民族をいじめておきながら制裁が物足りない
アマゾンの奥地へと部族の取材に行った男女四人の撮影隊が帰ってこない。アマゾンへと向かったモンロー教授は、食人族の原住民と仲良くなって撮影隊が残したビデオカメラのフィルムをもらい、ニューヨークに持って帰って彼らの身に何があったのか、映写機にかけて確かめることにした。
結論から言ってしまうと、胸糞悪い上に制裁が物足りなかった。
見ごたえは同じ食人族もので、食人族に捕まって食うか食われるかのハラハラ感と、さらっと行われるむごい仕打ちの演出が多々あったグリーン・インフェルノのほうが上だと思う。
「食人族」はフェイクドキュメンタリー作品だから、普通の人間が現実的な言動をとっている場面をビデオカメラで撮影しているように作り上げるということは分かってはいるのだが。
食人族の家畜を殺したり家を燃やしたり、何の脈絡もなく食人族をいじめて横暴に振る舞った撮影隊は、映画の最後に一人ずつ殺され、解体され、食べられた。この映画のメインイメージビジュアルは棒が体を貫通している血まみれの全裸の女性の遺体なので、壮絶に残酷な映画なんだと期待を抱いていた。だから、撮影隊に罰が下されるのが短くてあっさりしすぎだし、許しを請う声も悲鳴も痛がって苦しんでいるうめき声もなくて、寂し気なBGMが流れるだけだった。ガッカリした。