DECO*27(デコ・ニーナ)とは【徹底解説まとめ】

DECO*27とは、2008年からニコニコ動画・YouTubeにてボカロ曲の投稿を行っているボカロPである。2010年メジャーアルバム『相愛性理論』をリリースし、メジャーデビューをはたす。人間のボーカリストとのコラボも多く行っており、バンドやユニットの結成、活動も行っている。
思春期のリアルな感情を独特な言葉遊びで表現した歌詞が10~20代の若者達の心を多く掴む。「愛言葉」や「モザイクロール」とボカロ界を代表する名曲も輩出しており、ボカロを語る上では外せない人物である。

DECO*27が立ち上げたクリエイターチーム「OTOIRO」がMV制作を担当した1曲。
まるで漫画を読んでいるようなアニメーションMVとなっており、その歌詞も登場人物の少女の台詞のような表記がされるなど、徹底的に「漫画」としての表現にこだわり抜かれた内容となっている。その為、MVと組み合わせて聴く事で、楽曲に隠された真相を知ることができ、そのさまはMV/楽曲の一蓮托生ソングともいえよう。

セカイ

セガとCraft Egg、そしてColorful Paletteの3社が共同制作をしたソーシャルゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」のテーマソング。本作には他にもテーマソングが存在しており、この楽曲は初音ミクverのテーマソングとして制作されたものとなっている。ゲームストーリーに深く関わってくる「セカイ」をテーマとした、爽やかなバンドサウンドが特徴的な1曲となっている。
尚この楽曲は、「六兆年と一夜物語」や「拝啓ドッペルゲンガー」で有名なボカロP Kemuとの共同制作曲であり、大人気ボカロP達による夢のタッグソングとして多くのボカロファンを歓喜させた。

DECO*27の名言・発言

作品の中に自分の世界を作るっていうのが、僕は一番好きなんですよね。

カルチャーニュースサイト「CINRA」にて2012年7月26日に掲載されたDECO*27のインタビュー記事での発言。

2012年というのは、DECO*27の活動歴の中でも多くの様々な挑戦がなされていた年だと言えよう。このインタビューでは、そんな活動絶頂期の最中にあったDECO*27に注目をし、改めてその音楽活動の軌跡を振り返るような内容のものとなっている。
そのなかで行われた「自分が前に出る形と、プロデューサーとして後にいる形だと、どちらが理想か」という問いに対して、DECO*27は「プロデューサーですね」と返答している。その際にそう答えた理由として「作品の中に自分の世界を作るっていうのが、僕は一番好きなんですよね。」と彼は続けた。
曰く、まずなによりも、今以上に多くの人々に自分の音楽を聴いて貰いたいという考えが、自分の中にあるのだという。「制作はもう生活の一部みたいになってるんですよね。それをやらないと自分を保てないっていうぐらいのレベルで」とも語っており、活動初期から続いた驚異的スピードによる活動展開は、このような彼の思考から生まれたものだったのかもしれない。

僕も歌詞を書くときは、「遊び心は忘れないようにしたい」と思っていますね。

総合カルチャーサイト「Real Sound」、2019年5月14日掲載のDECO*27インタビュー記事での発言。

6th アルバム『アンドロイドガール』リリースに際して行われたインタビューであり、アルバム3曲目の「スクランブル交際」についての話が問われた際に発言された一言だ。
DECO*27曰く、「スクランブル交際」は過去彼が作りあげた楽曲「チャンバラジョニー」と「罪と罰」、この2曲の雰囲気を合わせたらどうなるか、と思い至り制作した楽曲とのこと。「チャンバラジョニー」は非情にリズミカルなメロディーに言葉遊びが豊かな歌詞の楽曲であり、「罪と罰」は「ちょっと刺激の強い、ヤンだ感じのミクサウンド」というのが特徴的な楽曲となっている。「スクランブル交際」は、その両作の特徴が混ぜこぜにされ、リズミカルでヤンだミクサウンドの恋愛曲に仕上げられている。
その中でも、楽曲最後の歌詞「じっとしてって言っといたじゃん」は、ORANGE RANGEのような雰囲気を出したかったとのこと。ORANGE RANGEはDECO*27の大好きなバンドであり、曲も歌詞も楽しんでいることが伝わってくる、そんな彼らのような楽しむ心を自分も忘れてはいけないと思っていることが、同記事内でも語られている。
DECO*27の柔軟な発想で作られる、独特言葉遊びの歌詞が、どのような考えの下で作られているか、垣間見られる一言と言えよう。

自分が懐かしく感じるものって、新しくVOCALOIDを聴き始める子たちにとっては、ホント新しいんじゃないかなって。

5thアルバム『GHOST』の完成に際し、音楽関係のニュースを扱うサイト「音楽ナタリー」にて行われたDECO*27のインタビューにての一言。完成したばかりの『GHOST』に迫るインタビュー記事となっており、この一言はニコニコ動画・とYouTubeにて先行公開された楽曲「ゴーストルール」についての質問が行われた際にDECO*27が述べたものとなっている。

公開してすぐさま100万回再生を突破した「ゴーストルール」。この楽曲は、DECO*27が中学生くらいの頃に聴いていたものを基に制作した楽曲であることが同記事内で明らかにされている。さらにはMVの内容も動きのない1枚絵のみ、と、初期のボカロ界隈でよく見られたMVの構造で作られたものとなっている。自分が懐かしく思うものを作ろうと意識した結果、このような形の仕上がりになったのだそう。
DECO*27にとっても「ゴーストルール」がここまで大ヒットすることになるとは思っていなかった模様。そのことも重なり、自分が懐かしく感じるものが、新しくVOCALOIDを聴き始める子たちにとっては新しいものなのではないか、という考えに至ったようだ。日々、新しい発想と遊び心で曲を作ろうとする、強いポテンシャルがある彼だからこそ至ることの出来た結論なのだろう。

DECO*27の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

DECO*27の名前は、額の広さと好きな数字から生まれた

様々な名曲を生みだしてきたDECO*27。そんな彼のボカロP名は、実は彼自身の額に由来する。自身の額が広いことをモチーフとし「DECO」という名を生み出したのだという。

そこに自身が好きな数字の2とラッキーセブンの7を付け足して「DECO27」としたのが当初の案だった。が、それだけではどこかしっくりこず、「*」を追加。

そうして「DECO*27」の名が生まれたのだという。

人気がボカロ自体の売り上げにも影響した楽曲「モザイクロール」

いくつもの人気曲、名曲を輩出してきたDECO*27だが、その中でもひときわ大きく界隈に影響を及ぼした楽曲がある。それが2010年7月15日に公開された楽曲「モザイクロール」だ。

DECO*27の代表曲としても名高いこの名曲。なんと楽曲の公開を行ってから、32時間40分という驚きのスピードで殿堂入りを果たすこととなる。以降も、そのスピードが失われることはないままに、公開翌月8月10日にミリオンを達成。当時のボカロ界では、2番目に早い時間でのミリオン達成楽曲となった。11月には、ダブルミリオンを達成。翌年2011年3月にはトリプルミリオンをはたし、2018年12月、ついに1000万再生を突破する。GUMI歌唱オリジナル楽曲が1000万再生を越えたのは、これが初の事である。

このことが起因し、GUMIへの注目度が一気にアップ。GUMI自身の売り上げを大幅にあげる事となった。音楽の域を越え、市場そのものに影響を及ぼすまでとなったこの出来事は、DECO*27の非凡な音楽センスがもつ影響力の凄さを認識させられるエピソードといえるだろう。

tw-8311353766810296330
tw-8311353766810296330
@tw-8311353766810296330

目次 - Contents