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makotog7のレビュー・評価・感想

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
10

音を感じる漫画。和楽器である箏(こと)を弾く高校生たち

『この音とまれ!』は札付きの不良だった久遠愛(くどおちか)、廃部寸前の箏曲部(そうきょくぶ)に1人で活動していた部長の倉田武蔵(くらたたけぞう)、箏の家元の子である鳳月さとわ(ほうづきさとわ)、そして、人数合わせで参加した「3バカ」足立実康(あだちさねやす)、水原光太(みずはらこうた)、堺通孝(さかいみちたか)、過去に人間関係を壊された経験から他人の人間関係を壊して回るようになってしまった来栖妃呂(くるすひろ)が箏曲部で全力をかける青春群像劇です。

この漫画の魅力は何より演奏シーン。その圧巻の演出・画力に、音がないはずの漫画で「耳に音が響く」ような錯覚を覚え、鳥肌が立ちました。
それらを奏でるのが、ほぼ素人状態から始まる久遠愛、3バカ、来栖妃呂と、決して実力が高いわけではない倉田武蔵、ずば抜けた実力を持つ鳳月さとわです。演奏というものは1人がずば抜けていても良いものにはならず、6人は多大な努力を費やしました。それぞれに異なる過去を持つことから、人間関係にも困難が伴うことにハラハラさせられます。

作中に出てくる曲は、実際に箏の世界にある名曲たちですが、ある1曲はオリジナルで、その名を「龍星群」。
これは作中では語られることはありませんが、作者であるアミューさんは本作が初連載、「龍星群」というタイトルは少女漫画雑誌りぼんでデビュー作として掲載された読み切りのタイトルであり、思い入れを感じさせられます。

また、作中に登場する楽曲は「龍星群」を含めYouTubeで聴くことができます。作品を読んだ後に聴くと、さらに引き込まれ、どこまでも感動を覚える作品です。
(動画は削除・非公開にされる可能性があります)

シャザム! / Shazam!
3

ヒーローアクション?コメディ?

よくあるアメリカンヒーローものの作品。ある魔術師から力を受け継ぎ、ヒーローになった(させられた?)少年が悪魔(石像)の力を得た悪役と戦うこととなる。中身は少年だが、ヒーローの時には大人の姿となっている(「シャザム」と叫ぶといつでも変身のオン・オフができる)。
序盤はよくあるヒーローになるまでの経緯とその能力についての説明とちょっとした活躍などが描かれているが、他のアメリカンヒーローとあまり違いは見られず、超腕力、ちょっとしたビーム(電気?)、空が飛べるくらいで、特徴的な能力は無いように感じた。力を継承した時には典型的な魔法使いから「魔術の力を与える」と言われていたが、結局変身後はムキムキのマッチョマンで、魔法要素はほぼゼロ。事件解決はほぼ腕力でいった感じだった。
悪役は魔法使いの封印していた悪魔の力を吸収し、その7体の悪魔は自由に出し入れが可能。自分自身もスーパーパワーを持つという設定だったが、悪魔を体外に出すと自分は弱体化し、7体全部を出ている間、本人は普通の人間に戻ってしまう弱点があり、最後の戦いでも自分から悪魔を出していき負けていた。自分から負けていっているように見え、すでに超越した力を持っているにもかかわらず、ヒーローを倒さずにどうしてもその能力を奪おうとすることに固執していた。
全体的に悪役の行動が不自然で、時折挟まれるコメディっぽいコメントのあまり面白く感じられなかった。