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「王道ヒーローもの」の到達点
毎週日曜朝放送のスーパー戦隊シリーズの37作目。タイトル通り恐竜をモチーフにした戦隊で、獣電池というアイテムを使って変身するので「獣電戦隊」というわけです。本作の脚本を担当したのは三条陸。特撮では平成ライダーの代表的な作品とされる『仮面ライダーW』の脚本を務めたほか、週刊少年ジャンプで連載していた人気漫画、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の原作者としても知られています。両作品に比べると若干知名度が劣る本作ですが、私はこの獣電戦隊キョウリュウジャーこそ、三条陸の最高傑作ではないかと考えています。というのも、この作品には「成り行きで組んだチームが対立を乗り越えて本当の仲間になっていく」「敵も単純な悪ではなく様々な事情を抱えて人間と敵対している」「不意に挟まるシュールなギャグ」「王道のど真ん中をいくような熱い展開」と、三条陸作品のエッセンスが多分に盛り込まれており、とにかく一話一話が飽きさせない作りになっているのです。そのため本作は50話近い長さでありながら一度もダレることなく一気見してしまうようなエネルギーに満ち溢れています。明るく楽しい気分になれる作品を探している方、アツい物語が見たい方、昨今少なくなってきた「王道の」ヒーローを見たい方にお勧めの作品です。