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chiba229のレビュー・評価・感想

気狂いピエロ / Pierrot Le Fou
8

ヌーベルバーグの旗手ゴダールの名前を絶頂にまで高めた傑作映画『気狂いピエロ』

『気狂いピエロ』は、1965年のフランス・ヌーベルバーグ映画の代表作で、監督はジャン-リュック・ゴダール、出演はジャン-ポール・ベルモンドとアンナ・カリーナです。
映画はライオネル・ホワイトの小説『Obsession』(1962年)を原作としています。
ゴダールとしては10作目で『アルファヴィル』と『男性・女性』の間に公開された作品です。
映画の筋書きは、不幸な結婚をした男ピエロが退屈な社会・パリから地中海地方まで、アルジェリアからの殺し屋に追われる女マリアンヌと逃避行をする物語です。
フェルディナン・グリフォンは結婚に失敗をしたうえに、テレビ局の仕事を追われた不幸な男です。
パリで中身のない議論を繰り返すパーティに出た後で、彼は逃亡を思いつき、かつての女友だちマリアンヌ・ルノアールと一緒に出奔する決心をしました。
妻子とブルジョアの生活を捨ててマリアンヌのアパートに転がり込むとフェルディナンは、マリアンヌがアルジェリアの地下抵抗組織に追われていることを知ります。
マリアンヌと「ピエロ」(「悲しい道化」を意味する歓迎すべからざるニックネームで、マリアンヌが逃避行の最中にフェリディナンに付けた)はパリから地中海にクルマで旅を続けることになります。

素晴らしきかな、人生
10

時間、愛、死

一度は、聞いたことのある名作だと思います。
時間、愛、死について考える作品です。

映画は、ドミノ倒しのシーンから始まります。
ウィル・スミス演じるハワードは、ニューヨークで広告代理店を立ち上げ成功を収めていました。しかし彼は、どん底にいました。娘が死んでからのハワードは、心ここにあらずといった様子で仕事もせずドミノばかり並べていたのです。
そんなハワードの前に現れたのは、3人の男女。3人は、自分たちのことをこう言いました。

「私は、『死』」
「俺は、『時間』」
「私は、『愛』」

『死』は、「私に会えて光栄でしょ?私に手紙を出してたじゃない」と言いました。
ハワードは、『時間』、『愛』、『死』に手紙を出していたのです。
手紙を出す事が彼にとって癒しだったのですが、それが目の前に現れてハワードはパニックです。
娘の死のショックで娘も妻のことも忘れるほど心を閉ざしていましたが、3人との出会いがハワードを変え、娘の死を受け入れることが出来たのでした。

子供が二人いる身としては、子供の死など考えたくもないことです。
しかし人間いつ死ぬか分かりません。「時間がある限り子供を愛そう」と思わせてくれました。

アカデミー賞俳優が集結した作品ですので、その演技力に魅了される事間違いなしのおすすめ作品です。

ロケットマン / Rocketman
9

深く思いがこみ上げます。

世界的に有名な歌手、エルトン・ジョンの半生を描いた作品。もちろん実話で、彼の苦悩があってこその作品であるだけに深く感じるものがあります。
この映画を見て、改めて彼の曲やパフォーマンスの素晴らしさを実感するとともに、背景にある人生を考えると彼の曲が非常に深いものであると感じました。

幼少期から秀でた才能があるという部分では、正直「なんだ、もともと才能があったのか…」という思いが少々。しかし、人生全体を見てみると、両親からの愛情が薄かったり、同性愛者なゆえに思うような恋愛が出来なかったり、その苦しさというのは計り知れないものだと思いました。特に、両親からの冷酷な言葉や態度にどれだけ追い詰められたことか…想像もつきません。

そんな中で生きてこられた事は“スゴい”なんて軽い言葉では表せない大きなものがあります。
映画終盤までつらい気持ちで見ていましたが、デビュー前から組んでいた友人といまだに唯一無二の関係である事、人生のパートナーを見つけ子育てをしている事など、現在は幸せである事を本当にうれしく思えました。

彼のコンサートも、この映画を見る前と後では全く違うものに見えると思います。