r_k11097@r_k11097

r_k11097
r_k11097
@r_k11097
2 Articles
3 Reviews
0 Contributions
0 Likes
r_k11097

r_k11097のレビュー・評価・感想

プロヴァンスの休日
8

南仏プロヴァンスの風に吹かれているようなほっこりする映画

2014年のフランスの作品。主演はあのジャン・レノということになってはいるが、実際は孫役のテオを演じているルーカス・ペリシエだろう。オープニングの汽車の中で居眠りする少年がずっと写っているのがその証拠だと思う。
夏休みに兄、姉、テオの3人は会ったこともない祖父母の家で過ごすことになる。母親が仕事で海外へ行くことになり、子供たちの世話ができなくなったためだが、祖父母と母は長い間確執があり疎遠なのだ。パリに住んでいる3人はプロヴァンスは初めて。ネットの電波もあまり通じない、暑い田舎のプロヴァンス。予想通り最初は打ち解けず反発し合う。
ストーリーはいわば王道、過去にも似たような作品はたくさんあり、展開も予想通りでおっとびっくりなことは何もない。けれどもこの作品ですばらしいのは、テオ目線で描かれる映像の美しさなのだ。
彼は聴覚障害があり、意思の疎通は手話で、セリフはない。テオ目線のとき、大人たちの会話や街の雑踏の音などもすべてOFFにされる。そう思った瞬間ざわついたうるさい世界に戻るのだが、それはテオの世界からの眺めではなくなっているのだ。言葉はなくともだんだんと硬く閉じた祖父の心をほぐしていくテオ。それと同時にオリーブの畑に吹き付けるプロヴァンスの風。ラストに子供たちを迎えに来る母親とのシーンが少しだけあるが、それが実にいい。
コールドプレイの楽曲のエンドロールもしゃれている。疲れた大人たちにおすすめの作品だ。それにしても日本のちまちました夏休みではこのような体験は到底不可能だろう。フランスがうらやましい。

トップガン マーヴェリック / Top Gun: Maverick
10

全てを納得させる最高の続編!

タイトル通り前作の『トップガン』のファン及び初めて見た人にも薦めることのできる最高の作品です。ネタバレしないのは難しいのでストーリーの落ちとかそういった部分は避けつつレビューしていきます。
まず、主人公のマーベリックですがもちろん老けてはいるものの若いころを彷彿とさせるような悪ガキなところは強く残っており、年相応に落ち着きある反面「これはマーベリックだわ」と思わせる行動をしてくれます。
前作で目立った活躍を見せていたアイスマンも病気との闘いや階級もあり現場に直接出向くことはなくなっていましたが、それでもマーベリックの才能を生かすよう尽力し、陰ながらマーベリックを支える良き理解者かつ盟友として居続けており、アイスマンなしでのトップガンはあり得ないと感じさせてくれます。
他の人物紹介もしたいですが、本編についてもふれます。前作のトップガンを目指すのとは異なり歴代のトップガンパイロットが難題をこなすというストーリーとなっています。しかし、訓練描写は変わらずあり、そこでの葛藤や友情も強く描かれていきます。トップガンとして、してほしいことは全てしているといっても過言でない要素しかないので、前作ファンはもちろんの事、これを機にトップガンの世界に入っていく一歩にもなると思います。ぜひ見てほしい作品です。

十三機兵防衛圏 / 13 Sentinels: Aegis Rim
6

バトルパートが少々残念

これは1980年代の日本を舞台に、「機兵」と呼ばれるロボットに乗って戦うことになった十三人の少年少女が繰り広げる物語だ。
この作品は彼らが何故機兵に乗り戦うことになったかが描かれる「アドベンチャーパート」、機兵に乗って町を守る「バトルパート」の二つで構成される。
もう一つ「アーカイブパート」も存在するが、こちらはいわゆる事典だ。
ただしこの事典からしか得られない情報も多々あり、物語の真相を追うためには読んだ方がいい。
このゲームのレビューはアドベンチャーパートに割かれることが多いので、バトルパートについて書いていく。
バトルパートはいわゆるタワーディフェンスだ。難易度が選べるので、苦手な人でも問題なくプレイできる。
ただし一番簡単なモードだと完全に作業になってしまい、かつ省略できないのが難点である。
なおアドベンチャーパートがいらない人もいるかと思うが、そこは諦めるしかない。
面白いので頑張って読んでいただきたい。
というよりも、アドベンチャーパートに興味がないならこのゲームはお勧めしない。
緊迫感や戦略性もあり面白いのだが、タワーディフェンス系のゲームの中で際立っているとまでは言えず、
このゲームの特徴であるはずの機兵が戦っている姿を見ることはできないからだ。
バトルパートの画面は基本的に点と線で表現される。時々キャラのカットインが入るがそれだけだ。
戦い方によってはPS4が処理落ちするほどの細やかな処理がされているため仕方がないのだが、
せっかくデザインされた機兵が戦っているところを見たかったというのが本音である。
タワーディフェンスを楽しみたいだけならば、他のゲームでも差支えないだろう。