お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件(ラノベ・漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』とは、隣り合う部屋で暮らす独り暮らしの高校生の少年と少女が交流し、親しくなっていく様を描いた佐伯さんによるライトノベル作品。2022年に漫画化、2023年にはアニメ化を果たした。
高校生の藤宮周は、ある日隣人で学校の人気者でもある椎名真昼が雨の中公園で泣いているところを目撃する。見兼ねて傘を渡した結果、周は体調を崩し、「借りは返す主義」と語る真昼に看病される。これをきっかけに真昼は周に手料理を振る舞うようになり、2人は交流を重ねていく。
『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』の概要
『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』(おとなりのてんしさまにいつのまにかだめにんげんにされていたけん)とは、隣り合う部屋で暮らす独り暮らしの高校生の少年と少女が、ふとしたきっかけから交流し、親しくなっていく様を描いたライトノベル作品。
宝島社が発行している『このライトノベルがすごい!』文庫部門では、2020年、2021年では10位、2022年には6位、2023年版で4位を獲得。2022年12月時点でシリーズ累計発行部数は100万部を突破する人気作品である。2022年には漫画化、2023年にはアニメ化を果たすなど、メディアミックスも盛んに行われている。
高校生の藤宮周(ふじみや あまね)は、入学を機に独り暮らしを始めていた。しかし生来の雑な性格が災いして掃除も洗濯もおざなりで、部屋は次第に汚部屋と化し、健康にもあまり気を遣わない日々が続いていた。
ある日、周は隣人で学校では“天使”と呼ばれる人気者の椎名真昼(しいな まひる)が雨の中公園で泣いているところを目撃する。見兼ねて傘を渡すと、真昼は「借りは返す主義だ」と言って周に手料理を振る舞い、同時に彼の汚部屋を放っておけずに生活の世話を見始める。これをきっかけに2人は交流するようになり、次第に親しい間柄になっていくのだった。
『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』のあらすじ・ストーリー
天使様との契約
家族と離れて独り暮らししている高校1年生の藤宮周(ふじみや あまね)は、ある日公園で同級生の椎名真昼(しいな まひる)という少女が雨の中ブランコに座っているのに気付く。真昼はその美貌と人当たりのいい性格、さらに文武両道の才媛ということもあって学校では“天使様”と呼ばれて男女を問わず人気のある存在であり、同時に周の部屋の隣に住む人物でもあった。
知らない仲でもない彼女を放っておけず、周は彼女に傘を差し出して去っていく。しかしこれによって体調を崩してしまい、心配した真昼にお見舞いされることとなる。その真昼は、散らかしっぱなしの周の部屋の惨状を見て、「いったい普段は何を食べているのか」と嘆息。周が回復した後に、「隣が汚部屋なんていうのは心情的に受け入れられない」と真昼に押し切られる形で一緒に部屋を掃除することとなる。
そうやって始まった2人の交流は、やがて周の健康を案じた真昼からの提案で、毎日の夕飯を共にする形となる。この時2人は、真昼の校内での人気を考慮して、周囲に騒がれないよう「自分たちの部屋が隣同士であること」、「一緒に夕飯を食べていること」は秘密にしようと約束を交わす。
真昼は非常に料理上手で、周の生活環境は大きく改善。それと同時に、周は毎日顔を合わせる真昼のことが次第に気になるようになっていく。
天使様と友人たち
「周は約束を守ってくれている、自分を大切に扱ってくれている」と感じた真昼は、少しずつ彼を信頼していく。一方の周も、彼女を特別な存在として意識していくが、「真昼が自分に望んでいるのはあくまで友人としての関係で、恋仲になりたいわけではないのではないか」との想いもあってそれを表にしようとはしなかった。
しかし不運と不注意が重なり、周の友人の赤澤樹(あかさわ いつき)、その樹の彼女の白河千歳(しらかわ ちとせ)に2人の関係が知られてしまう。樹たちは「隣人として協力し合っているだけだ」という周の説明を一応は信じるものの、2人の関係を興味深い観察対象として認識し、何かと理由を作っては部屋までやってきてその様子を見守るようになる。
やがて周と真昼の半同棲生活は、周の両親にまで知られてしまう。周の両親は「息子が同級生の女の子を部屋に連れ込んでいる」という状況に面食らうも、その礼儀正しい態度を見て真昼のことを気に入り、健全な交流をしているだけだという2人の主張をとりあえず受け入れる。
彼らは概ね「不精な周にしっかり者の彼女ができた」と喜んでおり、そういう関係ではないという周の言葉は受け流されるばかりだった。時に樹たちに促され、時に両親に連れ出されて周が真昼と一緒に街を歩くようになると、学校では「天使様に彼氏ができた」との噂が流れ始める。
天使様の過去
ある日、周は真昼が彼女に面影の似た女性に痛罵されている様を目撃する。この女性こそは夫と立場や経済的な事情だけで結婚し、娘を儲けたのも“一夜の過ち”の結果だったと言い切る真昼の母親だった。
両親のどちらからも「不要な存在」を通り越して「世間体のために思うように離婚することができない邪魔な存在」だと目された真昼は、その両者から毛嫌いされながら生きてきた。かつて周が公園で見掛けた時に真昼が泣いていたのも、母親から罵声と敵意を浴びせられたのが原因だという。
それでも“親に愛されたい”と考えた真昼は、必死になって品行方正な優等生を演じてきた。それがただの徒労でしかないと分かっても今さらやめられないと嘆く真昼を、周は「素のままのお前にだって、俺や樹や千歳のような友達がたくさんいる」と激励。いつしか自分のもっとも親しい人間となっていた周からの言葉を真昼は喜び、「自分を離さないでほしい、自分のことをずっと見ていてほしい」と伝える。
この頃には、周は自分が真昼に恋心を抱いていることをはっきりと自覚するようになっていた。樹から追及された周は、ついにそれをはっきりと口にして認め、真昼との関係について真剣に考えざるを得なくなる。
天使様の恋人
新学期になり、周と真昼はクラスメイトとなる。「変に隠して疑われるより、こちらから先に自分たちが隣人であることをクラスメイトたちに明かした方がいいのではないか」と真昼に相談された周は、一理あるとはしつつも相変わらずの学校での彼女の人気に配慮しやるなら慎重に進めようと提案する。自分が特別な存在として真昼を意識していることを認めた周だが、「彼女は自分をどう思っているのか、“真昼も自分のことが好きなのでは”なんて独りよがりなだけなのではないのか、好きだと伝えても迷惑がられるだけではないのか」との思いから一歩を踏み出せずにいた。
これを察した樹と千歳が一計を案じ、周と真昼は体育祭で借り物競争に出場することとなる。周は「美人だと思う人」を指定されて真昼を選び、真昼は「大切な人」を指定されて周を選んでゴールする。全校生徒の注目する前で、真昼は「自分と一緒に初詣に出かけたりデパートに遊びに行った、以前から噂になっていた人物は周だ」と明かし、一同を驚かせる。
どういうことだと男子生徒たちに詰め寄られる周だったが、その場にやってきた真昼の理路整然とした説明によって事無きを得る。秘密にするという約束を破ってしまってごめんなさいと詫びる真昼に、周は「自分から言うつもりだったのに」と苦笑を返す。
体育祭後、いつものように夕食を作りに来た真昼に、周は改めて告白する。真昼は嬉しそうに微笑むと、「ずっと離さないでほしい」と言って、周の胸に飛び込むのだった。
『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』の登場人物・キャラクター
藤宮周(ふじみや あまね)
CV:坂泰斗
高校生の少年。あまり感情を表に出すタイプではないが、雨の中公園で泣いていた真昼に自分の傘を差し出すなど根は優しい。
入学を機に独り暮らしを始めるが、整理整頓が苦手な雑な性格で、程無くして自室を汚部屋化させるが、本人は「食事は外食かコンビニ弁当で事足りるし、寝られればいい」とあまり気にしていない。
椎名真昼(しいな まひる)
CV:石見舞菜香
周と同じ高校に通い、同じマンションの隣の部屋で暮らす少女。文武両道の才媛で、その美貌と人当たりの良い性格もあって多くの男子生徒たちから「天使様」と呼ばれて憧れの対象になっている。本人はこの呼び名をあまり好いておらず、周が口にした際は「やめてほしい」と咎めていた。
自分に傘を貸したせいで周が風邪を引いたことを悟ると、罪悪感から看病しようと彼の部屋を訪れ、その汚部屋っぷりと劣悪な生活環境に絶句。「見ていられない」とその改善に乗り出し、周の世話を焼くようになる。
『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』の主題歌・挿入歌
OP(オープニング):オーイシマサヨシ『ギフト』
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