オススメの短編4選~ほっこり、もしくはしんみり編~
東日本の大震災のおり、チャリティーコミックとして出版された『僕らの漫画』。27名の漫画化によるこのとっておきの作品集の中から、特にオススメの4短編について紹介します。
『僕らの未来はスカートの中』 信濃川日出雄
〈あらすじ〉
高校の卒業式の日、幼馴染のケンとアカリ。「上京する前に処女を捨てたい」と言うアカリの頼みを聞き入れ、初体験をするため入った小屋には、怪しげな男が一人。
彼は「未来のケン」を名乗り、二人にその場で行為を強要する。仕方なく始めるふりをするが…
『きみの女の子』 ヤマシタトモコ
〈あらすじ〉
結婚を控えた女性と、独身の女性。
幼馴染の二人は公園でパンケーキを焼きながら、「もし生まれ変わったら」についてポツリと話し始める…
恋でも愛でも友情でもない、複雑な友情。本心をポロっとこぼす、独身女性側の心情が切ないです。
『あまのいわと』 和田フミエ
〈あらすじ〉
パチンコ屋でアルバイトをする鹿野は苦学生。弟のために親からの仕送りも途絶え、学校と同時に自身の生活を賄わねばならない日々に、こころが荒んでいた。
そんなある日のこと、常連のお客様の一人がビザが切れて帰国することになり…
大きな意味ある言葉だけが、有名な偉人の言葉だけが、人の視野を広めるわけではない… そんなことを思い起こしました。
『ダンのこと』 さそうあきら
〈あらすじ〉
怒りの感情をコントロールできない青年・ダン。
過敏に周囲からの影響を受けて怒り、悲しむ彼にある日のこと、天職がプレゼントされる…
みんながグッとこらえる心情を過敏に受け取って、大いに発散してしまうダン。ちょっぴり迷惑だけれど、時と場によっては誰かの先導者にもなっている。不思議な希望の湧く作品です。
まとめ
この他にも、思春期、死、精神的な問いを中心とした作品が多く取り扱われている『僕らの漫画』。興味がありましたらぜひ、お手に取ってみてください。