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mahya_o8のレビュー・評価・感想

トロピカル〜ジュ!プリキュア / トロピカル~ジュ!プリキュア / トロプリ / Tropical-Rouge! Pretty Cure / Tropical-Rouge! Precure
9

楽しさ満開!トロピカル~ジュプリキュア!

プリキュアという作品を語る上で忘れていけないのが「プリキュアらしさ」への「脱却」です。長寿番組ながら定型を良しとせず、作品毎に挑戦的な題材や「こうあるべき」を疑い新たな提案を模索する、変化を運命づけられた作品だと思います。
「トロピカル~ジュ!プリキュア(以下、トロプリ)」は前作「ヒーリングっとプリキュア」が様々な要因によって現実の事象と紐付いてしまい、すっきりしない印象のまま終了してしまったように感じたのとは全く反して、トロプリは作品内でしっかりと完結し納得のいく終わり方をしたと思います。
それは何と言っても主人公・夏海まなつ/キュアサマーが一年間徹頭徹尾ブレずに天真爛漫だった事に尽きるでしょう。それは意地悪な言い方をすれば彼女が「成長していない」とも言えますが、そもそもトロプリの世界観が日本のどこかでありながらまるで「常夏の国」のように朗らかで、無論年中行事もあるにせよそれまで恒例の冬服のお着換えも物語のかなり後方という具合。
過去のプリキュア達に見られた仲間の成長への葛藤もほとんどなく、「今一番大事な事をする」をモットーに他のメンバーや同級生、先輩や家族、そして最終的には敵対する「後まわしの魔女」の使用人たちまでも同調、魔女が自分の望みを叶えて消えた後に破壊の意思を継ぐ執事・バトラーとの決戦においてプリキュアと共闘するシーンはやはり感動的です。
唯一、住む世界が違う人魚のローラに課せられた選択ですら、それまでのまなつたちとの交流から一筋縄では行かないフェイルセーフを幾重にも用意してから記憶を消されているのですから、そこからのまなつとの再会と復活する記憶の流れのシーンのカタルシスはさすがです。

シンドラーのリスト
8

ユダヤ人の生命を救ったドイツ人オスカー・シンドラーの素顔を描いた、名匠スピールバーグの渾身の一作『シンドラーのリスト』

『シンドラーのリスト』は1993年公開の米国の歴史劇映画で、製作と監督はスティーブン・スピルバーグ、脚本はスティーブン・ザイリアンです。この映画は1982年に書かれたオーストラリア人の小説家トーマス・キニーリーのノンフィクション小説『シンドラーのリスト』を原作としています。
映画はドイツ人実業家オスカー・シンドラーのエピソードを扱っています。第二次大戦中にオスカー・シンドラーは妻エミーリエ・シンドラーと共に自分の経営する工場に1000人を超えるポーランド系ユダヤ人を雇用することで彼らの命を救ったことで知られています。シンドラー役はリアム・ニーソン、ラルフ・ファネスがSS将校アーモン・ゲイト、ベン・キングスレイはシンドラーのユダヤ人会計係りのアイザック・スターンを演じています。シンドラーのユダヤ人についての映画は1963年には提案されています。シンドラーのユダヤ人の1人であるポルデック・プフペファーベルクはシンドラーの物語を語り伝えることを生涯の使命としました。シドニー・シャインバークがスピルバークにトーマス・キニーリーの小説の書評を送ると、スピルバーグはこの話しの興味を覚えました。ユニバーサル映画が小説の版権を取得したのですが、ホロコースト映画を撮る準備ができていないとして、スピルバークは映画を監督することを躊躇しました。その代わりに数人の監督が検討されたのですが、最終的には彼が監督を引き受けることになります。
主要な撮影はポーランドのクラクフで72日間にわたって行われました。スピルバーグの画面はモノクロで、ドキュメンタリーとして物語にアプローチしています。カメラマンのヤヌツ・カミンスキは無時間の感覚を創出しようと試みました。ジョン・ウィリアムスがスコアを書き、バイオリニスト、イザック・パールマンがメインテーマを演奏しています。

幸せなひとりぼっち
9

スウェーデン国民の約5人に1人が見た映画!

主人公は妻を半年前に亡くしたオーヴェという人で、毎朝自分の住む地区の見回りを欠かさず、少しのルール違反も許さないおじいさん。その口煩さに近所の人からは煙たがられています。そんなオーヴェはある日長く勤めていた工場をクビになってしまい、妻の後を追うことにします。しかしちょうど向かいに引っ越してきた家族が、タイミング良くオーヴェの自殺を邪魔してしまいます。オーヴェは別の日に今度こそ邪魔されないようにと自殺を試みるのですが、また邪魔されてしまいます。それ以来、彼らのことを疎ましく思うようになりますが、彼らと接していくうちに幼いうちに亡くした母や父親のこと、妻との出会い、一筋縄ではいかないが幸せな結婚生活のことを思い出し、生きていることの大切さにオーヴェは気付きます。
スウェーデンでは、「幸せなひとりぼっち」は同時期に公開された「スターウォーズ フォースの覚醒」をおさえてトップになり、160万人を超える動員数を記録しました。口コミでの評判によって5ヶ月ものロングラン上映だったこの映画は、第89回アカデミー賞外国語映画賞他にノミネートされたり、ゴールデンビートル賞では主役の俳優が主演男優賞を受賞したりしました。

フライング・ロータス / Flying Lotus
10

稀代のビートメイカー「フライングロータス」

このLAに住むビートメイカーは、ビートミュージックシーンの流れを大きく変えた人物です。
叔父と叔母にジョンコルトレーン、アリスコルトレーンがいるジャズ一家の中、自分の存在意義をビートミュージックで表すことで、近年のジャズとヒップホップが大きく接近した要因の一つだと思います。
Jディラに憧れた彼は二番煎じにはならず、大きく揺れるビートと、それを覆うアブストラクトな音像をいくつも重ねたレイヤーは、「フライングロータス以降」という言葉が使われるほど衝撃的でした。
また、もともと映画の学校に行っていた経験から、自ら監督として作品を作り出したり、ライブ時での特殊な映像方法は、単に耳だけを刺激するものではない。視覚聴覚の両方から与える中毒性を完全に理解した上で、ショーケースを行う繊細さと大胆さを持ち合わせたパフォーマンスは、家で音楽を楽しむことと、ライブ会場で生で音を味わうことの楽しみを常に与えてくれる存在です。
自ら楽器を学んだことが作品に反映され、初期のビートミュージックからジャズを経由して、フュージョンのような多彩な音楽を発信しています。
1000年に一度のミュージシャンと称賛していた方もいましたが、この言葉以上の活躍をリアルタイムで観られることは幸せなのかもしれません。