お結び(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『お結び』とは2020年4月25日に公開された日下部一製作によるフリーゲーム。ジャンルはマルチエンディング型和風ホラーゲームで操作キャラクターの選択によって5種の結末が用意されている。主人公・日向子には、幼い頃近所の森で迷子になった時、自分が落としたお弁当を届けに来てくれた不思議な存在におむすびを分け与えた記憶があった。時が流れ高校生になった日向子は、車に轢き逃げされて迷い込んだ天国と地獄のはざまの世界・辺獄で、一茶と名乗る不思議な男と出会い、彼の力を借りて現世へ帰る為の冒険を繰り広げる。

日下部一のTwitterで公開された日向子・一茶・志鶴のイラスト。

製作者・日下部一のTwitterには日向子・一茶・志鶴はじめ本作に登場するキャラクターのイラストが多数アップされており、白い鳥居の前に佇む日向子のヴィネット風ドット絵、一茶にお姫様抱っこされて赤面する日向子、タンクトップの日向子と黒シャツにアポロキャップの現代風ファッションでキメた一茶の2ショットなどが見られる。

『ゲームマガジン』公式サイトトップ画像のマップにて、『お結び』は鳥居と民家のアイコンで表示される

ゲームマガジン公式サイトトップの画像。

無料配布のフリーゲームを専門に扱うサイト『ゲームマガジン』公式ホームページのトップには、殿堂入りを果たした人気作のアイコンを組み込んだマップが表示されるが、『お結び』は作中にて辺獄への入口とされた白い鳥居と民家のアイコンで表される。一軒家の外観は日向子の祖母・絹が天界で住んでいた家に近く、日向子にとっての祖母の存在の大きさを暗示する。なおアイコンをクリックすると各作品の公式サイトに飛べる仕様になっている。

第二回ゲームマガジン新人大賞受賞の理由は主人公の日向子がただのキレイでカワイイ女子ではないから

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日下部一のTwitterにアップされた日向子のイラスト。鈍くさくても一生懸命頑張るぽっちゃり女子が審査員の支持を集めた。

本作は第二回ゲームマガジン新人大賞を受賞したが、その最大の理由に挙げられたのが主人公の日向子がただのキレイでカワイイ女子ではなかったからというもの。ぽっちゃり体型で鈍くさい日向子は、運動音痴で走れないように設定されており、すぐ背後に迫る敵から必死に逃げるスリルが味わえる。他にも太っているせいで壺に入れず、体型にマッチする正解の壺を探し当てないとタイムリミットが来て敵に見つかるなど、ぽっちゃり体型であることにちゃんとゲーム上の意味を持たせた点が評価された。

金色の赤ちゃんと金色の女神の元ネタは鬼子母神

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本作に登場する金色の女神と金色の赤ちゃんの由来は仏教を守護する夜叉で女神ヤクシニーの一尊、仏教における鬼子母神とされる。
鬼子母神はもともと夜叉毘沙門天(クベーラ)の部下の武将八大夜叉大将(パーンチカ)の妻で、500人の子宝に恵まれたが、我が子を育てる栄養をとる為に人間の子をさらっては貪る、極悪非道の行いをしていた。
その悪行が目に余った釈迦は彼女の最愛の末子ピンカラを拉致し、乞食が托鉢に用いる鉢に隠す。彼女は半狂乱となって世界中を7日間捜し回り、最後に釈迦に縋ったところ、「多くの子を持ちながら1人を失っただけでそれだけ嘆き悲しむのなら、ただ1人の子を失う親の苦しみはいかほどか」と諭される。鬼子母神が悔い改めると釈迦は子を戻し、以来彼女は子宝・安産・豊饒を司る女神として崇められるようになった。末子が壺に隠れたのは、このエピソードになぞらえたもの。

『お結び』の関連サイト

www.gamemaga.jp

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