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4csu_ma_i_25のレビュー・評価・感想

地獄でなぜ悪い / Why don't you play in hell?
7

ジェットコースターのような。

ヤクザが主役の話ってちょっと怖すぎて苦手なんですが、この話はコメディ的要素も強くておもしろかったです。もちろん、抗争ものですから、血はブシャーだし、あれな表現も多々あります。それでもおもしろいのは、勢いがあるからでしょうか?また、映画監督が作る映画を撮るという話なので、監督さんの映画愛なども感じられてそこもいいなと思います。まあ、ちょっとよくわからないなってとこもごちゃごちゃしているなってところもありますが、それもご愛嬌です。おもしろいと思いきや、グロシーンに突入したりして、ジェットコースターのような映画だなあと思いました。
また、キャストも素晴らしかったです。特に、國村隼さんが素敵でした。怖い人、部下からするとすごい人だけど、妻への愛が強くて、彼女に娘の晴れ姿を見せたいと、馬鹿なことを思いついて…、ああ、いいお父さんだなと思っちゃいました。それに実は映画への憧れも強かったんだなと思わせるところもあり、人は見かけによらないっていうか、隠れた趣味とかあるよねと共感しました。他の人たちとみんな個性的な人で、今回は彼に注目、次に見るときは、こっちの彼に注目とかができる作品かなと思います。何度も見直したくなる、そんな作品です。

Virginia/ヴァージニア
9

切ないミステリアスホラー映画でした。

ホラー映画でもあり、ミステリーでもあり、謎解きでもある、ちょっと変わった映画でした。
ホラー映画の中でも切ない部類に入ると思います。売れないオカルト系小説家が、ある田舎町で知り合った警察官から聞いた殺人事件に興味を抱き、それについて小説を書こうとするお話。
その殺人事件にも色んな秘密が隠されていて、眠れない夜にホテルから出て田舎町の中を歩いていると、不思議な少女に出会います。この少女が出てきた瞬間、いやいや、ちょっとどう見ても普通じゃなくておかしいでしょ!と、色んな意味で突っ込みたくなったのですが、まぁそれは見てのお楽しみということで、小説家も何の違和感も感じずにその少女と普通に接するのがまた凄いと思いました。
ただ、その少女に出会ってから色んな不思議な体験を小説家はするようになり、でもそれがやがて、警察官から聞いていた殺人事件へと繋がる鍵だということがわかります。小説家も実の娘を事故で亡くしているのですが、この不思議な体験をすることによって、その実の娘の事故の原因も自分のせいだと知ってしまい絶望に陥ります。
ですが、このストーリーを小説として書いたらそこそこの売れ行きになり、結果、小説家としては良かったんじゃないかと。
ただ、最終的にはその田舎町で知り合った警察官も実は…と、ビックリな話もついていて、結構、楽しめる映画でした。

1000円ヒーロー
8

最強なのに戦えない主人公

この作品は「お金」をモチーフにしたヒーロー漫画で作者は"焼き芋ハンサム齋藤"さんです。

この世界のヒーローは「現金」を消費することで変身し、戦うパワーを得ることができレートによってその強さと消費する金額が上がる、というものです。例えばレート1のヒーローであれば1秒1円消費することができ、熊を単独制圧できるほどの戦闘力を誇ります。
世間一般ではレート100が最強とされていますが主人公の"日朝千"(ひあさ せん:以後、千)はそのレートは1000、すなわち右に並ぶものがいない最強のヒーローです!しかしレートが1000ということは1秒1000円、1万円札を消費しても10秒しか変身できません。さらに追い打ちをかけるように千はとてつもなく貧乏で四六時中アルバイトや内職に明け暮れています。なので普段は100円で0.1秒で攻撃を繰り出すことで瞬時に敵を倒し、できる限り消費金額を節約するようにしています。
なので"最強の力"を持っていながら貧乏という現状が彼の足を引っ張り、長時間"戦えない"という主人公最強系のストーリーとしては珍しい設定となっており、そこから生じるコミカルな葛藤や人間的成長がこの作品の面白みの1つです。

アニメ化などはされていませんが隠れた名作と言える作品の1つです。