多田くんは恋をしない(第4話『見なかったことにしよう……』)のあらすじと感想・考察まとめ

HINAの写真集お渡し会の抽選会に当選して、ピン先輩は大喜び。しかし、女性を前にすると、強気で多弁なピン先輩は形無しなのだ。緊張せずにHINAと話せるように、ピン先輩は長谷川を相手に練習をする。
日が変わって、体育の授業中、自分と接触して怪我した長谷川を、アレクは思いがけない言葉で気遣った。
今回は「多田くんは恋をしない」第4話『見なかったことにしよう……』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。
「多田くんは恋をしない」第4話『見なかったことにしよう……』のあらすじ・ストーリー

写真の金髪が、女装した伊集院。ちなみに、この後、HINAと話す練習をする段になって、ピン先輩が最初に相手役を頼んだのも伊集院。
多田たちは部室に集まり、次のコンテストの課題「夢」について話し合おうとしていた。血相を変えて駆けこんできたピン先輩は、HINAのファースト写真集お渡し会の抽選に当たったと、大喜びである。ピン先輩を見つめる長谷川の様子を、アレクはうかがっていた。
実は、ピン先輩は、女性とまともに向き合うことができない。常々女性ヌードを撮りたいと言いながら、極端な内弁慶で、そもそも女性を被写体にできない。新入生勧誘では、女装した伊集院をモデルに仕立て、ピン先輩が撮影するプロモーションをしたのだった。
伊集院は、HINAのお渡し会の予行練習をしようと提案する。HINAに会うことを考えただけで卒倒するピン先輩は、後輩たちに当日の付き添いを命じる。強気な口調とは裏腹に弱腰な先輩に、多田は練習することをすすめる。テレサも、バレエの経験を語り、緊張緩和のためには練習あるのみだと言う。山下や伊集院がイベント参加の心得を説くのを、ピン先輩はメモをしながら聞き入れる。

想像しただけであがりまくって「HINA」と口に出せないピン先輩(右)に付き合う長谷川。
いざピン先輩が練習しようとしても、後輩たちはことごとく断る。長谷川は、しぶしぶ承諾した。他の部員は帰り、二人きりになった部室で、長谷川をHINAに見立てて練習をはじめた。想像だけでピン先輩は手汗が止まらず、呼びかけることもできない。長谷川が「HINAじゃなくて、私だと思って言ってみて」と視点を変えるように言った。「日向子さん」とピン先輩に自分の名前を呼ばれ、長谷川は動揺する。ピン先輩は「HINA」と口にすることができないまま、時間は過ぎていく。長谷川は、HINAに伝えたいことを書き出すように、アドバイスをする。ピン先輩は、HINAの手相や耳輪を奇妙な表現でほめる。耳輪は耳の部位だと説明されて、長谷川は慌てて自分の耳を隠した。「そんなことを言われて喜ぶ女性はあんまりいない」とピン先輩に釘を刺し、長谷川は帰った。去り際に長谷川は、「どうしても緊張するときは」と一番きくと思う方法を言い残し、「それを先に言え」とピン先輩を怒らせた。「大事なことなので、最後に言いました」というのが、長谷川の心境だった。
先に帰ったテレサは、いやいや付き合わされている長谷川を気の毒に思っていた。アレクは、最近の愛読書のフレーズ「好きになったら、(相手の)言うことをなんでもきいてしまう」を引き、「好きになったら負けなんです」と言う。テレサは、長谷川の恋心をはじめて知った。

長谷川の大切な思い出。犬が怖くて身動きがとれなくなった長谷川(左)をかばうピン先輩。
日が変わって、体育の授業で、テレサをかばったアレクが、長谷川とおでこをぶつけた。保健室で額を冷やす二人を、テレサは心配している。アレクも、「お渡し会まで腫れがひくといいですね」と長谷川を気遣う。長谷川も、「ええ、これくらい…」と言いかけた。アレクは、「どうして自分がHINAだって言わないんですか?」と容赦なく踏みこんだ。体験入部ではじめてポスターを見たとき、アレクはHINAと長谷川が同一人物だと看破していた。周囲が気付かないことが不思議だとアレクは言うが、テレサもたった今知った事実に驚いているのだった。
その日の帰り、テレサは、長谷川を自宅に招いた。
長谷川の伯母は、モデル事務所を経営している。一度だけの約束で、長谷川は所属タレントとの代役をつとめた。その仕事が評判となり、今やグラビアやCFにひっぱりだこになっていた。HINAファンになったピン先輩の夢を壊すのをおそれて、長谷川は正体を打ち明けることができない。
アレクは、「よかったじゃないですか。あんな変態メガネに知られなくて」と素気ない。崇拝するHINAが長谷川であると気付かない残念な男だと一刀両断し、さすがのテレサもアレクをたしなめる。
長谷川は、「照れ屋で繊細なだけで根はやさしい」とピン先輩をかばう。ピン先輩が猛犬から長谷川を守った幼稚園のころのことを思い出し、「いざとなったら守ってくれるの」と言う長谷川は、やわらかい表情を浮かべていた。その顔つきで確信したアレクは、「やっぱり(長谷川はピン先輩が)好きなんですね?」とストレートに訊き、自分からHINAであることを告白するようにすすめる。長谷川は、ピン先輩にはHINAとは関係のない「本当の自分を振り向いてほしい」と望んでいた。テレサは、「本当の自分」という言葉に思うところがあったようだった。お茶うけの豆大福を二つに割ったテレサは、「大福は大福です」と話してほおばり、おいしいと笑顔を見せた。

ピン先輩の私服を見た後輩の反応。左からアレク、テレサ、多田、伊集院、山下。
お渡し会の当日、写真部員は会場前でピン先輩を待っていた。テレサは、長谷川が用があって来られないとごまかす。
ロックとパンクとヒッピーが融合した服装で現れたピン先輩を、アレクは「完璧変態メガネ」と寸評する。見かねた下級生男子三人はじゃんけんし、負けた多田の服をピン先輩と交換した。
ピン先輩を会場の書店に送り出して手持無沙汰の伊集院は、書店の大看板のHINAを見上げて、「誰かに似てね?」と問いかける。多田も山下もポカンとするだけで、伊集院も誰なのかは思い当たらない。
お渡し会の控室では、長谷川が、テレサの「HINAも長谷川さんの一部」というセリフを思い返し、ピン先輩と向き合うことを決めていた。

一度退場させられたものの戻ってきてHINA(左)と両手握手するピン先輩。
お渡し会がはじまり、ガチガチに緊張したピン先輩が、HINAの前にやってくる。話したいことを書いたメモは、多田の服に着替えたときに持ち出すのを忘れていた。動転して身動きがとれないピン先輩に、HINAが「いつも応援ありがとうございます」と声をかける。ピン先輩は我に返るが、緊張は解けない。HINAは「どうしても緊張するときはどうするの?」と問いかけてきた。ピン先輩は、長谷川が教えてくれた方法を思い出す。人という字を手のひらに書いて飲みこんだピン先輩は、少し冷静になり、握手を求めようと進み出た。そのとき、スタッフは「時間です」と、ピン先輩を退場させた。ピン先輩はHINAの前に戻ってくると、両手で握手をし、「生まれてきてくれてありがとう!」と絶叫する。スタッフに強制連行されるピン先輩を見送り、HINAは握られた手を大事そうに包みこんだ。

ピン先輩のメモを多田は「見なかったことしよう……」。
その後、写真部員たちは多田珈琲店に移動した。HINAと握手した手は洗わないとはしゃぐピン先輩は、多田の妹のゆいに「えー、やだー(棒)」と共感してもらえない。さらに「今日はHINAと僕が出会ったアニバーサリー」と浮かれるピン先輩に、山下は「勘違いも恋のうち」とつっこむ。アレクも、「恋はミラーハウス、勘違いなのです」と言い添え、ゆいが山村ポアロンよしこの名言だと喜んだ。ゆいに借りた『ひまわり急行恋する事件簿』シリーズは、今やアレクの愛読書でもあった。
多田は、自室でピン先輩の服を着替えていた。その時、ピン先輩の服から、HINAに伝えたいことを必死で書いたメモを見つける。細々と書かれていたのは、ピン先輩が部室で後輩たちを白けさせていることと寸分変わらず、最後には大きな文字で「生まれてきてくれてありがとう」とあった。多田は、「見なかったことにしよう」とピン先輩の服の間にしまいこんだ。

警察に呼び止められるレベルで危険なファッションセンスのピン先輩。
帰り道を急ぐ長谷川に、ピン先輩から電話が入る。ピン先輩は、「すげえきれいだった。おまえ、すごかったんだな」と話しはじめた。長谷川に教えられたあがらない方法に効果があったことを伝えたピン先輩は、長谷川は「ちゃんと言いたいことは言えたの?」と問う。ピン先輩は口ごもりながら「ありがとう」を伝え、電話を切った。
その直後、あやしい服装の先輩は警察官に取り囲まれ、職務質問されてしまう。

左腕の肘のあたりをさする癖のあるアレク(左)とテレサ
後日、長谷川は、テレサとアレクにピン先輩はHINAの正体に気付いていないようだと話す。アレクは、「男はどこまでいっても鈍感だ」と、ひまわり急行シリーズのフレーズを引用してあきれている。長谷川は、自分に自信が持てたときに告白するという。「大事なことは最後に言いたい」のだ。
その日の帰り、信号待ちをするテレサは元気がなく、「ピン先輩も本当のことを知る日が来るんでしょうね」と言う。「私もみんなに本当のことを言っていないなあと思って」、テレサは心苦しいようだ。アレクは、帰国すれば、多田たちとの関係は切れることをほのめかす。ふと見上げたビルの看板がHINAであることに気付いて、テレサは、「恋って複雑なものなのね」と呟く。アレクは「恋をしたことがある?」と訊かれて、アレクは珍しく困惑して「ありません」と答える。アレクが左腕の肘をつかむ癖から、それが嘘であることをテレサは見抜いた。アレクは恋をしたことはないと言い張り続ける。
「多田くんは恋をしない」第4話『見なかったことにしよう……』の感想・考察
ただこい4話、委員長回。委員長なんて奥ゆかしくってかわいいんだ………😭
— ちひろ⊂( ・ω・ )⊃ヒプマイ4th2日目 (@Chris528_kitty) April 26, 2018
いやほんとアレクの言う通り、なんで誰も気づいていないんだろうね笑
委員長の新たな一面はわかったけどテレサ…テレサの正体とは🤔そしてアレクの左腕のこともずっと気になっている… #tadakoi
多田くんは恋をしない 第4話 視聴完了。
— はじめ♬ (@SuperNoisyNova) May 1, 2018
日向子(と一)が中心のエピソードでした。アレクには勘付かれていましたが、光良はじめ他の誰にも気づかれず活動しているのはある意味すごいことかもしれませんね。日向子の恋の行方が気になるところですな。 #ただこい #tadakoi
「多田くんは恋をしない」4話
— でんちゅう (@obakadenchu) April 28, 2018
なんだかんだ言いつつ、練習に付き合う委員長。本当の自分に振り向いてほしい。委員長の幸せそうな表情が印象的だった。
本当はHINAの正体に気付いてるんじゃないかなー?
ひまわり急行恋する事件簿のセリフもちょくちょく出てくるから気になってる。 #ただこい #tadakoi
さて引き続きアニメ感想など。
— アニメ大好きがーさん (@anime_garsan) May 3, 2018
『#多田くんは恋をしない』第4話
とにかくピン先輩が純粋過ぎて笑えた。でもなんかほっこりする、そんなお話でした。アイドルのHINAが実はあの人…っていう展開は面白いかな。でも第1話のインパクトが強すぎて、早くも中だるみになってないかい?(個人の感想です)
多田くんは恋をしない 4話
— ぐでたか@たけのこ党こしあん派 (@tk_yama_s2) April 26, 2018
軽めのゆるい展開とピン先輩&委員長の腐れ縁的な気になるアイツ感が良い。本当の自分を大福で喩えたテレサのセンスも素敵。全体にピン先輩の真面目なバカさ加減に活かされた演出で面白かった。本当は正体に…?という曖昧な引きに恋愛作の定番感、地味だが利くな。#tadakoi
基本的に定番ネタの作品だけど、「写真部のメガネ部長は変態」というは定番というのも、改めて考えると結構非道い話だなぁ。マンガやアニメは記号表現だから、ステレオタイプに.../多田くんは恋をしない 第4話を見ました https://t.co/weVbvb0moe #tadakoi
— みんへる改@WF8-06-02 (@minhel8x) April 28, 2018
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