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Konpeitou_11のレビュー・評価・感想

追悼のざわめき
1

お勧めは出来ないが、悩まされる事だけは間違いない大問題作

映画のレビューの点数を参考にされる方も非常に多いと思うのだが、点数がついてないから面白くないわけではない。
たまにではあるが、点数が付けられない映画も存在するのである。
まさにこの映画がそうだ。満点をつければ、私のぺらぺらの道徳心が痛む。
この映画は私を悩ませ、苦しめる邦画ナンバーワンであることは間違いない。
世の中には、沢山のタブーが存在する。
倫理的、道徳的な事から外れることは悪い事だとされている。
だが、悪い事とされていても、過ちを犯すのが人間なのである。
人間の醜い欲望の数々を、この映画の中でみせられる。非常にパワーを吸い取られる映画ではある。
が、この醜い行為の数々を、純粋と捉える事もできるし、狂気と捉える事も出来るのである。
純粋と狂気は紙一重なのである。
観ながら、私の善とするもの、悪とするものに対する基準が段々と揺らいでくるのだ。
圧倒的な欲望パワーの後に残るのは、哀れさと寂しさ、悲しさである。
とんでもないものを観た(目撃した)ような気持になり、どう自分の中で処理をしていっていいのか、迷う作品なのだ。そして非常に疲れる作品でもある。
知り合いに勧めようとは決して思わないが、観なきゃよかったとは思わない映画だ。
興味のある方は是非体感して頂きたい映画ではある。

SLAM DUNK / スラムダンク / スラダン
9

バスケを知らない人に読んでほしいマンガ!

私はこのマンガを読むまで、バスケットボールにはあまり関心がありませんでした。
しかしお付き合いしていた彼からおすすめされて読み始めたのがきっかけで、このマンガが大好きになりました。
それだけでなくバスケットボールがこんなに面白い競技なんだということも知ることが出来ました。
またなんと言ってもこのマンガに出てくる登場人物がそれぞれインパクト大で、自分の推しのキャラクターができたことで更にハマっていきました。
私の好きな選手はやはり王道の桜木花道です。バスケットボールの技術は無いものの、とにかく熱い男!
ボールへの執念が誰よりも強いところもすごく好きです。
また人情味があり、メンバーに対してもとにかく熱く感動させられる場面がたくさんあります。
桜木花道がずっと憧れているはることのやりとりも微笑ましくて大好きです。
バスケットボールが好きな人はもちろん、ルールを知らない人でも絶対にお気に入りのマンガになること間違いなしです。
有名なマンガですが、昨今ではオリンピックでも日本男子チームがジワジワと力をつけてきていたり、女子チームは銀メダルを獲得しとても注目されているスポーツだと思います!
小さなお子さんにも読んでいただき、興味を持ってくれたら嬉しいです。

超獣戦隊ライブマン
9

曽田戦隊最後の輝き

本作は実質最後の昭和戦隊と言っても良い作品です。
曽田博久戦隊の「闇」の集大成と言って良いかも知れない(「光」の集大成は「チェンジマン」)。
テーマとなっているのは恐らく「学生運動のレヴュー」でしょう。
元々「ゴーグルV」からして若者が自分たちで立ち上がって自分たちで戦おうという全共闘の作品であり、常にどこかそういうテーマを奥底に抱えながらやって来たことを思うと、やはり本作はその学生運動の最後の段階、即ち連合○軍がもたらした一連の事件をドラマとして再現したところにその凄みがあるのじゃないでしょうか。
本作はアカデミアという学校の若者達による熾烈な争いとなり、科学技術の発展による最高の知性を求めて突っ走った結果道を踏み外してしまった者達とそれを傍で見て止めようと奔走する者達というとても切なく苦い戦いとなります。
よって歴代でも爽快さより陰鬱さの方が勝る戦いとなり、その意味で本作の終盤は歴代でも「ジェットマン」「タイムレンジャー」に並ぶレベルのハードな展開となっています。
故に本作は「サンバルカン」以来の三人戦隊でありつつ、キャスティングにも物凄く力が入ってます。
既に歌手として活動していた嶋大輔、天才役者の森恵、そして今でも大活躍の西村和彦とこの三人の持つテンションやムードによって演技にも重厚さがありますし、またそれを受ける敵側の三人も凄い力量を持った人達で構成されています。
そんな本作の終盤、とうとうアカデミアから頭脳軍ボルトの幹部であった三人(というか二人)はとうとう己の頭脳を捧げ、一人は機械化、そしてもう一人が獣と化して完全に人間性を喪失してしまいます。
そしてそれこそが本作の持つ「悪」の姿であり、人間であることを選んだライブマンと人間であることを喜んで棄ててしまったボルトの幹部連中、そんな彼らが行き着く先はもはや破滅の道しか残されておらず、故に一人を除いて「救済」が出来なかったラストは苦さの方が勝るのです。
そしてそれは同時に戦隊シリーズとして見ると、理想を貫き一つの頂点に到達した戦隊シリーズがどんどんやり続けていく内に生々しい現実と向き合うことになり夢だけでは生きていけなくなるようなもので、かつての学生運動と同じような気高き革命の後には大衆主義に飲み込まれていくという悲しき運命を辿ることになる。
故に本作は曽田戦隊最後の輝きを放った「名作」ではあるのですが、次作「ターボレンジャー」「ファイブマン」でとうとうネタ切れとなり、出涸らしとなって迷走していくシリーズの今後を予感させるようでもありました。

オリエント急行殺人事件
8

ケネス・ブラナーのポアロ

ケネス・ブラナーがポアロって、一体どうやねんと思いましたが、アクションをするポアロも、まあいいものでした。
ポアロって、人の話を聞いて推理していくと言うスタイルなので、アクションとかいらないっちゃあ、いらないのですが、映画だし、豪華絢爛な美術、キャストだし、アクションがないと地味だなと思ったのかもしれません。とはいえ、ケネス・ブラナーさんは、舞台役者らしく、ちょっとナルシストっぽい演技とかもあり、ポアロの変な美意識的なものは表現されてて良かったと思います。
殺されるラチェットがジョニー・デップというのもカッコ良すぎだなとも思いますが、ジョニーも癖のある役が似合う男なので、そんなに変ではなかったです。
日本でのドラマでも佐藤浩市がラチェットをしたそうですし、ラチェット男前説が出てきているのかもしれません。他のキャストも豪華ですごいなと思いました。
話はやはり、面白くて、この人もこの人も繋がってたの?といろいろ分かっていく過程がわくわくします。伏線回収とかが好きな人にはたまらない話なのではないでしょうか。そして、最後はとても切なくて泣いてしまいます。
アガサ・クリスティの話はやはり面白いなと思いました。また、原作が読みたくなりました。