魔女の心臓(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『魔女の心臓』とは、『ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。』などの代表作を持つmatobaによる日本のファンタジー漫画作品である。スクウェア・エニックスのウェブコミック配信サイト『ガンガンONLINE』にて、2012年から2016年まで月刊連載し、コミックス全8巻で完結済み。美しく儚い雰囲気の作画と、ゴシックファンタジーなストーリーが作品の魅力。心臓を失くして不老不死となってしまった少女ミカが、魔女として自分の心臓と死を求めて旅をする物語が描かれている。

偉大な魔法使いローリスの弟子となった青年。非常に不器用だが心優しく真面目な性格。元々は流行り病で倒れたところをローリスに助けられ、身寄りを同じ病で失ったためにそのままローリスに引き取られて育った。ローリスのようにいつか人々を助けられる魔法使いになることが目標。ローリスの死後はミカを新たな先生と仰いで旅に同行する。
薔薇の鏡に住む魔性の女性に呪いをかけられたことで鼠の姿に変えられてしまっていたが、女性を退治し、やがてその呪いは解ける。

精霊や人間以外の登場人物

ニナ

双子の姉のミカの死を恐れるニナ。

ミカの心臓を持ち去った双子の妹。内気な性格であり、姉のミカのことを誰よりも慕っている。ミカの心臓を持って逃げていたのは、本当はそうすることでミカの命を少しでも永らえさせたかったから。母親のリサから先読みの力を継承しているのと同時に、体内に湖の妖精であるロルロージュを宿したことで人ならざる力も持ち合わせている。

ロルロージュ

第40話「記憶の海」で双子を妊娠したリサ(画像中央)に寄り添うロルロージュ(画像上下)。

魔女の心臓の血液を名乗る中性的な人物。実はミカたちの故郷にある湖の妖精であり、過去から未来までを見通し永遠に生まれ変わりを繰り返す存在。巫女のリサがお腹に宿した双子の娘たちの安産を願ったことから、彼女と娘たちのために自身の今生の力を使うことを決める。いつどこにでも現れるというより、いつどこにでもいるような存在であり、時々ミカのピンチに駆けつけて助け出したりすることもある。

旅の途中で出会った人物

ヴィオティーテ

ミカの前では素直になれず、騎士のオーギュスト(画像右側)に諭される黒髪の王女ヴィオティーテ(画像左側)。

とある国の王女で、まだ14歳の少女。湿地が多く陽当たりの良くない国で貧乏なため、よりよい産業を探して旅をしている。武器は葦を刈るための葦苅鎌を扱い、なかなかの使い手。勝気で素直ではない性格をしており、ミカのことを慕いながらもそれを正直に表現できない。

オーギュスト

幼い王女のヴィオティーテ(画像右側)に仕える騎士のオーギュスト(画像左側)。

ヴィオティーテに仕える騎士。彼女の理解者であり保護者でもある。ヴィオティーテの家系が短命なのを儚んでおり、かなり過保護で心配性。つい彼女を甘やかしてしまうが、短命だからこそ彼女が人生の中で望みを叶えられるように寄り添い見守るのが自分の使命だと考えている。不死の魔女と薄命の王女という正反対の運命でありながら、過酷な人生を生きる2人にはどこか似通ったものを感じている。

サッシェ

ヴィオティーテ(画像左側)と共闘する歌い手のサッシェ(画像右側)。

60年前にミカと数日間だけ一緒に旅をしたことがある女性、ミシェルの孫娘。ミシェルは旅一座の元締めで、昔は亜麻色の髪をした歌い手だった。サッシェは現在の歌い手を引き継いでいる。明るく活発な性格で、祖母譲りの美しい歌声を持っている。

『魔女の心臓』の用語

コミックス7巻の表紙で旅の最終目的地に近づく船の前に立つミカ。

境界(あわい)の魔女

ローリスの塔内で魔女の力を使って戦うミカ。

境界(あわい)というのは生と死の境目に位置する存在という意味。魔女というのは、双子の妹に心臓を奪われて不老不死になったミカのことを指す。
境界の魔女は500年間もの長い時間を、自分の心臓とそれを持つはずの妹を探し求めて旅を続けている。魔女といっても魔法使いというわけではなく、博識な面や不死であるという特性によってそのように呼ばれるようになっていったようだ。ただし非常時には、心臓のない空の胸の中から出る液体を自在に操って戦うこともできる。

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