キララ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『キララ』とは、原作者・平松伸二による高校野球とバイオレンスをテーマにした漫画作品で、集英社の『週刊少年ジャンプ』上にて1986年から1987年まで連載された。銀行強盗犯の凶弾を受けて余命わずかとなってしまった天才投手キララが、自分自身の生きた証を残すため、関東一の不良高校・柴虎高校に転校して甲子園出場を目指すバイオレンスな展開が満載の破天荒な野球漫画。連載当時は全14話で打ち切りとなってしまったが、リイド社より2021年3月に『新装版 キララ』が刊行されている。

イガグリ頭にメガネの優等生。柴虎高等学校野球部の1年生でポジションはキャッチャーで、弛まぬ練習によってキララの豪速球を受け止めるようになる。野球好きの真面目な少年であるが、まともに野球に取り組まない野球部に失望して退部を申し出たためにリンチを受けていた。磔にされていたところを転校してきたキララに助けられた。その後キララに憧れを抱き、一緒に甲子園を目指すことを決意した。

座門 寅次郎 (ざもん とらじろう)

柴虎高等学校野球部主将でポジションはファースト。頭は弁髪でリボンをつけている。大柄な体格と並外れた怪力を誇る。転校してきたキララに制裁を加えようとするが敗れた。その後赤木に説得されて野球部に復帰する。

本田 今日子 (ほんだ きょうこ)

柴虎高等学校に通う一年生で、キララや山田のクラスメイトでもある女子高生。男にも負けない強気な性格である。帝城高校から同じクラスに転校して来たキララに一目惚れし、四六時中そばにいたいがためにマネージャーとして野球部に入部を決意した。メンバー不足をカバーするため、9人目の選手として加入。9番ライトのポジションで竜国高校との対抗戦に出場した。

『キララ』の用語

サイコロ賭博

柴虎高校野球部では、部室で部員によるサイコロ賭博が頻繁に行われている。キララが無理やり参加させられた際、キララは振られるサイコロの目をぴたりと当てて先輩たちをやり込めた。怒り狂う先輩に、キララは「つぼにはいる瞬間のサイコロの目、つぼの動き、それにあわせてサイコロがどんな回転をするか……それを計算していっただけさ!」と言い放った。

竜国高校野球部 (りゅうこくこうこうやきゅうぶ)

ワル揃いの高校で、特に野球部員は高校生とは思えないほど悪党な外見である。柴虎高校野球部とは毎年対抗戦を行っているが勝負は圧倒しており、今年も勝利すると柴虎野球部は廃部となる。バットを投げつけたり、包帯で走塁妨害をしたり、頭部を狙ってビーンボールを投げたりと、勝つためには手段を選ばないラフプレー野球を信条としている。試合中にキララに毒針を打ち込むという卑劣な行為を行った。

柴虎高等学校 (しばとらこうとうがっこう)

関東一の不良高で、最底辺と言われている高校。奈美に影響されてマイナスからのスタートを切るために、キララがあえて転校して来た高校。校舎のガラスはほぼすべて割られており、授業を聞く生徒もほとんどいない。特に野球部は筋金入りのワルがそろっていて、野球部員たちは野球をしている形跡はなく、ケンカやリンチ、サイコロ、麻雀、花札などのギャンブルに明け暮れ、バットには日本刀を仕込んでいる。キララに理不尽な入部テストを課したがキララがクリアしてしまうと、理不尽にも日本刀で斬りかかった。

『キララ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

森田「やつの命はあと数年だというのかー!?」

奈美を助けようとして、銀行強盗の大久保に撃たれたキララ。すぐさま病院に搬送されたが、キララの胸には摘出できない弾丸が残ることとなり、そこから毒が少しずつ滲み出て体内を蝕んで数年後に死に至ることが判明した。その際に森田刑事は「やつの命はあと数年だというのかー!?」と叫んだ。この事実をキララは知らされていないが、キララの生き急ぐ姿を決定づける重要なセリフである。

キララ「いざとなったら対抗試合はふたりだけで戦うさ!」

リンチを受けていた山田を助け出して、竜国高校との一戦を目指すことになったキララ。無茶な練習を続ける2人に対して野球部マネージャーであり、クラスメイトの本田今日子が「残り7人のメンバーを集める方が大事じゃないの~!!」と言う。それに対してキララは「いざとなったら対抗試合はふたりだけで戦うさ!」と力強く宣言する。野球に対するキララの覚悟と自信がわかるセリフである。

キララ「おかしなもんだぜ…毒をもって毒を制すってやつかな…おれの体の中の毒が針の毒をだんだん消してきやがった」

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