残酷な不条理絵本作家、エドワード・ゴーリーの世界

エドワード・ゴーリーは「世界一残酷な絵本作家」として知られている。不気味な世界観や作風だけでなく、不条理で残酷な物語は決して子ども向きではないが、世界中に多くのファンがいる。日本にも多くのゴーリーファンがおり、作品展が定期的に開催される。

エドワード・ゴーリーとは

Edward Gorey

1925年2月22日 - 2000年4月15日

陸軍への入隊や、ハーバード大学への進学(フランス文学専攻)などを経て、イラストレーター、絵本作家として活躍。
1977年には、ブロードウェイの舞台『ドラキュラ』のセットと衣装デザインを担当し、トニー賞を獲得している。

絵本という体裁でありながら、道徳や倫理観を冷徹に押しやったナンセンスな、あるいは残酷で不条理に満ちた世界観と、徹底して韻を踏んだ言語表現で醸し出される深い寓意性、そしてごく細い線で執拗に描かれたモノクロームの質感のイラストにおける高い芸術性が、「大人のための絵本」として世界各国で熱心な称賛と支持を受けている。

出典: ja.wikipedia.org

1965年に明るみに出た「ムーアズ殺人事件」。イギリスで二人の男女が4年にわたり5人の子供を残虐に殺して荒野(ムーア)に埋めていた事実が明らかとなった。「もう何年も本の中で子供たちを殺してきた」と自ら言うエドワード・ゴーリーが、この現実に起きた悲惨な事件によって心底動揺させられ、描いたのが本書である。

出典: d.hatena.ne.jp

ゴーリー作『おぞましい二人』は、実際に起きた殺人事件をモチーフに描かれている。

これぞゴーリーか。まったく救いのない世界。被害者に救いがなければ加害者にも救いがなく、社会にも救いがない。

出典: book.akahoshitakuya.com

上記『おぞましい二人』に対するレビュー。

とにかく不気味で不条理...。大人向けの絵本の数々

出典: www.goreystore.com

『ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで』

The Gashlycrumb Tinies: or After the Outing (1963年)

出典: neveryetmelted.com

アルファベット順に子供たちが死んでいくだけの絵本。
淡々とした語り口で、そこに感情めいたものは一切感じられません。

『A is for Amy who fell down the stairs』
(Aはエイミー かいだんおちた)

※画像クリックでページがめくれます

『うろんな客』

The Doubtful Guest (1957年)

出典: design-newyork.com

誰も知らない、奇妙な生物がいつの間にか家族の輪に入っている。
その生物はいたずらをしたり、わけのわからない行動をしたり。一体この生物の正体は...?

この謎の生物はファンの間で人気がとても高く、人形も制作されたんだそう。

『不幸な子供』

Hapless Child(1961年)

少女シャーロットを主人公としたストーリーもの。
裕福な家庭で過ごしていた彼女だが、突然の両親の死を境に彼女の人生は大きく変化していきます...。

『おぞましい二人』

The Loathsome Couple(1977年)

前述の通り、実際に起きた残虐な殺人事件をモチーフにした作品。
犯人の二人を主人公のモデルにしており、その、あまりにも悲惨な内容に非難が殺到。書店には返本が山と積まれたという。

そんなゴーリーの作品展が今年も東京で開催!

濱中利信コレクション 「エドワード・ゴーリーの世界」

【期間】2014.12.2 ~ 2015.1.10
【会場】ヴァニラ画廊
(東京都中央区銀座八丁目10番7号 東成ビル地下2F)
【料金】1,000円
(特製パンフレット付き)

http://www.vanilla-gallery.com/archives/2014/20141202ab.html

ヴァニラ画廊は、昨年に続き、世界各国でカルトな人気を得ている絵本作家エドワード・ゴーリーの作品展を開催します。

出典: www.vanilla-gallery.com

2回目となる今回は、ゴーリーの「本作り」にスポットを当ててまいります。

出典: www.vanilla-gallery.com

ゴーリーは、自身の作品で様々な試みを行っています。飛び出す絵本や、パノラマを覗き込むようなもの、パラパラ漫画や、分割されたページを組み換えることで何百通りのストーリーが楽しめるもの…様々な「仕掛け」を施した作品をご紹介します。同時に、ゴーリーが手がけた他作家の本のジャケット画をご紹介し、画家、タイポグラファー、そしてブックデザイナーとしてのゴーリーの魅力をご覧戴きたいと思います。

出典: www.vanilla-gallery.com

kurisho624
kurisho624
@kurisho624

目次 - Contents