モンスターに襲われた日本を舞台にした日常系?「サイハテの聖衣」
人気作家・三雲岳斗氏の「知る人ぞ知る」作品がこの「サイハテの聖衣」。日本がどんな危機的状況にあっても、主人公たちが日本を襲うモンスターたちとの戦いの最前線にいるとしても、やっぱり「女子高ノリ」の日常はあるわけです。戦闘ではなくヌルめの日常にスポットを当てた一風変わった作品で、緊迫した戦闘に疲れた人にとっては「箸休め」になりそうな独特の出来になっているのがポイントです。
人気作家の「知る人ぞ知る」作品
三雲岳斗氏といえば最新作の「ストライク・ザ・ブラッド」をはじめ、堅実にヒットを積み重ねているライトノベル作家のイメージがありますが、「知る人ぞ知る」といった感じの作品も結構あります。そのうちのひとつがこの「サイハテの聖衣」(作・三雲岳斗、イラスト・朱シオ)です。
どんな危機でもノリはヌルい「日常系」
舞台設定は未来の日本。「禍憑妃」と呼ばれるモンスターたちに九州地区は占拠されており、そのモンスターたちの力を封じ込めた兵器「聖衣」を操る少女たちが戦いを繰り広げる…という物語のアウトラインを書くと、なんか凄く格好いいバトルものに見えます。
ところが実際のノリは、「聖衣」を操る少女たちの一見ヌルそうな日常を描くのがメインで、戦闘はどちらかというと脇に追いやられ気味。付け加えれば、男性キャラクターは基本的に登場しません。危機的状況の中でも「日常」が存在するというのは、ある意味当たり前のことかもしれませんが、最初は「何この女子高ノリ」と面食らうかもしれません。
緊迫バトルに疲れた人の「箸休め」に
ヒロインの1人に病弱少女がいて、体を治そうとしているうちに薬の調合技術を身に着けたという設定なのですが、問題はその調合した薬です。「解熱剤」ならぬ「解熟剤」、「頭痛薬」ならぬ「痛頭薬」、「鼻炎カプセル」ならぬ「爆炎カプセル」…なんかロクでもなさそうな名前です。実際ロクでもないのですが。
まあ、こういうノリのお話だと思ってもらえれば間違いないでしょう。バトル物の緊迫に疲れた人の「箸休め」にいいかもしれませんね。