキやリンの年齢・血液型は書かれているが、ヒカルのみ“UNKNOWN”と記されている。1話冒頭でリンが「トキより若い」と発言していることから3人の中では一番年下ということだけが分かっている。

『時光代理人 -LINK CLICK-』の主題歌・挿入歌

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