30年経ってなお人気の「魔界都市」シリーズの魅力まとめ
1986年4月から刊行され670万部を売り上げ、今現在も続く菊地秀行氏の「魔界都市」シリーズ。長きに渡りファンを離さない魅力のキャラと世界観を覗いてみましょう。
1986年「魔王伝」刊行
短編は少し前に出ていますが、長編で「魔界都市」の根幹となるストーリーは、この「魔王伝」(全3巻)です。
「魔界都市」とは?
「魔界都市」とは、198X年に東京の新宿区のみで発生した超大型直下型地震(後に魔震「デビル・クエイク」と呼ばれる)により、接する区との境界線で寸断され孤立した街となってしまった新宿の名称です。
魔震後の新宿は、魑魅魍魎が跋扈する不可思議な世界となってしまい、あらゆる場所で怪奇現象が発生します。
そこへ集まるのは脛に傷を持つ犯罪者やヤクザ、魔術を取り扱う者、吸血鬼、人体改造した者など様々。警察や軍隊も介入出来ない治外法権区域となってしまいます。
他区への流出(流入)を食い止める為に、出入り出来るゲートは3ヶ所のみとして、厳重に出入りが管理されています。
この設定からして、斬新でした。
ガイドマップまである
熱烈なファンの方が多く「魔界都市」のガイドマップまで作成されてます。
素晴らしい完成度ですね。
主役の青年が超絶美形
主人公の「秋せつら」。とにもかくにも、壮絶な美形です。
「影さえも美しい」と称されるせつらの美貌は、一度まともに見てしまうと頭が真っ白になり気絶者続出、呆けたまま2~3日座り込む者多数の半端ないレベルです。
画家がその美貌をカンバスに写そうと執念を燃やしても成しえませんでした。「絵にも描けない美しさ」とはこのことでしょう。
そんな美形の職業は「煎餅屋」です。
美貌の主が経営する「西新宿の煎餅屋」は「魔界都市ガイドマップ」に載るほどの人気店です。が、店主が店に出ると失神者が出るの(また茫然自失となるので売上が減る)で滅多に出てきませんが。
副業にやっているのが「マン・サーチャー(人探し屋)」で、特殊なチタン合金の糸(妖糸と呼ばれる)を自在に操って捜査を進めます。
もうひとつの魅力は「二重人格」でしょうか。
秋せつらは普段は茫洋としており、六畳間のリビングの炬燵に座り、おっとりと手焼きの煎餅(好物は「品川巻き」)を食べていますが、危機に陥ったり激怒した時には別の人格「私」が現れます。(普段は「僕」)
これがまた凄絶に冷酷で美しい。容赦なく人間の首を跳ね、身体を切り刻みます。
そのギャップに惚れているファンが多数います。
小畑健がイラスト担当したことも
デスノートで人気を博した小畑健氏が表紙や挿絵を担当したものもあります。
他のキャラも美形揃い
主役のみならず、登場人物はハイレベルな美貌が多く登場します。
「魔界医師」と呼ばれる常に白いケープを纏った医者「Dr.メフイスト」。
せつらには「藪医者」と呼ばれていますが、死んでさえいなければどんな患者も救えるスーパー医師。
せつらと並ぶ超絶美形で、男女問わず一瞬で腑抜けにします。
女嫌いで「私」のせつらに惚れています。
チェコ随一の魔法使いガレーン・ヌーレンブルグによって製作された「人形娘」。
金髪に青目の美形ドール。骨は真鍮で出来ており、非常に頑丈。
魔法使いに製作されただけあって感情があり、せつらに淡い恋心を抱いている。
戸山住宅に本拠を構える吸血鬼の長「夜香」。
ロンドン帰りの中国系の端正な美貌。
スピンオフが多数
上に紹介したキャラは人気が高く、個別に主役として作品が生み出されました。
それ以外のキャラも、小説になったりしています。
「魔界都市」はスピンオフ作品が他にも多数出ています。