オッドタクシー(ODDTAXI)のネタバレ解説・考察まとめ

『オッドタクシー』とは2021年4月から6月まで放送された、P.I.C.SとOLMの共同制作によるミステリーアニメ。とある女子高生の失踪事件が、変わり者のタクシー運転手・小戸川とクセのある乗客たちをつなぎ合わせていく群像劇である。登場するキャラクターは全員動物で、医者・看護師・清掃員・お笑い芸人・大学生・アイドルなどさまざまである。見た目からは想像もつかないダークな世界観と、それを引き立てる楽曲。声優のみならず芸人やラッパーをキャスティングする斬新さが話題を呼んだ。

娘の三矢ユキの訃報に気を落としている呑楽は、警察署の待合室でドブのボス・黒田と電話をしている。なんと声をかけたらいいかと話す黒田に、今はただ一人になりたいと気迫のない声で伝えた呑楽。その近くを通った2人組の警察官は、仲間が発砲して逃げているのではないかと話している。会話の流れから察するに、倉庫で関口と闘争した後のドブを撃ったのは、大門弟であった。
N-1グランプリの敗者復活戦に登場したホモサピエンス。その人の良さで相方を取り残し1人で売れてしまった馬場は、柴垣とのネタ合わせがままならない状態で舞台へ上がる。順調に進んでいるように見えたネタの途中、柴垣は突然「お前とコンビ組んだこと後悔してるわ!」という言葉を皮切りになりふり構わず鬱憤を吐き出したのだった。

ドブが買収した銀行員から本物の1億円と偽物の9億円が入ったジュラルミンケースを受け取ったヤノたちは、ドブの狙い通り、中身の確認もそこそこにその場を去った。途中、ドブの仲間である大門兄に検問と称して車を止められ、積まれたジュラルミンケースの中身を確認される。そこでヤノたちはようやく、偽札が紛れていることに気づいたのだった。大門兄からパトカー内で事情聴取を受けている間にその車をドブが乗り逃げし、本物の9億円を積んだ車の元へ向かう。ヤノたちの車から1億円だけをおろし、小戸川のタクシーに乗り換えるドブ。残りの金が積み込まれた車のある駐車場に着くと、そこにいたのはドクロ仮面こと田中だった。拳銃を構える田中に事情を聞くと、小戸川が自分の大切なものを奪ったと言う。謝罪を求められ頭を下げた小戸川のシャツのポケットから呑楽消しゴムが落ちる。それを見たドブは、これはもともと自分の所有物で白川にあげたものだと言い出す。その会話を聞いた田中は、ドブに向かってditch-11はお前かと問いただす。それを認めたドブを勢いのままに撃った田中は、ことの重大さに気づき大声をあげてその場から逃げる。倒れたドブを横目に、小戸川は10億円を今井に返すと決心し、再び車を走らせた。

小戸川の見ていた世界の真実

大門兄に暴行を加えて盗んだパトカーで小戸川を追うヤノと関口、さらにそれを追う剛力と白川。剛力は車内で小戸川の病気について、高次脳機能障害による視覚失認が認められたと話す。脳の損傷により、現実に何を見ているかもわからない状態だと言うのだ。その頃追い詰められた小戸川は、行き止まりの表記を突っ切り、車ごと東京湾に沈んだ。車内に水が侵入してくる中、意識を飛ばした小戸川は昔のことを思い出す。
両親を亡くした事故の後、目を覚ました小戸川の目にはすべての人が動物に見えていた。マレーバクのおじさんがこれから面倒を見ると言い、いつかお礼をしたいと思った小戸川。そのマレーバクのおじさんこそが、行きつけのサウナでいつも会うドブのボス・黒田だった。

人間が認識できるようになった小戸川

白川は意を決し東京湾へ飛び込み、得意のカポエラで車の窓ガラスを割って小戸川を救出した。病院で意識を取り戻した小戸川は人間を人間と認識できるようになっていた。後日小戸川の入院先を訪れた今井は、警察が回収した1億円を全て小戸川に差し出した。全額を自分を支援してくれた組織へ返そうと考えた小戸川は、剛力からマレーバクのおじさんこそが組織の代表だと伝えられる。そして体調が回復したころ、例のサウナで黒田に感謝の言葉と1億円を受け渡した。入院していたとき剛力に聞かれた「お前の家には何がいるんだ。」という言葉が気にかかり、帰宅してから押し入れの中を確認した小戸川は、1匹の黒猫が鳴きながら出てくる様子を見て「よかった、猫だよな。」と安堵した。

三矢ユキを殺害した和田垣さくら

田舎の母と通話しながら歩く和田垣さくらは、「あのまま世に出なけりゃ気は済んだんやろうけどさ、CDデビューするって聞いた時、居ても立っても居られんようになった。全部うまくいっちょうよ。」と話す。二階堂が事務所を訪れる前、すでに三矢を殺害していたのは和田垣だった。続けて、二階堂が逮捕される事は予想外であったが、ついでに市村も消してソロになろうかという計画を、冗談まじりなのか楽しげに語った。
「あの時乗ったタクシーが見つかった。」と話す和田垣が小戸川のタクシーを捕まえ、乗り込むと「どちらまで?」と尋ねられる。和田垣は、何を考えているのか不気味な笑顔を浮かべたのだった。

『オッドタクシー』の登場人物・キャラクター

主要人物

小戸川宏(おどかわひろし)

CV:花江夏樹
<セイウチ>1980年5月25日生まれの41歳、個人タクシー運転手。
偏屈で人と関わるとこが苦手だと言うが、乗客との会話は素っ気なくもテンポが良い。剛力と柿花は数少ない友人で、睡眠導入に落語を聞くことと、タクシーの中でラジオを聞くことが趣味。

白川美保(しらわかみほ)

CV:飯田里穂
<アルパカ>28歳、看護師。
小戸川が通う剛力病院の看護師で、作品のヒロインとも呼べる存在。一見大人しそうだが、特技のカポエラで2度も小戸川を救っている。

剛力歩(ごうりきあゆむ)

CV:木村良平
<ゴリラ>41歳、医師。
小戸川のかかりつけ医であり、剛力医院の院長。所帯を持っており、仲間思いで紳士な面が窺える。

柿花英二(かきはなえいじ)

CV:山口勝平
<シロテテナガザル>41歳、ビル清掃員。
あらゆる方面に卑屈で自信がないものの、周囲を笑顔にさせるほどの能天気さを持っている。婚活中で、マッチングアプリの利用者。

原田タエ子(はらだたえこ)

CV:村上知子/森三中
<カンガルー>47歳、小料理屋女将。
小戸川、柿花、剛力がよく訪れる居酒屋「やまびこ」の女将。「ママ」と呼ばれ親しまれている。

Jess22
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