私の少年(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『私の少年』とは、高野ひと深による青年漫画。30歳のOL・多和田聡子は、ある夜、自宅近くの公園でひとりボールを蹴る12歳の少年・早見真修と出会い、彼にサッカーを教えることになった。会社の上司で、元恋人でもある椎川文貴の言動に翻弄され、傷つく聡子は、真修との交流によってなぐさめられていく。一方、真修も家庭に問題を抱えていた。それぞれが抱える孤独に触れ、互いを必要なものと感じ交流を重ねる2人は、年齢差や立場の違いに悩みつつも、より深い関係へと変化していく。

傷つく聡子を、小さな胸でなぐさめようとする真修。

上司で元恋人の椎川から、婚約者を紹介された後、自分が椎川との復縁の可能性を期待していたことに気づき、虚しさが込みあげる聡子。涙を流す聡子を、真修がそっと抱きしめ、なぐさめる。これまでは親切心から真修のサッカーの練習に付き合い、真修に与えるだけだった聡子が、真修から何かを与えられた場面。この日、真修が傷ついた聡子を救ってくれたことで、聡子の中で真修は特別な存在に変わっていく。

真修が聡子とサッカーの練習を続けたかった理由

聡子に会いたかったことを、真修は涙ながらに伝える。

真修が所属していたサッカークラブを辞めた後、どうにか真修がサッカーを続けられないかと、聡子は学校や父親など周りの大人を頼ることを真修に勧める。しかし、真修はかすかに震えながら、聡子に会いたい一心でサッカーの練習を続けていたことを打ち明ける。周りの目を考えると、真修が幸せになるために離れるべきと決意を固めた聡子だったが、真修の「聡子に会いたかった」という言葉を聞いて、自分も真修に会いたいと思っていることをはっきりと自覚した場面。

聡子が初めて正直な気持ちを打ち明ける

聡子は初めて自分の気持ちを正直に真修に伝えた。

33歳になった聡子は、恋愛として距離を詰めようとする14歳の真修への接し方に悩み、気まずさから2人の間には距離が開いてしまう。真修への気持ちを見つめ直した聡子が、年齢差や立場などのしがらみを払って、自分の正直な気持ちを初めて真修に打ち明けた場面。作中で聡子が真修に「会いたい」と口にするのはこれが初めてだった。

『私の少年』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

元々は少女とおじさんを題材にした内容で企画を進めていた

少女とカメラマンのおじさんの交流を描く内容で企画を進行していたが、同じ設定の他作品にはとても敵わないと感じた作者が、登場人物の性別を逆にすることを担当編集に提案し、採用された。

企画当初は1巻の終わりで真修が中学生になる予定だった

『私の少年』企画当初は、1巻の終わりで真修が中学生になるスピード感で話を進める予定だったが、描いているうちに真修に愛着が湧いてきたため、真修の成長を先延ばしにすることになった。

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