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rin10039のレビュー・評価・感想

兄だったモノ
8

先の見えないホラーミステリー

兄の墓参りに訪れた主人公と、兄の恋人だった男性。そして主人公の目に映る、兄であったなにか。
死を境にしてもつれ合う愛憎が描かれる、ホラー漫画です。
独特の絵柄は癖があるので、好みが分かれるトコロもあるかと思いますが、ホラーとしては迫力があり魅力的です。
バケモノの登場するシーンの禍々しさには、毎回ぞっとさせられます。
明るい夏の日差しから不意に暗く差し込んでくる化物の影、恋する乙女のような表情から明らかに常軌を逸した目に変わる主人公と、見せ方も効果的です。
またストーリーも、次々と不穏な展開を見せスピーディー。サスペンスとしても秀逸です。
冒頭に「緑の目をした怪物」「デズデモーナ」といった単語があることから、シェイクスピアのオセロがモチーフになっていると思われるのですが、どのような結末になるのかはまったく想像がつきません。
恋をした主人公の狂気、優しかった兄が家族に見せなかった一面、そして名前の通り聖なる純真さを見せていた恋人の意外な過去…と、何かが明らかになる度により深く墜ちていくような、底の見えない恐ろしさがあります。
事実が明らかになる度に、そう言えばあの描写は…と読み返したくなる伏線が仕込まれているのも絶妙です。

back number / バックナンバー
10

自分の気持ちを代弁してくれる歌、歌詞

私は中学生の時にback numberの「恋」という曲を聴き、その時からファンになりました。
back numberの曲は、今の自分の言葉にできない想いや誰にも言えない気持ちなどをまるで代弁してくれるかのようでずっと聴いていられます。
少し女々しい歌詞という印象もありますが、そこがまた良くて「わかる!!!」と言いたくなるような気持ちになったり、「男の人でもこんな事思うんだなあ」と気付かされたりします。
また、大型フェスに行った時に、初めて生でback numberの歌声を聴いた時には自分でもびっくりするくらい自然と涙が出てきました。いつもイヤフォンの向こう側から聞こえてきた声が、実際に耳で聞くことが出来ている幸せと、音源できいた時よりもはるかに気持ちが籠っており胸に来るものがあったからです。
そして、back numberの曲イコール恋愛ソングといったイメージになりがちかもしれないですが、家族や友人など恋愛以外をテーマにした曲もたくさんあります。
改めて、大切な人を大切にしよう。と思わせてくれるような曲や、今はしんどいけれど頑張ってみるか。と勇気が出てくるような曲まで、その時の自分に響く曲が必ずあると思います。

ハクメイとミコチ / Hakumei and Mikochi
10

身長9センチメートルの世界

『ハクメイとミコチ』は、身長9センチメートルの女の子ふたりを主人公にした、ほのぼのとした日常系マンガです。
コロポックルなんかを想像してもらえばイメージしやすいと思います。
この世界の身長9センチメートルの人間たちは、大自然の中、我々と同様に働き、料理をし、酒を飲んでワイワイ楽しく暮らしています。

冒頭に“「女の子」ふたりを主人公に”と書きましたが、彼女たちは23、24歳。
もう立派な成人の女性ですので、一人前の人間として我々と同じように悩み、けれど人生を楽しみながら生きているのです。

このマンガの魅力は何と言っても動物たちとの交流、そして美味しそうな食べ物でしょう。
なんとこの世界では動物たちは人間と同様に言語を話し、意思の疎通を図ることが出来るのです。
ですので人間と動物に隔たりはなく、共に生活をする仲間として一緒に働いたり、遊びに出かけたりして生きているのです。
またその動物たちが可愛いのです……!
それから料理。
主人公のひとりであるミコチの料理は絶品で、粗野な荒くれ者だって懐柔してしまうほどなのです。
作品のなかに出てくる料理やお酒は、本当にどれも美味しそう。
きっと読んだ後は、街へ出かけて美味しいものを探して歩いてみたくなるはずです。

個人的にですが、この作品は、キャラクターたちが本当にこの世界の中で楽しく生きているのだと没入できるほど、良く練られた世界観に裏打ちされているのだと思います。
主人公が成人したひとりの大人だというのもまた、物語を引き締める要素になっているのでしょう。
おかしな表現な仕方になるかもしれませんが、嘘くささがあまり感じられないのです。
そんな私の感想はさておいて、のんびりとしたマンガ、楽しいほのぼのとしたマンガが読みたい方には、とにかくオススメしたい作品になっています。
『ハクメイとミコチ』、ぜひどうぞ。