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5onaoki0910のレビュー・評価・感想

セトウツミ
8

ただの会話が面白い。

男子高校生の瀬戸と内海がただ喋るだけの映画です。
映画ですので風船さんっていうバルーンアートを練習している人がいつもの川辺にいたり、瀬戸と内海が出会った頃の話が入ってたりしますが、だいたいは瀬戸と内海が喋ってるだけの映像が続きます。
それで、これだけ面白くしているんだからすごいなと思いました。
原作漫画があって、それもただ話しているだけです。
でも、漫画は1話完結だし、ゆるい漫画としてありえるけど、映画でもありえるんだなと思いました。
主人公の2人は、菅田将暉と池松壮亮が演じています。2人の人柄の勝利かなって感じです。
菅田演じる瀬戸は、おちゃらけて見えるけど、いろいろ考えてもいそうな感じで面白いキャラでした。
話してることも猫が死にそうとか、親が離婚しそうとか、じつはシビアな内容だったりします。
池松演じる内海は暗いけどどこかかっこよくて、彼に惚れている女子学生がいることが説得力がありました。
2人がほんとに仲良さそうでみているとほっこりします。
ほぼ、彼らしか出ていないので出ずっぱりだし、彼らのファンにはうれしい映画だと思います。
しゃべる場所もほぼ決まっているので、そんなに動きがあるわけでもないのですが、なぜか面白く何度も見たくなる作品でした。
菅田将暉の関西弁もかわいくてよかったです。

岩元先輩ノ推薦
10

美麗な筆で描かれる怪奇宿す少年たちの奇譚、ここに開幕!

ジャンプで『ぬらりひょんの孫』を連載していた椎橋先生の新作です。
舞台は1910年代。超常現象を調査する岩元という少年を主人公に据えた奇譚となっている今作はまさに、作者の得意分野ど真ん中の作風そのもの。青年誌での連載ということも手伝って、より怪しげでより陰の濃い、奇怪な世界に仕上がっています。
といっても、ただ不気味なだけの話ではありません。
主人公・岩元が信念を貫く姿はもちろんのこと、コミカルさもある個性豊かな「後輩」たちが非常に魅力的に描かれている為、明暗のバランスがしっかりとれた読み心地のいい作品といえます。
ストーリー自体は各地の超常現象のもとを訪れた岩元がその怪奇を解き、蒐集するシンプルな構成となっていますが、さすがタイトルで既に「先輩」と敬称をつけられているだけはある見事な岩元の主人公ぶりによって、話がばらけることなくしっかり一つの物語としてとらえることができるようになっています。
基本的に一話完結ですので、怪奇もの初心者や長編を読むのが苦手という方でも比較的読みやすいのではないでしょうか。

また、美麗な筆遣いや構図の組み方も見事な、魅せ方が非常にうまい作品でもあります。
筆ペンを用いた力強く独特な線や繊細な描画により演出される「和」の雰囲気は、明治・大正時代に位置する作中の雰囲気とよくマッチしており、読み手を違和感なく作中に没入させてくれます。
手記・書簡を引用しているような演出もあるので、本当にかつてこんな人物が歴史の裏にいたのでは?という感覚も味わえますよ。