義母と娘のブルース(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『義母と娘のブルース(漫画・ドラマ)』とは、2011年3月に株式会社ぶんか社から発売された漫画。作者は桜沢鈴、『主任がゆく!スペシャル』の2008年Vol11、2009年Vol13~2010年Vol30に掲載された作品と書き下ろし原稿で構成。
本作品は4コマ漫画。4コマ漫画では登場人物が成長したり、亡くなったりすることをタブー視するが、この作品は小学生の女の子が父の死を乗り越えて、父の再婚相手と心を通わして本当の親子になっていく様子を描く。
作品はテレビドラマ化され、主演女優は綾瀬はるか。

『義母と娘のブルース』の概要

『義母と娘のブルース(漫画・ドラマ)』とは、2011年3月に株式会社ぶんか社から発売された漫画である。作者は桜沢鈴で、『主任がゆく!スペシャル』の2008年Vol11、2009年Vol13~2010年Vol30に掲載された作品と書き下ろし原稿により構成されている。
漫画の構成は4コマ漫画である。1ページに縦の4コマが二列で構成される。1行の4コマ内で起承転結があり、次の行の4コマにはその続きの起承転結がある。基本的に1つの話は見開き2ページで完結。その構成が続くことによりストーリーが展開していく。
4コマ漫画では一般的に、時間の経過や死を扱う事はタブーとされるが、この作品は、マンガの中で時間が流れて登場人物が成長していく。そして登場人物の死が起こる。
物語は、小学生の娘をもつシングルファザー良一が再婚するところから始まる。再婚相手は、仕事しかしてこなかったやり手のキャリアウーマン岩木亜希子である。彼女は自己紹介するときに娘みゆきに名刺をさし出した。亜希子は子供の扱い方を知らず、まるで仕事相手にするように接するのであった。父の再婚に戸惑う娘みゆきと仕事しかしてこなかった亜希子との生活は、かみ合うところがない。しかし時を経るにしたがい本当の母と娘ように溶け合っていく姿を4コマ漫画の起承転結の中で表現している。
この作品はテレビドラマ化され、綾瀬はるかが義母亜希子を演じている。

『義母と娘のブルース』あらすじ・ストーリー

義母の家事1篇

リビングルームでヒット商品の経済波及効果を語る亜希子。

岩木亜希子(いわき あきこ)は会社では営業部長として、会社に貢献してきた。そして社員からは尊敬されている。このまま会社で働き続けても、順風満帆である。しかし、その職を辞して、良一と結婚して専業主婦になり、彼の娘みゆきの母となる事を決めたのだ。しかし実際に娘になる女の子みゆきに会い、新しいお母さんとして紹介されたところ、「なんかやだ、この人」と拒否される。顔合わせは大失敗である。亜希子は仕事一筋で生きてきたため、家庭生活やましてや子育ては全く未知の分野なのだ。それでもみゆきの事を知り、自分を受け入れてくれるように努力を怠らない。相手から理解される方法や受け入れてもらうスキルは、営業職時代に積み上げていた。彼女は、仕事しかしてこなかったので、何をするにも仕事のやり方をそのまま使う。そのため、小学生のみゆきに対してもおなじ方法を行う。一方みゆきにとってそれらは突拍子もない事ばかりだ。そのせいで、みゆきは亜希子をよく分からない苦手な人と感じた。家にいても亜希子には会社からアドバイスを求める電話がかかってくるし、亜希子が電話をかける相手は大企業の大物だ。まるで家に大物のオッサンがいるようだ。しかしそれらの出来事は彼女が会社でとても活躍した人材であることの表れだ。ある日亜希子はみゆきがいじめられていることを知る。すると、亜希子は会社での課題解決方法の基本、先ず問題点の洗い出しから始めるのだ。亜希子はみゆきと主にいじめっ子たちを調査し、リーダーをあぶりだし、そしてみゆきにリーダーと交渉するように言う。渋るみゆきにまるで部下に言うように励まし、行かせるのである。亜希子は何事にも全力を傾け、自分の能力を最大限に発揮する。例えば、スーパーマーケットでの買い物で、製品の改善の提案が思いつくとその会社に直ぐに連絡を入れる。みゆきに気に入られたい一心で子供に人気のプチキュアの変身ポーズを練習する。家に押し売りが来たときはみゆきにその対処法を教えた。亜希子は仕事以外はダメなタイプだ。手仕事が不得意なのだ。家事は苦手で黒焦げのご飯を作ってしまう。それでもみゆきは一緒に生活する事で見えてくる亜希子の仕事の能力、そしてなにごとにも全力で挑む性格に惹かれ、かたくなだった心を少しずつ溶かしていく。

家族の生活篇

亜希子の作ったヨンリオのキャラ弁。

家事が下手でみゆきに呆れられていた亜希子だが、ある日挽回するチャンスが来る。それは学校の保護者会である。その保護者会にボスがいて、どんな要望もその人の意見が通る。みゆきはそのボスとは逆の要望を持っていた。みゆきの要望を知った亜希子は、そのボスを論破することを決心する。亜希子は完璧なリサーチ、論理構成、人を魅了するプレゼン能力を持っている。その能力を使って、奥様方から情報を収集し、資料を作り、保護者会に参加し、保護者会ボスを論破するのである。その勝利の効果はみゆきに及ぶ。ボスを倒す頭のいい義母を持つ娘として周りの女の子から注目されるのである。
みゆきにはいつも遊ぶ同級生の男の子ヒロキがいる。彼はみゆきの事を大事に思う良い友人だ。ある日、みゆきは亜希子の作った弁当を持って、林間学校に行く。みゆきは亜希子にヨンリオ社のキャラクタのキャラ弁を頼んだつもりだったが、ふたを開けるとご飯の上にヨンリオ社の株価チャートが海苔で貼ってあった。女友達にそのお弁当を見られ動揺する。そんな状況を見て心配する同級生ヒロキであった。
みゆきが家にいない間、良一(りょういち)と亜希子はデートをする。そこで話されたのは、良一の不治の病でもう長く生きられない事、そしてみゆきを1人にしない為に愛情の無いまま2人は結婚した事だった。みゆきに母が欲しかった良一と人恋しかった亜希子の利害が一致した結果が結婚だったのだ。その頃、林間学校にいるみゆきは父良一と母亜希子がいるうちが一番居心地がいいと、家を恋しがっていた。再婚して数か月経って、亜希子とみゆきは一緒にテレビを観たり、料理をしようとしたりと仲の良さが現れていた。良一はそれを見て安心する反面、良一は自分の居場所がないような、自分が必要のない存在になっていることを淋しく思うのである。そんな理由で、ちょっとした行き違いで亜希子とみゆきが喧嘩する事があると、2人の仲をとり持ち、仲直りさせることで、自分の役割を果たせた喜びを味わうのである。

父の死篇

良一のお葬式。

良一は不治の病である。病気が悪化して、会社からも出社を断られ、家で過ごすようになっていた。良一が不治の病である事を知らないのはみゆきだけである。
ある平日に家族で公園にピクニックにいく。みゆきは、父は会社に行かず、そして自分は学校を休んでまで公園でピクニックするのが不思議だった。公園では、みゆきは父の助けを借りながら自転車に乗る練習をした。良一は、倒れても倒れても起き上がり、再び自転車に乗る娘を見て、みゆきは強い子だからきっと自分が死んだ後も、立ち直ってくれると思うのであった。その公園で良一は倒れ、病院に担ぎ込まれた。
病院での良一は、もう死ぬ覚悟はできていた。それに前の妻を今でも愛しているし、死ぬことで彼女のところに行ける事をむしろ喜んでいるくらいだ。亜希子との結婚は、余命を知った良一が娘を亜希子に託すために書類上、彼女を身内にするための手段だ。しかし、いざ病院にいると、これまで亜希子と一緒に生活してきた思い出が頭に浮かび、良一は死にたくないと思うようになっていた。亜希子の方も前妻の思い出の品を見て、彼女に嫉妬している自分に気が付いた。良一は看病に来る亜希子に「出来るだけ長く生きたい」と言いとキスをするのである。しかし良一はその3日後に亡くなる。
葬式の日、みゆきは、母も父も亡くなったので、これからは一人で生きていくつもりでいた。そんなみゆきの態度を見た亜希子は冷静さを無くし、みゆきにこれからも母と子として一緒にいる事を話すのである。

高校生篇

良一の死から7年後。みゆきは高校生になっている。

葬式から7年後。亜希子はアラフォーになり、みゆきは高校生になっている。亜希子は家事は完璧にこなすが、いまだに日常的にスーツを着る。みゆきへのしつけは完璧で、みゆきは高校では、勉強はできないけど作法の良い子として認識されている。亜希子の教育は、子供への教育というよりサラリーマン教育に近かった。例えば、みゆきが高校生活のアドバイスを求めると、亜希子はビジネスでやってきた方法を教えた。そのため学校では、みゆきはビジネス用語を使う少し変な子になっていた。みゆきは高校では男子にモテているが、交際には慎重だ。それは自分の両親が2人とも死んでしまった経験からそう考えた。どんなに好きでも別れが来ることを幼い時に知ったのである。そんなみゆきは亜希子に、お父さんと結婚したのに直ぐに死んでしまった事、結婚した事に後悔はないのかと聞いた。すると亜希子は、後悔は全くないと微笑ながらい言ったのである。その微笑を見たみゆきは恋をする勇気が湧くのであった。高校では沢山の男子と恋をする決意をするのである。みゆきは、幼馴染のヒロキくんを筆頭に、高校のステキな男子に思いをはせるのである。あり日そのステキな男子の1人相川くんから告白される。彼は勉強出来ない子は好きじゃないといっていたので、自分は相川(あいかわ)くんの恋人になれないと思っていた。みゆきは嬉しくなり、相川くんに「好きになるように努力する」と答えるのであった。そのころ亜希子は近所のパン屋で働き始める。働いて得たお金はみゆきの結婚資金にするつもりだ。パン屋での仕事は壊れやすい動物パンを扱ったり、食パンをスライスしたりと、キャリアウーマン時代には全くやったことのない分野だった。パン屋の店長は最初、亜希子のキャリアにビビる。手先が器用ではない亜希子は仕事で失敗もするが、彼は彼女の一生懸命な態度に好感を持つようになる。

『義母と娘のブルース』の登場人物・キャラクター

主要人物

宮本亜希子(みやもと あきこ)(旧姓岩木(いわき))

題名の義母とは、この岩木亜希子のことである。会社では部長職に就くバリバリのキャリアウーマンである。しかし仕事を続けるだけの人生を送る事に疑問を持ち、32歳の時、小学生の娘を持つ取引会社の営業マンと再婚する。テレビドラマでは綾瀬はるかが演じる。

宮本(みやもと)みゆき

宮本みゆきは宮本良一の娘。宮本良一は岩木亜希子と結婚したため、岩木亜希子とは義母と娘の関係にある。テレビドラマでは、子供時代を横溝菜穂(よこみぞ なほ)、高校生時代を上白石萌歌(かみしらいし もか)が演じた。

宮本良一(みやもと りょういち)

notizen
notizen
@notizen

目次 - Contents