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7ihibiki-shiokawaのレビュー・評価・感想

片田舎のおっさん、剣聖になる 〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜
8

見た目は冴えない中年おっさん。しかし彼こそ「最強」達が一目置き憧れる剣士だった

主人公は片田舎の剣術道場で師範をしているベリル・ガーデナント。
普段は常にネガティブ思考で、自分に自信がなく、頼りない中年のおっさんです。しかし、実は世界に名を残せるほどの騎士や冒険者をも凌ぐ、卓越した剣技の持ち主。そんな実力を持ちながら自身をとことん過小評価する彼を、かつて弟子として彼に師事していた「最強」達が、時に強引に時に必死にその背中を押していくストーリーです。
1話時点で既に最強の主人公、さらに脇を固める元弟子達も最強という、いわゆるチート祭りの状態ですが、それで辟易することはありません。
たとえ最強であっても、それぞれに苦い過去や悩みがあって、時には失敗もします。人間である以上、そこに例外はないのだと本作は訴えかけてきているように思います。
そもそも自分が化物じみた強さだと全く分かっていないベリルと、彼の強さを理解する元弟子達による嚙み合わない掛け合いも、どこかもどかしいながら笑えること間違いなし。

作中、握手をするだけでその人の強さを見抜くことができる刀鍛冶屋を営む元弟子が登場するのですが、ベリルと握手をした際に底知れない強さを感じて思わず身震いするシーンがありますが、それにさえ気付きません。どこまでも無自覚な最強のおじさんの活躍劇、ぜひ手に取ってみてください。

魔法使いの嫁 / The Ancient Magus' Bride / まほよめ
10

ハリポタ並の衝撃!魔法の世界にどっぷり浸かれること間違いなし!

魔法使いの嫁はタイトルの通り魔法使いのお嫁さんになるのですが、そんな甘いラブコメでまとめられる話ではありません!
まずとても絵が細かく綺麗で見応えがあります。その絵で紡がれるイングランドの片田舎で主人公チセは魔法使いの弟子として暮らします。
まずそれだけで幻想的なのですが、そこに加わるのは作者の知識量!イングランドのお伽噺などを織り交ぜながら様々な魔法の知識を教えてくれます。どこまでが創作?どこまでが先生の知識?とわからないほど。
たとえば主人公のチセは簡単に箒に乗ったりはしません。杖なしで何がすることも多いです。典型的な魔法使いのイメージよりもよりリアリティにある形へと描かれているのです。
そして主人公のチセはまだ10代の女の子。過去のトラウマから死んでもいいという思想を持ってます。そこに人の気持ちがわからないけれど、素直に話す魔法使いエリアスと出会います。この2人にはそれぞれが成長の余地ありでして、自己犠牲しがちなチセと手段を考えないエリアスは日々奮闘し、成長していくのです。
それが見ていて感動もの!若い人ならこれから経験する悩みになってますし、大人なら何か忘れたものを思い出させてくれるようなストーリーになってます。様々な角度から魔法の世界にどっぷり浸かれる魔法使いの嫁を、ぜひ読んでみてください!