博多豚骨ラーメンズ(第1話『プレイボール』)のあらすじと感想・考察まとめ

『博多豚骨ラーメンズ』とは、第20回電撃小説大賞で〈大賞〉を受賞した木崎ちあきの原作小説をもとに、コミック化、アニメ化と広がりをみせる人気作品である。
探偵の馬場は刑事の自殺を調べる。殺し屋の林は1日で3件の殺しを依頼される。復讐屋のジローは外国人からの依頼を受ける。市長に雇われた麗子はその息子の世話もする。一見別々の出来事も、実は複雑に絡み合っている。
今回は「博多豚骨ラーメンズ」第1話『プレイボール』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。
「博多豚骨ラーメンズ」第1話『プレイボール』のあらすじ・ストーリー

事務所にいた見知らぬ人間に「あんた誰?」と聞く馬場
5月24日 午前0時 博多。
私立探偵の馬場善治(ばんば ぜんじ)が自ら経営する「馬場探偵事務所」に帰るとそこには、「お前を殺れって依頼されたの」と言う殺し屋が待っていた。

標的の男と同棲する女を先に殺し、標的の男と対峙する林
18時間前の午前6時、あるマンションの一室。
殺し屋の林憲明(リン シェンミン)は、「ミロワール」というクラブから1,000万円持ち逃げした男を殺しに来ていた。男に、女装で油断させるなんて汚いと言われた林は「これはただの趣味。俺好きなんだよ、女の格好するの」と答える。さらに、持ち逃げした金の残金400万をやるから見逃してくれと頼む男に、林は「俺も借金あるからそう言われると少し考えなくもないけど…。けどさ、一度引き受けた仕事はちゃんとやらねーとな。俺は、プロの殺し屋だから」と言って不敵に笑った。

組織からの電話にでる林
仕事を終えて天神の街を歩いていた林の電話が鳴る。確認すると相手は、林が身を置く新興マフィア「華九会」の張(ジャン)だった。電話にでて仕事が終わったことを報告すると、張からもう一件殺しをするように言われる。林は、今終わったばかりだと怒るが、標的が刑事だと聞き仕事を受ける。警察関係者は報酬が相場の2倍なのだ。

子供の頃の僑梅(チャオメイ)
張の電話を切った林は、心の中で「この不愉快な野郎とももうすぐおさらばだ。借金さえ全部返せれば」と言い、子供の頃に離れ離れになった妹・僑梅(チャオメイ)の事を思い出していた。財布の中の僑梅の写真を見ながら林は「もう少しだ。待っててくれ、僑梅」と呟く。
その後、刑事を殺しに福岡市東区の自宅を訪れるが、どうやら首つり自殺をしたらしいと聞く。自分が殺したわけではないが死んだ事には変わりないと、組織に仕事が終わったと報告する。

挨拶をする斉藤(左側の男)とグエン(右側の男)
その頃、東京・新宿の株式会社レッドラムでは、今日から福岡支店に転勤になる新人社員の斉藤が忘れ物の野球ボールを取りに来ていた。そこで先輩社員のグエンに会い挨拶をする。福岡でも頑張ってと言われ、「頑張れますかね?人口の3%が同業者って言われてるような所で、俺みたいなへなちょこが…」と不安を漏らす。

上司らしき男に大声で訴える猿渡 (右側の男)
同じフロアでは「もっと骨のある仕事をくれ」と、猿渡俊助(さるわたり しゅんすけ)が大声で訴えていた。猿渡を見ながら「ああいう人がこの仕事向いているんでしょうね」と言う斉藤にグエンは「あれは別格だよ」と答える。そして2人は別れる。去っていく斉藤の背中を見ながら「でも君は向いてないよな。どうして入社したんだか?殺人請負会社なんかに」と呟く。

タケダという刑事の死について話す重松(左側の男)と馬場
同じ頃、博多の街では馬場が刑事の重松に、遺体の写真を見せられていた。写真を見た馬場は「縄の痕以外に斑点のような痣、喉と動脈と静脈をピンポイントで。首吊り自殺に見せかけた扼殺(やくさつ)。プロの仕事やろうね」と答え、重松に遺体の身元を聞く。重松は、自分が若い頃に世話になったタケダという暴力団対策担当の刑事で、今朝遺体で発見されたと説明する。さらに、遺書によれば証拠品の横領がバレそうだから死ぬと書かれていたとのこと。だが重松は、タケダは曲がった事ができない人で遺書に書かれているような事をする人間ではないと考え、タケダの死を不審に感じていると話す。

重松の家に送られた写真
そして重松は、昨日差出人不明で自分の家に届いたがおそらくはタケダからだろうと、ある写真を馬場に見せる。その写真には男女4人の姿が写っていて、それを見た馬場は「あら、これって、あっこにおる市長さんやんか」と言い、「一緒におるべっぴんさんまで…」と言う重松の目線の先には、選挙活動を行っている原田市長と写真にも写っている綺麗な女性がいた。

選挙演説する原田市長と付き添う綺麗な女
2人の姿を見た馬場は、近くで配っていた風船をもらい自分の背後でその風船を割った。「パーン」と大きな音がする。その様子を見ていた重松が何をしているのかと尋ねると馬場は、あの女の反応を見たかったと答える。風船の破裂音は銃声の代わりだったのだ。どうだったかと聞く重松に馬場は「あれは殺し屋の仕草やろ。けど、タケダさんを扼殺した奴じゃなさそうやね。綺麗な長い爪しとったけん」と答える。「よく見てるよな。それで馬場、頼みっていうのは…」と言いかける重松に馬場は「よかよ。原田市長が何をやっとるにしろ、殺し屋を雇うぐらい後ろ暗いって事やしね。その悪事、暴いてやろっかね」と言う。

紫乃原 (メガネの男)・宗方(眼帯の男)・麗子
宗方・麗子・紫乃原・イワノフの4人は、市長に雇われた殺し屋である。
市長の付き添いを終えた麗子は仲間の宗方・紫乃原と合流する。そこで宗方が、イワノフがタケダを殺したと話し、紫乃原が、証拠品を横領した悪徳刑事という汚名も着せたと伝えた。麗子が「そこまでする必要があったのかしらね」と漏らすと宗方は「仕方ないさ。公務員は逆らえん。上と、上に連なるものにはな」と話す。そこで宗方の電話が振動する。相手は市長の息子のユウスケで、いつものように片付けを頼まれる。

馬場と天才ハッカーの情報屋・榎田。
重松と別れた馬場はネットカフェで、榎田という情報屋に写真の女の身元を調べてもらっていた。天才的なハッカーの榎田はあっという間に調べを着け、馬場に報告する。女の名前は朝倉麗子。5年前まで株式会社レッドラム(裏の世界では知らない者はいない殺人請負会社、マーダー・インクの表の名前)で勤務。専門は毒殺。5年前から市長の下で働いていると考えられる。それらの情報を聞いた馬場はさらに榎田に、同じ頃にマーダー・インクを辞めた扼殺が得意な人間がいないか尋ねる。こちらも即時に調べ、久志・イワノフというロシア人と日本人のハーフで専門が絞殺と扼殺という男がいることを伝える。

ユウスケが殺した女性を確認する、麗子・イワノフ・紫乃原(左から)
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