うちの師匠はしっぽがない（しっぽな）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

CV：山村響、湯浅かえで（ショートムービー）

大阪で一番人気の落語家にして化け狐。上方落語四天王の1人。油断すると本性が出てしまうまめだと違い、完璧な変化の術を使いこなし、狐火などの強力な術を自在に操り、空飛ぶ化け船までも所有する大妖怪。
人間の文明の発展のすさまじさに驚き、いずれそれが自分たち妖怪の居場所も奪うだろうことを察して受け入れているものの、一方で“話術で人を化かす”落語に魅力と手応えを感じて己の誇りと客の笑顔のために寄席に出続けている。

自分自身の師匠との約束により、まめだには「弟子は取らない」と言っていたが、なんだかんだで面倒見がよく弟子想いである。

椿しらら（つばき しらら）

CV：Lynn

東京生まれの若手落語家。外見年齢は人間に化けたまめだと同年代で、時に落語を巡って衝突しながらも友情を深め、ライバルとも親友ともいえる間柄となる。
天才肌の落語家で、物語開始時点ですでに前座を任されている。東京出身なため上方落語特有の方言による表現には苦労しており、日々練習を欠かさない。実家は黒駒一家という極道で、わざわざ上方で落語家を目指しているのも実家に連れ戻されたくないからである。

若頭／らくだ（わかがしら／らくだ）

CV：梅原裕一郎

黒駒組の若頭。本名は不明だが、作中では彼が最初に登場した時に文狐が聞かせた落語の題名から「らくだ」のあだ名で呼ばれている。
ヤクザ者だけあってケンカっ早く、暴力で物事を解決しようと図ることも珍しくない粗暴な人物。過去にしららに救われて黒駒組に入った過去を持ち、その恩義のためにしららを連れ戻そうとしている。一方、しららの「落語家になりたい」という夢を応援したい気持ちも持っているらしく、文狐に持ち掛けられた勝負に敗れた後は、それを口実に様子見を続けている。

椿白團治（つばき びゃくだんじ）

CV：江口拓也

しららの師匠。上方落語四天王の1人。
政府高官の猥談をネタにし続けて投獄される、出所したかと思えばあちこちに作った借金の取り立てで身ぐるみ剥がされるなど破天荒な人物。しららからは落語家としては尊敬されているものの、さすがにこれらの点についてはフォローできず、たびたび鉄拳制裁されている。
文狐の師匠である大黒亭文鳥（だいこくてい ぶんちょう）の実の息子であり、彼女からすると兄弟子の立場。

霧の圓紫（きりのえんし）

CV：竹達彩奈

上方落語四天王の1人。技術はその中でも頭1つ抜けているが、その反動か普段の語り口調は非常にゆっくりで、普通のスピードで会話するにはメトロノームなどでリズムを刻む必要がある。
文鳥に心酔し、自分を差し置いてその弟子となった文狐を憎む。彼女が文鳥との約束を破ってまめだを弟子にしたと聞いた時には、2人まとめて上方落語の世界から追い出そうとした。

恵比寿家歌緑（えびすや うたろく）

CV：石田彰

上方落語四天王の1人。感情表現にかけては右に出る者がいないとされる名人。
文鳥と同世代の落語家で、その子供世代である文狐や圓紫が揉め事を抱えていることには苦々しいものを感じている。

大黒亭文鳥（だいこくてい ぶんちょう）

CV：諏訪部順一

文狐の師匠。物語開始時点で故人。
他人への憎しみを笑いへと昇華させる芸風で知られていたが、“憎悪ありき”の自分の落語に嫌気が差して「弟子を取らない」ことを周囲に宣言していた。しかし住んでいた社を奪われて人間への憎悪に燃えていた文狐と出会い、相通じるものを感じて彼女を弟子にする。
自分の落語への嫌悪感は最後まで拭えず、文狐に「お前は弟子を取るな」と命じていた。

『うちの師匠はしっぽがない』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

アニメCパートには落語の解説が入る

スポーツ、芸能、異世界バトルと、日本の漫画・アニメは様々なテーマを元に作られている。本作『うちの師匠には尻尾がない』は落語をテーマとしているが、正直なところこれは現代においてはなかなかマニアックな趣味である。普段アニメを見ている層からすれば、“良く知らない世界”だというのが本音ではないだろうか。
この点をフォローするため、アニメ版『うちの師匠にはしっぽがない』では、EDが流れた後のCパートを少々長めに取り、そこでその回で取り上げられた落語について解説するというコーナーが設けられている。

『うちの師匠はしっぽがない』の主題歌・挿入歌