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tomKo541

tomKo541のレビュー・評価・感想

ジョーカー / Joker
9

映画ジョーカーを見た感想

友達に誘われ見に行きました。ホラー要素のある映画なのかと思っていましたが全く違いました。
とても現実的で、普通に世の中で起こっているかもしれない出来事を切り取ったような作品でした。普段生活していてはあまり知ることが少ないような、目に見えない大切なことを教えてくれる作品でした。劇中には若い方には見せられないよいうな残酷なシーンもありますし、すべてを肯定できるものではないのですが、自分が普段当たり前にできていることが実は当たり前ではないのだと気づかせてくれるような作品です。
幼いころに受けた心の傷というものはその人の人生に大きく影響を与えます。決して望んだわけではなく、運命というかその人に与えられた宿命ですが、決して逃げることなく受け入れ、懸命に生きようと努力している姿に感動しました。
最終的には決して向かってはいけない方向へと進んでいくことになりますが、良い方向へ進み続ける力など私にはないだろうと考えてしまうほど、背負っていることの大変さを感じました。
なかなか普段忙しい生活では考えないような事に気づく良い機会になりました。

ワンダル・ワンダリング!
7

耳の尖った人間たちが出会った、耳の丸い子供との日常ラブストーリー

主人公たちの種族は、耳が尖っている以外は普通の人間と同じ見た目をしています。
ファンタジーではエルフとして描かれる、あのタイプの耳です。

主人公の青年は、ある日自分達とは違う丸い耳を持った子供と出会います。
こちらは現実での私たちと同じような耳をしていて、主人公たちと違う種族であることがわかります。

名前をワンダルというこの子が最も他の人と違うことは、感情が高まると大人の男性の姿になることなのですが、のちにこの能力は「大人の男性になること」というだけではないことが発覚するのがこの作品の大きな魅力でした。

大人の男性となる姿を見た主人公は、ワンダルが男だと思い込んで過ごしていますが、幼稚園の先生が汚れたワンダルをお風呂に入れた時に女の子であることが発覚します。

ワンダルの種族は絶滅寸前の「まるみみ族」であり、この種族は生まれた時には全員女の子ですが成長するにつれ男性か女性に性別が確定する、という不思議な種だったのです。

性別が確定するのは、本人の「男になりたい」または「女になりたい」という強い想いで、その多くは恋愛感情。

青年とワンダルは互いに惹かれていき、ワンダルの性別は女性に確定。今まで子供の男の子と思って暮らしていたワンダルが大人の女性となったために共に暮らすことに戸惑いを覚えたり、まるみみ族の生き残りがワンダルと結婚したがったり…と、波乱万丈なのに心温まる、一風変わったかわいいラブストーリーです。

ウルフルズ
10

「ウ!!!」3人が鳴らす現在進行形の音

先行シングル「センチメンタルフィーバー~あなたが好きだから~」から幕開けするウルフルズの最新アルバム、その名も「ウ!!!」。

2018年2月、リーダーでギター&コーラスのウルフルケイスケが、自身のソロ活動に専念する為、バンド活動を休止、ウルフルズは3人+サポートメンバーでのレコーディングをする事となった。

そんな中作られたこのアルバム、先述の通り1曲目はアルバム発売に先駆けての先行シングルとなっているが、何とベース&コーラスのジョンBと、ヴォーカル&ギターのトータス松本のダブルヴォーカルである。

バンド演奏+打ち込みの所謂「ニューウェーブ」調のこの曲は、3人編成の新しいアーティスト写真(宣材写真)の、韓流アーティスト風の仕上がりを見て、「この風貌でテクノ調の曲を演ったらどうか」という、ドラム&コーラスのサンコンJr.のアイデアであるという。

2曲目もアルバム発売前に先行リリースされた「リズムをとめるな」。
こちらはストレートでシンプルな曲調に、3人のスキルとセンスが随所に散りばめられている曲である。

3曲目の「ワンツースリー天国」は、トータス松本のボトルネック奏法が冴えるブギー調の曲。

ウルフルズのアルバムには必ず1曲、トータス松本のボトルネック奏法の曲が収録されているので、そちらも試聴されたし。

なお上記3曲はYouTubeにて、MVが公式にアップされている。

ここからはアルバムの収録曲になっていく。4曲目は「ひとつふたつ」。

6/4調のスローな曲で、サビへの転調、メンバーの合唱がハイライトとなっている。

5曲目「ありがっちゅー」は、リズム&ブルース調の曲で、トータス松本がレギュラーを務めるラジオ番組から生まれた曲である。

6曲目「生きてく」は、16ビートのリズムのソウル調の曲、コーラス、そしてサビの『生きてく』というリフレインで進んでいく曲である。

7曲目「抱きしめたい」はミディアムテンポのギターロック、ギターの音色は歪んでいてこのアルバム唯一のマイナー調の曲である。

8曲目「変わる 変わる時 変われば 変われ」は、テレビのタイアップとして2018年から発売されていた曲である。

9曲目「パワー」は、トータス松本のシャウト唱法が炸裂する、アルバム終盤を盛り上げるアップテンポな曲である。

そしてアルバムのラストを飾る曲が10曲目、「愛がなくちゃ(2018Ver.)」。

この曲は元々2003年に発売されたアルバム「ええねん」に収録されていた曲で、長年演奏され続けファンの間でも人気の曲である。
「センチメンタルフィーバー~あなたが好きだから~」のB面にも収録されているこのバージョンは、発表から15年経った、バンドの現在進行形を録音した1曲となっている。

全10曲、約40分のこの一枚。
3人になっても進み続けるバンドの「現在」を是非皆様にも聴いて頂きたい。

アオアシ
10

サッカー漫画界に現れた”眼”が良い主人公

「アオアシ」はビッグコミックスにて掲載されているサッカー漫画であり、チーム内のいざこざ、志望ポジションにつかせてもらえない、などの苦難を乗り越えていく主人公に熱い思いがこみ上げてくる。そんな魅力を秘めた漫画です。主人公である「青井葦人」は、地方の公立中学のサッカー部でプロを目指す、ワンマンプレイの目立つFWでした。四国大会出場をかけた中学最後の試合で葦人が三得点するも、相手チームに敗れます。チームメンバーが泣いているのを見て、いたたまれなくなった葦人が堤防の周りをずっと走り続けていると、その様子をずっと見ていたある男が葦人に走るのを辞めろと声を掛けます。それを聞き倒れ込んだ葦人が目を開けると、声をかけてきた男が見とれるほど見事な足さばきでボールをコントロールしていたのです。男は口を開くと「この技術があれば後三点取れていた」と言い放ちました。その言葉で火が付いた葦人はその場で夜明けまで練習しますが、結局ボールを上手くコントロールするには至りません。その様子を見かねた男は再び声をかけ、気になっていた葦人の最後の試合の得点シーンについて、なぜお前にボールが集まるのかと葦人に尋ねます。その話を聞いた男は驚愕することになります。なんと葦人は味方と敵の配置を各得点場面ごとに全て覚えていたのです。ここで葦人の天性の才能が発覚します。「アオアシ」の主人公である葦人は“眼”が良いというサッカー界、サッカー漫画界において非常に稀有な才能を持った主人公だったのです。そしてその事に興奮を隠しきれない男は、ユースセレクションを受けに来いと葦人を勧誘します。なんと葦人に声をかけてきた男は東京シティ・エスペリオンFCユースの福田達也監督だったのです。福田監督は葦人に「世界に連れて行ってやる」と言い残します。その誘いに乗った葦人は見事ユースセレクションに合格しましたが、それが苦難の日々の始まりでもありました。幼い頃からユースに所属していたメンバーとセレクション合格者とのサッカー観の齟齬。周りとの基礎的なボールコントロールの差。FWとして世界に出るうえで、努力では埋められない葦人に決定的にかけているもの、、、。新しい壁にぶつかっては悩み、成長していく葦人には一時も目が離せません。サッカー未経験者でもかなり基礎的なところから不自然なく解説をしてくれるので、話の流れや、葦人がどのような壁にぶつかっているのかが非常にわかりやすいです。以上の理由も含めて「アオアシ」は、私が胸を張ってお勧めできる作品の一つになっています。