メソポタミア地域の遺跡からみる有史以前の文化発展の歴史!農耕・会計・動物の家畜化などの起源を紹介
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人類発展の起源は、メソポタミア文明から始まったものだと考えられている。メソポタミア地域には多数の遺跡群が残っており、そこから発掘されたものから、文字を使用する以前の人類がどのように文化を発展させていったのかを推測することができるのだ。記事中では農耕・会計・土器・都市の発展・動物の家畜化などの起源を、発掘された遺物の画像とともに解説している。
ウバイド期(紀元前5000年 - 紀元前4000年)は都市化の始まりの時期にあたる。農業や家畜の飼育が定住性の集落で広く行われ、北はアナトリア、南はザグロス山脈に至るまで動物の飼育の試みがみられる
出典: ja.wikipedia.org
灌漑農業の導入による農業の飛躍的発展、車輪の導入、銅器時代などがウバイド期に始まっている。
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まだ文明とも呼ばれない時代に、文化の大きな発展があったようです。
この文化特有の土器は、黒や褐色で幾何学模様を彩色された、黄褐色や緑がかった色の彩色土器である。
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このウバイド文化は、土器の特徴から4つの時期に分けることができます。
ウバイド期は1500年ほどつづき、その影響は地中海からペルシア湾、イラン高原にまで及んでいた。
▼ エリドゥ期
ウバイド1期、またはこの時期の遺跡の発見地にちなんでエリドゥ期(紀元前5300年 - 紀元前4700年)は、文化の広がる範囲はまだイラク南部の、当時のペルシャ湾の海岸線付近にのみ限定されている。この時期は北のサーマッラー周辺の銅器時代サマラ文化と強いつながりを持ち、年平均降水量120mmの限界線よりも南の乾燥地帯に最初の恒久的な集落が築かれた例となっている。
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最古の文明シュメールの祖先ともされるウバイド文化ですが、他の文化から影響を受けているようです。
エリドゥ遺跡
エリドゥは古代メソポタミアの都市、又はその都市を拠点とした国家。ウルから南東方向に約10キロメートルの距離にある。シュメールおよび南部メソポタミアの都市国家郡の南端に位置し、数多くの寺院がある。
エリドゥ遺跡は今ではユーフラテス川の南の砂漠に位置しているが、古代にはその支流の一つが遺跡のわきを流れていた。この遺跡は水の神、エンキ信仰の重要な宗教センターとなっていた。
どうやら最古の文明とされるシュメール文明が興る頃には神話ができていたようです。
ここでみつかる暗色彩文土器はエリドゥ式と呼ばれており、10くらいの遺跡でしか出土していない。
ちなみに、エリドゥ(Eridu)が『earth』の語源という説があります。始まりの町の名前が大地や地球の名前というのは興味深い。
▼ ハッジ・ムハンマド期
ウバイド2期、または標式遺跡にちなんでハッジ・ムハンマド期(紀元前4800年 - 紀元前4500年)では、大きな集落を中心に運河網が広く張り巡らされるようになった様が見て取れる。チョガ・マミ(Choga Mami, 紀元前4700年 - 紀元前4600年)では灌漑農業の跡が発見されており、この時期開発された灌漑手法は速やかに各地に広がった。
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この頃には本格的な灌漑が行われるようになったようです。メソポタミア地方は雨水に頼った農業ができる場所が限られていたため、灌漑技術が発達したようです。
ウバイド2期にはハッジ・ムハンマド式土器が使われ始める。この土器はほぼ器表全面に色が塗られていて、逆に模様の部分がそのままにしてある。
▼ 3期および4期
ウバイド3期および4期(紀元前4500年 - 紀元前4000年)では急速な都市化が見られ、文化の範囲も東方のザグロス山脈方向、南方のカタール等ペルシャ湾岸方向、北方のメソポタミア北部方向へと伸び、北ではハラフ文化に置き換わっていった。またウバイド文化の遺物は地中海沿いのシリアなどでも見つかっており、交易網が伸展していたことがわかる。
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また、この頃にはジッグラトのような建造物が建てられたようです。
ウバイド3、4期になると、新しい単調な彩文土器が使われるようになった。
この文化はメソポタミア南部の沖積平野での最古の文化で、紀元前6500年ごろからメソポタミアに広がり始め、紀元前4000年ごろから始まるウルク文化へと引き継がれた。
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ウバイド文化が発生したのはメソポタミア南部の下流域。有史以前には段階的に様々な文化が生まれ、それを継承していきました。
ここから世界で初めての文字が生まれ、歴史や神話が語られていきます。彼らについて多くを知ることで、メソポタミア文明やその中のシュメール文明、さらには人類そのものについて理解が深まるかもしれません。