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ViVid-lYricAl-6kup1のレビュー・評価・感想

Ado / アド
10

素晴らしい表現力と声の幅に脱帽

Adoは元々はニコニコ動画の歌ってみた動画でボーカリスト活動を始めたといういわゆる歌い手出身の、
2020年にメジャーデビューを果たした女性歌手。代表曲は「うっせぇわ」。
彼女の魅力は、何といってもその卓越した表現力と聞く者の心を震わせるようなハスキーボイスである。
リリースしたどの曲においても迫力のある低音から伸びやかな高音までを使いこなし、
かつ歌詞や曲に合わせて声色に変化をつけて歌い上げているが、歌唱技術についてはほぼ独学という類稀な才能の持ち主だ。
持ち曲には激しい曲調が多く、並みの人間なら1曲歌うだけでも声を潰してしまうような歌い方をするが、
Adoの声はそんな苦しさやギリギリ感は感じさせない。
怒りや鬱憤を表現した曲でも気持ちよく歌い上げくれるので、聞いていて爽快感を感じるぐらいだ。
シャウトをこんなに美しく聞かせる女性歌手にはあまりお目にかかったことがない。
顔出しはしておらず、素顔が謎に包まれているという点も、好奇心をそそられるポイントである。
その優れた表現力から下積み時代を長く積んできたのかと思いきや、彼女はなんと2002年生まれ。
本物の才能を持つ人間には、年齢など関係ないという事実を歌声によって突き付けてくれるアーティストだ。

母なる証明
8

母親という狂気的な愛のかたまり

知的障害を持った青年とその母親の物語。
主人公の青年がある女子高生殺人事件の容疑者として疑われてしまうのだが、母親は自分の一人息子を信じ、自らの手で息子の冤罪を晴らしていくために真犯人を探し出すという韓国のサスペンス映画。
ポンジュノ監督らしい独特な暗い雰囲気の演出で、母親という存在の強さ、そして子供のためならときには殺人をも犯してしまう狂気的な愛が描かれている。
とくにラストのシーンは冒頭のシーンとも繋がっており、観る人によっては後味が悪いと感じるのではないか。
婦人会のバスツアーの最中、殺人を犯してまで息子を庇った母親が、その他大勢の母親が踊り狂う輪の中に混ざって見えなくなる。カメラは大勢の「母親」という人間を写してエンドロールへ。いったいこのシーンで何を伝えたかったのだろう。
どこにでもいる母親も、主人公の母親と同じように狂気的な愛情を子供に持っている、ということだろうか。
ポンジュノ監督の他作品でも普遍的なテーマに対して訴えているメッセージ性があるが、本作品でもそれが感じられ、忘れられない作品となった。
自分の母親も、この作品の母親と同じなのだろうか。
そんなことを考えると恐ろしくもあり、母親とは本来そういう存在なのかもしれないとも思う。