主演のミラ・ジョボビッチも今より若いです。
そしてところどころから若干B級映画な香りがします…
そう、第一作目の頃はまだ映画としてはお茶の間で知られる大注目の大作というわけではなく、むしろ一般的なハリウッドアクション映画の半分以下の製作費しかなかった低予算映画でした。
巨大医薬品企業アンブレラ社が極秘に作ったウイルスが漏れて研究所内で大感染、事態収拾に来た特殊部隊がゾンビ化した研究員に襲われるというストーリーです。
製作費の少なさから現場では苦労が続いたようで、研究所のセットを作るお金がなくて古い地下鉄駅を施設に見立ててロケをしたり、背景の一部を作るお金が足りなくて研究所のごちゃごちゃした設備を段ボールでそれっぽく作ったり、ゾンビのエキストラを雇うお金が足りずスタッフの友達を集めてしまいにはミラ・ジョボビッチのマネージャーまで駆り出されたり…と、手作り感溢れる舞台裏のエピソードがあります。
監督たちの涙ぐましい努力のかいあって映画はゾンビ映画としては異例の大ヒットを記録し、続編が作られることになります。
このように、バイオハザードは正統派ゾンビホラー映画としてスタートしました。
2作目です。
前作の研究所からゾンビが逃げ出し、、研究所のある都市内で感染が拡大。さらなる拡大を防ぐために元凶のアンブレラ社によって封鎖された街から生存者たちが脱出しようとするお話です。
見るからに前作よりスケールアップした話になっています。
前作の生き残り、主人公アリス(ミラ・ジョボビッチ)はゾンビウイルスが体内に入ってもゾンビ化せず、逆に突然変異で人間離れした身体能力を手にした…と、若干SFっぽい設定も入ってきますが、この頃もまだゾンビ映画、ホラー映画の色が強いです。
3作目。とうとうアリスが超能力まで使えるようになりました。
ウイルスが地球全体に広まって、わずかに生き残った人々が各地に点々といるのみ、という設定。
前半は砂漠化したアメリカでアリスや生存者たちがゾンビと戦いながらサバイバルする、という正統派「ゾンビ映画」をやっている感があります。まだ。
しかし終盤、アリスがボスキャラと超能力をぶつけ合って戦う様はもはやゾンビ映画の枠を超えているように見えます。X-メンとかスーパーマンとかの類になってしまったアリス。
だいぶゾンビ映画から離れてきました。
冒頭からアリスが自分のクローンを大量に率いてアンブレラ社の地下基地を襲撃します。ミラジョボビッチが何十人も出てきます。敵のボスキャラは瞬間移動します。
もはやSFアクション映画です。アベンジャーズとかの仲間に入れるべきです。
リアル感、現実っぽい雰囲気はかなり影を薄め、現実ではありえない近未来的な描写が多くなります。そもそもいくら大企業だからって世界が崩壊してるのに自分たちだけあんな豪華な秘密基地があるわけないじゃん。日本でいうと〇ケダ薬品が実は巨大基地と自前の軍隊を持ってるようなもんです。
しかしSF映画だと思ってみるとこれはこれでなかなか面白いです。派手なアクションシーンやCGが満載です。低予算映画だった当初と比べるとずいぶん変わりました。
ドラマ「プリズン・ブレイク」の主演のお兄さんも出てきます。
前作よりさらに巨大な基地が出てきます。
アンブレラ社の研究施設につかまってしまったアリス。アンブレラ社がウイルスの効果を実験するためのゾンビがあふれる人工の街(東京、モスクワなど)を彼女がくぐり抜け、脱出を図るというお話。
1ステージずつクリアしながら進むという、ゲームを連想させるストーリーです。
色々な都市を模したこんな大規模な実験場なんて、アメリカ軍だって持ってないでしょ。
これまでのシリーズに登場した人気キャラ(もう死んじゃった人たち)が、クローンという形で再登場する、ファンには嬉しい展開もあり。
SF感あふれる非現実的な舞台でド派手な戦いが繰り広げられます。もう立派なハリウッド大作です。